リボベジとは?
リボベジとは、「リボーン・ベジタブル(再生野菜)」の略です。料理で捨ててしまう「根っこ」や「ヘタ」から葉などを再生させるもので、生えたものを食用に再利用できるため、「楽しくて節約になる!」などと注目を集めています。
再生の方法は、根っこや切れ端を水につけるだけですが、野菜の種類によっては水につけて根を出してから土に植え替えた方が良いものもあるよう。早速、いくつか試してみました。
再生する野菜として有名なのが、豆苗です。料理に使った後、残った豆苗の根を水につけておくと脇芽が伸びてきます。
8日目には、30センチ近くまで茎が伸びたので、再びカットして料理に使いました。するとまた芽が出てくるので、あと1回くらいは収穫できます。ただし、2回目、3回目になると茎が細くなってしまう感は否めません。豆苗はリボベジの中でも簡単で確実な野菜です。
大根・ニンジン
コツは「ヘタを厚めに残す」こと
次に、大根の切れ端を水につけてみました。水の量は切断面が水に触れるくらいの少量です。
ところが、3日目には水と触れている面が腐ってきました。調べてみたところ、根菜の再生させる場合は「ヘタを厚めに残す」のが鉄則のよう。3〜4センチ残して再挑戦しました。この際、ニンジンのヘタも加えました。
2日目には葉を切り落としたあたりから芽が顔を出し始め、その後もぐんぐん成長しました。そして24日目には立派な葉に育ちました。再挑戦の大根と同時期にカットしたニンジンの葉もしっかり生えてきました。
葉は育ったが見たくなかった現実も……
いかにもキレイな感じに撮影しましたが、少しばかり不都合な真実を明かします。水に浸かった切断面はこんなことになっていました……。
さすがに抵抗があるので、料理に利用するのはやめました。よく見ると葉が黄色くなり始めています。振り返ると、21日目くらいが成長のピークだったように思います。ニンジンの方は断面もキレイなままで、多少放置していても大丈夫なので扱いやすいと感じました。
ネギ、ミズナ、コマツナ、チンゲンサイ
水で再生させる場合
葉物野菜もチャレンジしました。
最初は試しに適当な空き容器に水を入れて切れ端を突っ込んでおいたのですが、水に浸かったままのところからすぐにグジョグジョになってきました。水に浸かる量を調整しないとうまくいかないよう。再挑戦しました。
ネギ、ミズナ、コマツナ、チンゲンサイを買ってきて、2束ずつ3〜4センチを残してカットします。さらに、皿洗い用のスポンジをカットして切れ端を差し込み、少しだけ水に触れるように調整しました。
5日目、チンゲンサイとネギが目に見えて成長してきました。
10日目にはさらに大きくなりましたが、よく見るとチンゲンサイは水に浸かっている部分が崩壊し始めています。ネギの根っこもぬめりを思わせる色合いです。
この少し前が成長の限界点だったのでしょう。翌日にはハッキリ腐敗の沼に沈みました。
一方、コマツナの方は遅れて成長してきました。11日目にも元気な様子で、根元を確認すると根が少し生えてきていました。
土に植える場合
2束カットした葉物野菜のうち、もう1束は土に植えました。
水につけたものと同様に5日目、10日目と記録しましたが、やはりチンゲンサイとネギから育ち始めてコマツナが後を追いかけていく展開をたどりました。水に比べると成長速度は全体的にゆっくりです。
水につけた方がダメになった10日目以降も生き延びましたが、やはりチンゲンサイやミズナはしおれてきた様子です。軽く引っ張ってみると、そのままスポッっと抜けました。初日に土に差し込んだ状態のまま、根が出ていなかったのです。最初から根が出ていたネギは少し根付いたのか、軽く引っ張る程度では抜けませんでした。
せっかくなので、水につけた状態で根が出たコマツナも土のプランターに追加しました。いまのところ、緩やかに成長を続けているようです。
リボベジは本当に簡単で節約になる?
その他には、カブやゴボウの葉、クレソン、三つ葉なども再生できるようです。
1ヶ月ほど試行錯誤をしましたが、個人的には言われているほど簡単ではないと感じました。何よりズボラ人間にとっては、水につける場合には最低でも一日一回は水を替えないと、あっという間にヌメリが出てきてしまうのが悩ましいところ。また、再生のために多めに残した、食べられるはずの根や茎部分が惜しいと感じることもありました。
とはいえ、野菜の切れ端から再び葉が出るというのは単純に驚きがあって、毎日眺めるのも面白いものでした。キッチン横に観葉植物代わりに置いて楽しんで育てるのにはいいのではないでしょうか。
◆そもそも枯れ専にとっては何を育てるのも簡単ではないかも……?次回は、ホウレンソウの種まきにまつわる疑問を検証。