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冬野菜は温まる?〜冬野菜と夏野菜の違いとは〜

冬野菜は温まる?〜冬野菜と夏野菜の違いとは〜

2017年11月03日

今ではハウス栽培や外国からの輸入によって大抵の野菜は一年中、好きな時に食べられるようになりました。野菜売り場を見回して、それぞれの野菜の本当の旬はいつか分かる物はどれくらいあるでしょうか?冬野菜と夏野菜の違いを見てみましょう。

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栽培から見た夏野菜と冬野菜の違い

育てる時期などからの夏野菜と冬野菜の違い

栽培時期の目安

■夏野菜

・春に種蒔き

・初夏に苗を植える

・収穫時期は初秋頃まで

・霜が降りると枯れる

■冬野菜

・夏の終わりに種蒔き

・初秋から秋に苗を植える

・収穫時期は冬・早春頃

日本以外の原産地

■夏野菜
・熱帯・亜熱帯地域が主

■冬野菜

・地中海沿岸や中央アジア、中国など緯度が高めの地域が主

多く見られる形態

■夏野菜

・実がなる野菜(果菜類)

■冬野菜

・葉または根を食べる野菜(葉菜類/根菜類)

栽培時期では一概に季節の野菜と言えない事も

夏野菜と冬野菜の違いを大まかに分けると、上記のようになります。

夏に収穫できる野菜でも栗カボチャやジャガイモは暑さにあまり強くありません。どちらも北海道で多く栽培されていますので、比較的冷涼な気候を好む事がわかると思います。

また、エンドウやソラマメは多くの地域では晩秋に種蒔きして冬を越し、翌年の初夏に収穫されますが北日本では冬作できないため、春に植える事になります。

このように、栽培上の暦で夏野菜と冬野菜に分けると、地域によって夏野菜や冬野菜が若干異なってくる事もありますので、一概に「○○は冬野菜」とも言い切れない事もしばしばあります。日本の多様な気候をうまく利用し、旬とは違う季節に野菜を育てたケースがあります。

タマネギは、本州より南では秋に種をまいて春から初夏にかけて収穫する野菜ですが、北海道では2月から3月頃に種蒔きをして9月から10月に収穫し、翌年の春先まで断続的に出荷します。すると今度は、佐賀県産のタマネギが春取りのタマネギのトップを切って出荷されはじめ、全国の産地で上手に収穫期がリレーされています。

夏野菜と冬野菜が体にもたらす効果

俗説として「夏野菜は体を冷やし、冬野菜は体を温める」と言われていますが、実はこの俗説は科学的には全く根拠がありません。例えば冬野菜の代表とも思えるダイコン。こちらを例に取ってみると、実際に冬は食べる機会が増えるのですが、薬膳では「体を冷やす」野菜に分類されているのです。

環境によって異なる作物の生態

植物の生態は、土地の気候や土壌に合わせて進化した物です。暑い地域でも多湿か乾燥地帯かで、育つ仕組みも変わってきます。暑い地域が原産の作物は実に水分を多く蓄える物が多く、寒い地域の作物は、凍りつかないために水分が少なめな物が多いのです。

体を冷やす野菜に分類されているダイコンですが、原産地は中央アジアからエジプト周辺となります。ピラミッドを作る人に、給与の一つとして支給されていた野菜にダイコンがあったという話があります。比較的暑く乾燥した地域で生まれた野菜のため、ダイコンは多くの水分を含んでいる事もあり、体を冷やす作用があるのです。

体を温める効果は調理法によって変わる

「冬はおでんに入ったダイコンや根菜の汁物を食べて体が温まるのに」。と思う方は多いと思います。しかし、体を冷やす野菜に分類されている水気が多いダイコンは「生」で食べると体を冷やしてしいますが、冬に加熱調理して食べると体は温まるのです。

つまり調理法によって変わってくるのです。血流を促進して体を温める成分が含まれる生姜も、生のままの成分より、加熱した後の成分の方が体を温めてくれる効果が高いのです。

「冬に採れる野菜だから体を温めるはず」と、ハクサイやダイコンを生のサラダで食べてしまうと体が冷えてしまいます。水を多く含んだ野菜を生で食べると、冷たい水を体に取り入れているのと同じような状態で、体を温めたい時には、加熱調理して温かい物を食べる事が大切です。

冬野菜に限らず、「体を温める」と言われる野菜には根菜が多く「土の下の野菜は体を温める」という俗説もありますが、根菜は基本的に加熱調理して食べる事が多いので、体を温める効果が高いということになります。

季節で大きく変わる野菜の味

夏野菜と冬野菜の大きな違いとして、「甘み」があります。ダイコンは通年を通して食べられますが、冬ダイコンは甘みがあり、夏ダイコンは辛みがあります。これは、野菜が身を守るための防御反応によって味が変化するのです。冬のダイコンが甘くなる理由は、凍らないためです。気温が零下に下がってしまうと、ダイコンに含まれる水分が凍ってしまいます。しかし、糖度を上げる事で凝固点が下がるため、凍結しにくくなるのです。

この理屈を利用し、栽培の仕方によって糖度を上げる方法が用いられたのが、チヂミホウレンソウとなります。ホウレンソウは通常、トンネル栽培と呼ばれるアーチ状にビニールをかけて保温する方法で育てますが「寒締め法」という育て方で、わざと霜に触れさせる事でタンポポの葉のように「ロゼット」と呼ばれる形状になり、葉は厚く縮み、糖度が高くなります。

積雪の下で保存する「越冬キャベツ」も低温下で糖度が上がる野菜の仕組みを利用したものです。ちなみに夏ダイコンが辛いのは、冬とは逆に暑さによって腐らないために辛み成分が増すためです。

旬の野菜を季節の料理法で食べる事は体に優しい

ハウス栽培や高地栽培など、栽培に手間とコストをかける方法が一般的でなかった時代は、旬の野菜がたくさん食べられていました。夏の野菜は塩漬けにして保存すると共に、冬に食べる時は塩分によって体を温める効果をプラスするなど、旬の野菜を食べることは理にかなっています。

また、調理法も野菜の旬に合った物が多く伝えられています。寒い時期に温まる煮物や汁物はもちろん、キュウリやウリなど、夏野菜が使われる事が多い酢の物は、酢によって腐敗しにくくする効果の他、暑気で疲労した体を労り酸味で食欲増進をさせて夏バテを防ぐ効果があります。

旬の野菜を食べる時、どんな調理法が体に合っているかも考えて選んでみてください。

 

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