“農のある暮らし”「飯能住まい」とは?
都心の近くにありながらも、豊かな自然あふれる埼玉県飯能市。「“農のある暮らし”『飯能住まい』」は、そんな自然いっぱいの環境で、ゆとりや潤いのある生活を営むための移住をサポートしてくれる制度です。例えば、制度を利用して家を建てる場合、最大285万円の補助金を受けることができます。また、「家庭菜園を一から始めたい!」という人は農業に長年携わってきた地域の人から耕作や作付けの指導を受けることができ、「本格的に農業をしたい!」という人は一定の条件を満たせば農地を取得することも可能です。
2016年4月からスタートした「“農のある暮らし”『飯能住まい』」は、2018年8月までに8組(24名)の計画を認定。移住者は、休日は家庭菜園やアウトドアを楽しんだり、自然の中で子育てしたりと、それぞれの「飯能住まい」を満喫しているそうです。中には、これから畑を借りて自然栽培での農業に挑戦したいと考えている移住者もいるようです。家庭菜園から本格的な農業まで、その人に合った「農」との関わり方をサポートしてくれることも制度の魅力の一つと言えます。
なぜ“半農ライフ”を応援するのか?
飯能市がこの制度を始めたのは、2014年に、同市が「消滅可能性都市」の一つに挙げられたことがきっかけだったのだそう。消滅可能性都市とは、少子化や人口の流出によって今後存続できなくなる恐れのある自治体のことです。市はプロジェクトチームを設置し、対策を検討。そこで、定住人口を増加させるための施策として、「“農のある暮らし”『飯能住まい』」制度の導入を決めたそうです。
豊かな自然環境を持つ飯能市。都心から約1時間と通勤圏内であり、交通アクセスに優れているため、これまでに制度を利用した人々も、その全員が仕事を変えることなく移住をしています。都心へ通勤しながら休日は農業を楽しみたい人、自然の中でのびのび子育てしたい人、などのニーズに最適な飯能市独自の移住制度として、積極的に推進されています。
移住者の声を聞いてみよう!
では、実際の「飯能住まい」はどうなのでしょうか。制度を使って一家で移住をした山村さんにお話を伺いました。
──どうして飯能市に移住しようと思ったのですか?
移住する前は、仕事の関係で飯能市の隣にある狭山市に住んでいました。そこで、ちょうど家を買おうと考えていた時に、「飯能住まい」の制度を知ったんです。補助金はもちろんですが、広い土地に家を建てて、庭でバーベキューしたり、家庭菜園をしたいなと考えていたので、土地の広さがとても魅力的だと思いました。
──なるほど、それで移住を決めたんですね! 新しい家での理想の庭作りは順調ですか?
この前、土を整備したところです。芝生、クローバー、クラピアなんかを植えて、緑いっぱいの庭にしたいね、と家族で話しています。あとは、家庭菜園ができる小さな畑も作っている最中です。自分たちが食べられるくらいの野菜を作れたらいいな、と思っています。
──素敵ですね! 山村さんには、小学生の息子さんがいらっしゃると伺いました。今の暮らしはお子さんが育つ環境としていかがでしょうか?
自然の中で遊んだり学んだりできる環境が身近にあるので、貴重な経験ができていると思います。例えば、息子が通っている小学校は畑を持っていて、学校で実際に農作物を育てる勉強をしているようです。この間、授業の田植えで使った残りの苗を家に持って帰ってきたので、今バケツでそれを育てています。量は少ないんですが、お米がちゃんとできてきていて、「おにぎり1個くらいは作れるかな?」と、毎日楽しそうにしています。
息子の同級生は10人に満たない少人数なので、始めは少し不安な気持ちもありましたが、みんな仲良しで安心しました。また、少人数だからこそ、先生も一人一人を丁寧に指導してくれますし、ご近所の皆さんも子どもによく声をかけてくれます。地域全体で子どもを大切に育てている感じがしますね。
人口増加の策から生まれた「飯能住まい」。豊かな自然と周囲のあたたかい環境は、半農ライフはもちろん子育てにもぴったりのようです。あなたも飯能市で農のある暮らしを始めてみてはいかがでしょうか?
情報は2018年8月時点のものです。