2018年秋『とうや湖和牛』が、商標登録を取得
お話を伺ったのは、代表の大西泰弘さん。30代半ばの若きリーダーです。
「とうや湖和牛は、JAとうや湖管内で、繁殖から肥育まで一貫生産されている黒毛和種で、うちを含めて3つの農家で生産しています。2018年秋には、商標登録を取り、正式にブランド牛として認められました」と大西さん。
生後30カ月程で出荷される和牛は、「JAとうや湖」を通じて、主に東京食肉市場へ。年間の出荷頭数は全体で180頭程と希少で、そのうちの半分以上、100〜110頭が北翔産業で育てた牛です。しかも、6割ほどが最高級の牛肉とされるA5ランクで、A4ランクを含めると95%以上(2018年の実績)。バイヤーからは、特に脂の質が良いと評判です。
大西さんは、「クオリティを保つためにも、大事なのは、牛にストレスを与えないことです。清潔な牛舎の維持、餌の管理、体調の良し悪しを見抜く観察力。人間の目で見なければ判断できない部分もありますが、温度・濃度等を自動で管理する哺乳ロボットなどIT化・機械化している部分が、かなりあります」と話してくれました。
東京から北海道の和牛生産現場を、就職先に選んだ理由
入社2年目、東京都出身の川瀬晶子さんは、大学も文系で、農業とは無縁。接点ができたのは、学生時代に「北海道に行ってみたい」と、アルバイトに出掛けた富良野での農業体験が最初でした。
「肉体労働ばかりかと思っていたら、出荷の作業などもさせてもらえて。同じ仕事をずっとやり続けるのとは違って、いろいろな作業ができるのは、面白いし、楽しいし、やりがいがあるという印象をもったのです」と川瀬さん。
東京で行われた農業の求人フェアに行ってみたところ、そこで出会ったのが、大西さんでした。
丁寧な説明を伺って、通年で仕事をするとなると畑だけでは難しいということも分かったし、畑と牛のどちらも手掛けてみたいと思ったそうです。東京から北海道への単身移住に、自由な考えを持つご両親も賛成。
川瀬さんは「両親は北海道に行くきっかけができた、くらいに思っているのかもしれません。実際、何度もこちらに遊びに来ていますからね」と話してくれました。
居心地の良い職場環境。優しくて、心強い先輩スタッフがサポート
大西さんの家族以外では、10代〜30代の正社員3人とアルバイトが2人。30代の先輩女性と子牛の牛舎を担当する川瀬さんは「先輩がしっかり仕事をサポートしてくれていて、人間関係に一度も悩んだことはありません。みんな家族のように温かくて、居心地が良いんですよ」と笑顔を見せてくれました。
就業時間は、生き物を扱う以上イレギュラーもあるので、以下はあくまで一例ですが、一日の始まりは子牛への餌やりから。
2時間かけて餌やりを行った後15分の休憩を挟んで、春から秋は天気次第で畑仕事、冬は牛舎の清掃や餌の準備など。1時間の昼休み後、13時から仕事を再開し、15時〜16時には夕方の餌やりを完了。
その間には、子牛の体調を観察し手当てをし、畑では時期によって植え付け・雑草取り・収穫などを行います。
「大変だけれど、ちょっとずつ仕事を任せてもらえているので、やりがいはあります。もっといろいろな仕事ができるようになりたいですね」。
入社前、仕事に必要なマニュアル車も運転できるようにと、AT車限定から限定解除した川瀬さん。「この冬には大特の免許を!」とトラクターの運転に向けてステップアップを計画中です。
求める人材は、やる気を重視。多くの経験を積みながら、スキルアップ
とても意欲的な川瀬さんですが、『北翔産業』が求める人材も“やる気”重視で、年齢・経験は不問。社員の育成について、代表の大西さんは次のように話します。
「入社当初は、広く浅くいろいろなことを経験してもらい、慣れてきたら、担当部署を決めます。3年目くらいからはトラクターやトラックを動かしての作業もできるようになるでしょう。行く行くは、子牛、親牛、繁殖牛、肥育牛と分かれている牛舎をそれぞれのスタッフに任せて、モチベーションアップにつなげていければとも思っています」。
川瀬さんに休日の過ごし方を聞いてみると、「夏は羊蹄山に登ったり、冬はスノーボードですね」との答え。車で15〜20分も走れば、洞爺湖温泉やルスツリゾートに行け、温泉での骨休めや夏は遊園地、冬はスキーを楽しむことも可能です。
作物や牛に興味があれば、必要なのは“やる気”だけ。毎日の仕事を面白がりながら“やりがい”に変えてきた、優しくて心強い先輩スタッフが待っています。
有限会社北翔産業
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