農業ビジネスの未来を、さまざまな分野から分析する
「2025年 日本の農業ビジネス」21世紀政策研究所編
外交や産業技術、地域振興といったさまざまな分野を研究し、研究から得た結果をもとに政府改革や新規アイデアの発信といった活動を行っているのが、本書の著者である「21世紀政策研究所」です。本書では日本の農業事業がどのような進化をたどっていくのか、どんな課題が浮き彫りになっているかについて論じられています。
農業の大規模化や各企業による組織体制の徹底といった変化が求められる中、小規模で農業を営む農家たちは果たしてどうあるべきなのでしょうか。本書では「制度」や「構造」といった視点から「何が問題でどうしたらいいのか」を導き出し、農政やIT業界、経済、農業の専門家がそれぞれの分野から「日本農業の未来」を分析します。
農業事業の変革に対し、警戒心や反発を感じている農家は多いかもしれません。そんな農家たちに向けて、農業がもうかる産業となるために必要なヒントをさまざまな例から導き出し、日本の新しい農業ビジネスの可能性について考える機会をもたらす一冊です。
2025年 日本の農業ビジネス
著者:21世紀政策研究所(編)
出版:講談社
農業のイメージを変える“新3K”実現のためのカギ、スマート農業について学ぶ
「スマート農業のすすめ ~次世代農業人(スマートファーマー)の心得~」渡邊智之
ロボット技術やICTなどのコンピューター技術を活用しながら、農業の高品質生産を可能にする「スマート農業」。生産者の高齢化や新規就農者の減少といった日本の農業界において、現場での負担や苦労をサポートするツールとして、大いに注目されています。
本書の著者である渡邊智之氏は、「スマート農業ソリューション」の開発に携わったことや、農林水産省での経験を生かし、「日本農業情報システム協会」を設立。スマート農業による農業活性化への貢献に取り組んでいます。
本書では、スマート農業がいかに魅力ある事業であるかや、これからの日本の農業が進むべき方向について、また、次世代の農業を担う新規就農者や関連事業者はもちろん、これから農業への新規参入を検討している企業・団体に向けて事例をもとに紹介します。
これまでの農業が持つ“きつくて”“汚くて”“危険”という「3K」のイメージから、“かっこよくて”“稼げて”“感動のある”「新3K農業」を実現する「スマート農業」実践に向けた一冊です。
スマート農業のすすめ ~次世代農業人(スマートファーマー)の心得~
著者:渡邊智之
出版:産業開発機構株式会社
「東京農業クリエイター」たちに学ぶ都市型「農ビジネス」
「東京農業クリエイターズ ─あたらしい農ライフをデザインする─」小野淳
国内最大の消費地である東京で、どのように「農業起業」をしたらよいのか。本書では、都市型の「農ビジネス」を軌道にのせるためのヒントやノウハウを、著者をはじめとした実際に活躍している「東京農業クリエイター」たちの例を織り交ぜつつ、具体的に分かりやすく解説します。
東京都国立市で小さな農園を営む著者は、30歳の時にテレビマンを辞めて就農。その9年後、農サービスの会社・農天気を立ち上げ、食育・農業ビジネスなどに関するセミナー・イベントや、貸し農園・市民農園の開園サポートなど、幅広い活動を展開しています。
さまざまな農サービスの概要を、具体例を挙げながら仕組みや背景について解説し、東京などの大都市でも可能な農業のビジネスチャンスについて紹介する一冊。都市部での農業起業に興味がある人におすすめしたい、都市農業ベンチャー・ビジネス本です。
東京農業クリエイターズ ─あたらしい農ライフをデザインする─
著者:小野淳
出版:イカロス出版
今回紹介した3冊を参考に、あなたも「新しい農業」へ一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。