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農にまつわる日本のお祭り ~東北、関東3選~

農にまつわる日本のお祭り ~東北、関東3選~

最終更新日:2018年09月04日

長い歴史と伝統を誇り、山車や伝統の舞などの祭り行列があることで、世界的にも有名な日本の祭り。一年を通してさまざまな祭りが行われていますが、その中でも農業が起源となる祭りは日本に数多く存在します。農作物が無事に育つための人々の祈りや雨乞いなど、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するため、古くから人々は祈りを捧げてきました。そこで今回は、農業国日本の関東・東北地方において、毎年たくさんの人でにぎわう「農業が起源となった祭り」を3つご紹介します。
(画像は鹿沼秋まつり。提供:鹿沼市観光交流課)

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全国でも珍しいカモシカを模した踊りが見られる「山形県・新庄まつり」

山形県・新庄まつり(画像提供:新庄市商工観光課)

毎年8月24日〜26日の3日間、山形県新庄市で開催される「新庄まつり」。宝暦6(1756)年、当時の藩主・戸沢正諶(とざわ・まさのぶ)が、大凶作で苦しんでいる民に活気と希望を与え、豊作を祈願するため、戸沢氏の氏神である城内天満宮で祭りを始めたことが起源とされています。約260年の歴史を持つ新庄まつりは、宵まつり・本まつり・後まつりの3部で構成され、歌舞伎や歴史物語の舞台を表現した山車や、総勢約200名が列をなして市内を巡る神輿渡御行列(みこしとぎょぎょうれつ)など、藩政時代を思わせる歴史絵巻を堪能することができます。「宵まつり」では山車に照明が入り、光と影が織り成す幻想的な山車行列が夜の街を彩ります。

3日目の「後まつり」で見られる「萩野鹿子踊(はぎのししおどり)」と「仁田山鹿子踊(にたやまししおどり)」は、新庄市北部に古くから伝わる、全国でも珍しいカモシカを模した鹿子踊です。鹿子が背負っている幟(のぼり)の文字「十日雨」「五日風」は、「十日ごとに雨が降り、五日ごとに風が吹くと豊作になる」という、この地方の言い伝えを表しており、五穀豊穣を祈願する踊りとして親しまれています。

秋の豊作に感謝する「埼玉県・川越まつり」

埼玉県・川越まつり(画像提供:川越まつり会館)

蔵造りの古い町並みが特徴の埼玉県川越市で、毎年10月第3土曜・日曜に行われているのが「川越まつり」。氷川神社で行われる「例大祭」「神幸祭」から成る「川越氷川祭」が発展を遂げ、「川越まつり」とも呼ばれるようになりました。神幸祭は、氷川の神様が神輿に乗って川越の町々を巡行し、人々はその御神徳をいただいて幸福と街の繁栄を願うという伝統行事で、有名な「川越氷川祭の山車行事」の起源とされています。

人形を乗せた山車が蔵造りの町並みを進み、毎年多くの観光客でにぎわう川越まつり。もともとは豊穣に感謝するための祭りですが、受け継がれていくなかで、大都市江戸の文化も取り入れられるように。その後、城下町の繁栄とともに華やかな山車が出る都市型の祭礼へと発展し、現在では江戸の「天下祭(※)」の様式や風流を今に伝える貴重な祭りとして、約370年の伝統を誇っています。祭りの最大の見どころ「曳っかわせ(ひっかわせ)」では、向かい合う数台の山車が、笛や太鼓、鉦(かね)、踊りで競演し、祭りの夜を盛り上げます。

※ 神田明神の神田祭や日枝神社の山王祭など、江戸時代から続く江戸の代表的な祭り。

雨乞いが起源の「栃木県・鹿沼秋まつり」

栃木県・鹿沼秋まつり(画像提供:鹿沼市観光交流課)

慶長13(1608)年、現在の栃木県鹿沼市では、日照りが続き干ばつとなり、人々を悩ませていました。そこで、氏子や地域の人々が地元の鹿沼今宮神社に集まり、雨乞いの祭りを三日三晩続けたところ、激しい雷雨となり救われたといいます。この霊験を敬い、雨の上がった日を宵祭り、翌日を例祭とすることになったのが、毎年10月に開催される「鹿沼秋まつり」の始まりと伝えられています。

その後、神への豊作祈願と感謝のために続いてきた鹿沼秋まつりでは、神に願いや感謝の気持ちを伝える重要な手段として「囃子(はやし)」が用いられています。囃子の語源は「はやす」で、周囲が引き立てて栄えるようにするという意味が込められています。鹿沼秋まつりの中心となる「鹿沼屋台囃子」では、豪華な彫刻を施した屋台の中に囃子を演奏する「囃子方(はやしかた)」が乗り、演奏しながら移動していきます。囃子は五穀豊穣の奉納囃子として使われていた江戸祭囃子の流れをくむもので、大きな見せ場の一つ「ぶっつけ」では、2台以上の彫刻屋台がお囃子の競演で盛り上がります。

 
今回ご紹介した「新庄まつり」「川越まつり」「鹿沼秋まつり」は、「山・鉾(ほこ)・屋台行事」として2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。伝統を守り、今も昔も多くの人々を魅了する日本の祭り。地方に伝わる言い伝えは今日も継承され、五穀豊穣を願った人々の思いが、現在の祭りを通して伝わってきます。豊作への感謝の気持ちを込めた踊りや彫刻屋台、お囃子などの伝統芸術は、私たちの豊かな暮らしに対する感謝の念を、改めて思い起こさせてくれます。

新庄まつり
2018年8月24日(金)、25日(土)、26日(日)

川越まつり
2018年10月20日(土)、21日(日)

鹿沼秋まつり
2018年10月6日(土)、7日(日)

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