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「医福食農連携」とは? 農業関係者の役割、メリットとは?

連載企画:農業キーワード

「医福食農連携」とは? 農業関係者の役割、メリットとは?

農家が丹精込めて作った新鮮な野菜やおいしい果物で家庭の食卓を彩る──このように「食」と「農」は切っても切れない関係にありますが、「食」「農」は、異業種の医療や福祉の分野とも強い結び付きがあることをご存じでしょうか?
今回は、食料・農業分野と医療・福祉分野がタッグを組んで、国民が健康で長生きできる社会づくりを目指す「医福食農連携」についてご紹介。先進的な取り組み事例や農家にとってのメリットに迫ります。

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「医福食農連携」とは?

農業

「医福食農連携」とは、医療・福祉分野と食料・農業分野を戦略的に連携させる取り組みです。具体的には、農業分野で言うと「機能性食品」や「介護食品」の原材料となる農作物作り、生薬原料としての薬用作物の栽培、農作業を通じた障害者の就労支援などがあります。

今、医福食農連携の重要性は増しているといわれています。その背景には、健康志向の高まりによって栄養バランスの優れた食品が注目を集めていることだけではなく、超高齢社会により介護需要が高くなっているため高齢者の生きがいや介護予防、リハビリとして農業が期待されていることなども挙げられます。

農業関係者の役割、メリットとは?

農業

医福食農連携は農家にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。例えば、冷涼な気候の北海道では、薬のもととなる薬用植物が古くから栽培されています。近年、医療用漢方製剤のニーズが高まっていることを踏まえ、大手漢方薬メーカーにより道内に設立された支社と道内の契約農家が連携。栽培技術の研究、生産、加工、保管などを一貫して行うことで、安定した品質の確保と栽培面積の拡大が期待できます。

このように、農業分野は医療分野などと連携することで、栽培技術の向上や、近年増加傾向にある耕作放棄地の解消につながるという利点があります。同時に、農家は医療・福祉業界に対して薬品や食品を供給する大切な役割を担うことができるのです。

障害者雇用など、さまざまな連携方法

農業

医福食農連携の取り組み事例は他にもいろいろあり、雇用創出にも貢献しています。農業分野で担い手不足が深刻となっている一方、福祉分野では障害者の就労促進に力を入れています。このため、農園経営に重点を置いた障害者福祉施設で、障害者がそれぞれの能力に応じて、野菜や果物の苗作りや収穫といった農作業に携わることができる事業が全国で展開されています。ある社会福祉法人では、車いす障害者や高齢者が作業可能な農法に注目。彼らにとって作業のしやすい完全人工光型植物工場を稼働し始めました。

また、毎日の食生活に気を遣わなければならない患者の人々の食生活を支える取り組みも行われています。三重県農業研究所は、同じ作物でも部位によって栄養成分が異なることに着目し、独自の精米技術を開発。腎臓の機能が低下した透析患者向けに、リンの含有率が低い「低リン米」を商品化しました。

 
このように、医福食農連携では、関わる業界同士がお互いにメリットを感じられることが魅力です。気になった方は農林水産省のホームページなどを検索してみましょう。

参考
医福食農連携の推進について(PDF):農林水産省
「医福食農連携」取組事例集(PDF):農林水産省

上記の情報は2018年8月16日現在のものです。

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