カラフルで栄養が豊富な夏野菜
6~8月に収穫される夏野菜には、栄養や水分が豊富に含まれ、色が濃くてカラフルな物が多いのが特徴です。トマトやピーマンに豊富に含まれるビタミンCには健康な肌を保つ働きが期待できます。また、かぼちゃに含まれるβ-カロテンは体に良い働きがあるといわれるなど、夏野菜にはさまざまなメリットがあります。
まずは、代表的な夏野菜の特徴や栄養素について見ていきましょう。
きゅうり
きゅうりには、汗をかいたときに不足しがちになる水分とカリウム、ビタミンC・ビタミンKが含まれています。サラダや酢のもの・漬物にすることが多いですが、宮崎県の「冷や汁」は輪切りにしたきゅうりと薬味を味噌やごまを混ぜてご飯にかける郷土料理で暑い時期におすすめです。
なす
全体の約93.2%が水分ですが、なすの皮にはナスニンというポリフェノールが含まれています。ナスニンには体に良い効果があると期待できます。ほかにも、体の熱を逃がす働きが期待できるカリウムも豊富に含まれているため、夏バテにも効果的といわれています。
トマト
トマトには、ビタミンAやビタミンC、ミネラルのほか、リコピンやクエン酸が含まれます。ビタミンCは、オリーブオイルなどの植物油に多く含まれるビタミンEと併せて食べることで、良い働きが期待できるといわれています。また、リコピンは肌に良い働きがあり、加熱すると吸収されやすいといわれています。
ピーマン
ビタミンCが豊富なピーマンは、肌の働きを良くする働きがあるといわれています。通常は調理すると壊れやすいとされるビタミンCですが、ピーマンは組織が強いため摂取しやすいといわれます。風邪予防に効果的といわれるビタミンAも含まれているので、健康管理のためにもとっておきたい野菜です。
オクラ
オクラには、レタスの約3倍のβ-カロテンが含まれています。オクラの独特のぬめりはペクチンという食物繊維によるものとされ、整腸作用や便秘にも効果を期待されています。ほかにも、カルシウムや、利尿作用も期待されるカリウムなども豊富に含まれています。
かぼちゃ
かぼちゃには、β-カロテンやカリウムのほか、ビタミンAやビタミンC、カルシウムなどの栄養素や食物繊維が豊富に含まれています。β-カロテンをとることで、肌を健康にする働きや、生活習慣病の予防にもつながるといわれています。
参照:
環境省 熱中症予防 声かけプロジェクト
文部科学省:食品成分データベース
農林水産省:特集1 夏野菜
夏野菜が家庭菜園で育てやすい理由
栄養たっぷりの夏野菜は、栽培が簡単な物が多く、プランターを使った家庭菜園でも育てやすいのが特徴です。ピーマンやオクラは暑さに強い性質を持ち、トマトやなすは害虫にも強く、かぼちゃは収穫量も多く手間もほとんどかかりません。グリーンカーテンとしても人気のゴーヤも、育てやすい夏野菜の一つです。
夏野菜を長持ちさせるための保存方法
夏野菜の多くは冷蔵庫に入れて冷やしすぎてしまうと、しなびたり水っぽくなってしまったりします。冷蔵庫の野菜室は、約5~7℃に設定されているため、約10~14℃が適しているなすやピーマン、きゅうり、かぼちゃなどを保存するときには、水気をしっかり取ってからキッチンペーパーや新聞紙で包んで、直接冷気があたらないようにして保存するようにしましょう。
また、カットした野菜は、野菜の熟成を早めるエチレンガスが発生しやすくなるので、ほかの野菜が傷むのを防止するためにも、ラップをして保存するようにしましょう。
夏野菜をたっぷり使ったラタトゥイユの作り方
夏野菜をふんだんに使った料理でおすすめなのが、フランス南部名物のラタトゥイユです。野菜を丸ごと煮込むので、手軽に栄養たっぷりの夏野菜をいただくことができます。
材料(2人前)
玉ねぎ 2分の1個
ズッキーニ 2個
ピーマン 2個
赤ピーマン 1個
トマト 2個
オリーブオイル 大さじ3
塩 適量
こしょう 少々
作り方
1.全ての野菜をさいの目切りにします
2.お鍋にオリーブオイルを入れて玉ねぎを中火で5分炒めます
3.ピーマンと赤ピーマンを入れて、中火で15分炒めます
4.ズッキーニとトマトを入れて、中火で15分炒めます
5.弱火で約10分間煮込んで、塩・こしょうで味を調えて完成です
夏野菜をしっかり食べて暑い時期を乗り切ろう
暑い時期に不足しがちな栄養素がたっぷりと含まれた夏野菜は、生のまま食べられる物も多く、夏バテ防止や水分補給にもぴったりです。夏野菜は、比較的栽培も簡単で、家庭菜園初心者にもおすすめです。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。