品種は500種類以上!ハクサイの基本
ハクサイは、アブラナ科アブラナ属の野菜で、鍋物、漬物など和食には欠かせない存在です。葉がぎっしりと重なり合っているのを「結球型」と呼び、日本では結球型が主流です。胴の部分は葉が締まっていて頭部が開いている「半結球型」や、コマツナ、ホウレンソウのように葉が全体的に開いている「不結球型」などもあり、登録品種はなんと500種類を超えると言われています。
一般的なハクサイは、ずっしりと重くて大きいものをイメージするかもしれませんが、片手で持てるミニサイズも人気を集めています。かつて芯の色は白い方が良いと言われていましたが、最近では黄色いものが主流になってきました。
ハクサイは中国原産の野菜で、カブと漬菜が交雑して生まれたと言われています。
鮮度のいいおいしいハクサイの見分け方
鮮度のいいハクサイを見分けるには、まず、手に持って見ることが大切です。見た目よりもずっしり重いハクサイはおいしい証拠。外の葉の色がしっかり濃く、葉に小さい黒い斑点が出ていないものを選びましょう。頭部の葉もしっかり巻きが強いものが、新鮮なハクサイの印です。
ハクサイの栄養
ハクサイに含まれるカリウムは、体内のナトリウムのバランスを整える働きをします。ハクサイには水分が多く含まれるため、この水分とカリウムのおかげで利尿作用が高められると期待されています。
ビタミンCの含有量も多く、免疫力を高めるなど体調管理に適しています。ビタミンCはコラーゲンの吸収を高めますが、ビタミンCは熱に弱く水に溶けやすい性質を持つので、ハクサイでビタミンCを摂取するためには漬物が最適です。
食物繊維も豊富で、整腸作用や便通を改善する働きも期待できます。
ハクサイの保存方法
ハクサイを保存するときは、夏場は新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に入れます。冬は、新聞紙に包んで玄関やベランダなど、直射日光の当たらない場所で保存しましょう。ハクサイを寝かせて置いておくと、下になった部分の葉を傷めてしまうため、なるべく立てて保存するのがおすすめです。カットしたハクサイは、空気に触れないようラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。
ハクサイの旬の時期
ハクサイの旬は12月から2月頃です。ただし年間を通して市場の需要があるため、一年を通じて流通しています。ハクサイの国内産地として有名なのは、茨城県と長野県です。
ハクサイの賢い使い分け
ハクサイは芯と葉の部分では水が含まれる量や歯ごたえが異なるので、調理によって使い分けるのが良いでしょう。芯は硬くて火が通りにくいので、漬物やサラダにして食感を楽しむのがおすすめです。葉の部分は柔らかく火が通りやすいので、鍋やおひたしなどに適しています。
ハクサイの下ごしらえ
ハクサイを下ごしらえをするときには、流水にさらしながら一枚ずつ丁寧に洗うと、泥をきれいに落とすことができます。長く保存したいときは外側から丁寧に1枚ずつはがし、漬物にするときは、1枚を半分に切って塩水につけながら洗うようにしましょう。
ハクサイをおいしくするワンポイント
ハクサイを縦半分に切るときは、芯の部分にだけ包丁で切り込みを入れて、葉の部分は芯に沿って手で裂くように分けると、葉を傷めません。ハクサイの葉を外側から一枚ずつはがして使い、だんだん小さくなってきたら、丸ごと煮込むなどバリエーションをつけると、おいしくいただくことができます。
ハクサイの茎についている黒い点の正体
ハクサイの茎の部分に黒い斑点がついているものがあります。これは「ゴマ症」というハクサイの生理障害で、外部刺激などのストレスが原因です。ハクサイの中にポリフェノール類が蓄積して起こるもので、食べても問題はありませんが、盛りつけなどで気になる場合は取り除くとよいでしょう。
ハクサイの種類
オレンジハクサイ
外側は緑色で、中身が鮮やかなオレンジ色のハクサイ。見た目がきれいなので、漬物や煮物、サラダなどに最適です。
ミニハクサイ
1キロ前後の小型のハクサイです。丸ごと1個使い切ることができるため、近年人気を集めている品種です。
霜降りハクサイ
寒さに強いハクサイ。芯は黄色で糖度が高く、甘みがあるので漬物やキムチ、サラダなどに向いています。
タイニーシュシュ
種苗や農芸用品などの会社「サカタのタネ」が開発した品種です。口当たりが良く、サラダなどの生食向きです。
鍋や汁物、サラダ、漬物と様々な料理に合う万能なハクサイ。本格的に栽培され始めたのは明治時代と、他の野菜と比べると歴史は古くありませんが、私たちの食卓に欠かせない野菜といえます。
参考: 「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)