グローバルピッグファームの取り組みとは
グローバルピッグファームについて少し説明しますと、「育種や飼料、ノウハウ、流通などは共有していますが、生産の委託というスタイルではなく、経営の独立性を保ったグループ活動なんです」と熊谷さん。
家族経営の小さな農家1軒では不可能なことも、同じ方向を向いて高品質な豚肉の生産に励むグループとして一緒に活動すれば、経済的にも作業的にも、効率化を図ることができるという訳です。
グローバルピッグファームが手掛ける『和豚もちぶた』は、原種豚生産農場で飼育された豚のうち、わずか5%程度の豚しか、父親や祖父母になれません。厳しく選び抜かれた優秀な豚は「安全・新鮮・おいしい」にこだわり、天然素材ベースの飼料を独自に配合。出荷は本部に一元化され、流通までのタイムラグを極力減らすよう徹底しています。
安全・新鮮を貫いた豚肉は、脂の軽さと甘みが特徴で、きめ細かい肉質は、まるで、つきたての餅のよう。旨味成分のグルタミン酸やビタミンEを多く含み、おいしさが長持ちすると評判です。
「日本一おいしい豚肉」へのこだわりは、獣医師体制でも分かります。発病してからの診断・治療ではなく、予防医学の立場で豚の健康管理にあたり、全国78のグループ農場に出掛けてはコンサルティングを行っています。
発育のステージごとに豚舎を分けて、飼育。年間出荷頭数の倍増も目指す
熊谷農場が、グローバルピッグファームに参加することを決めたのは、現会長が社長の時代。カットされた肉の断面を見て、その美しさに感激したことがきっかけだったと言います。「父を尊敬している」と話す、熊谷現社長も、家業を手伝うにあたりグループ農場などで研修を受け、『和豚もちぶた』の魅力に触れました。
豚は妊娠から約115日で出産し、1頭の母豚から生まれるのは10頭前後。母豚は年に2〜3回出産することになります。熊谷農場で生まれる子豚は、3週間で約500頭といい、哺乳期・肥育期を経て生後160日前後で出荷。
子豚から母豚まで約4000頭を飼養する熊谷農場では、発育のステージごとに8棟の豚舎に分け、時期が来ると次の豚舎にお引越し。出産・出荷・引越しが繰り返されます。
熊谷農場では2年かけて豚舎を増やし、頭数も増やしてきました。今後も出荷頭数の倍増を図るべく、一緒に農場を作っていく新たなスタッフの増員を目指しています。
スタッフ一人一人の資質や適性、能力を発揮できるステージを用意
一日の作業は、8時にスタート。体調の変化などを確認する、見回りから始まります。状況によっては簡単な治療も手がけ、見回りの後は餌やりと掃除。どちらもほぼ機械で行い、手作業はわずかです。
養豚には「繁殖」「分娩・哺乳」「子豚育成期」「肥育期」と4つのステージがあります。どの段階も大事なことから、入社から半年ほど、きちんとスタッフの能力を見極めた上で、適材適所に配置します。スタッフ一人一人の資質や適性、能力を発揮できるステージで働くことができます。
「繁殖を担当する人は、無事に母豚が妊娠してくれるとうれしいだろうし、分娩担当は取り上げた生命を無事に次のステージへと進ませてやれたことに喜びを感じると思います。生き物とかかわる以上、言い訳はききませんから、真面目に素直に取り組むことが大事になってくるでしょうね」と熊谷さん。
家族や働く人たち、みんなが幸せになるための投資
「みんなの所得や休みなどを整備するために、ずっと投資してきました。家族経営を中心に、みんなで伸びていきたいと思っています」と熊谷社長。所得は技術に比例するものなので、そこを良くするために投資を続け、人も育てたい。社員とその家族が、幸せになることができる経営を目指しているそうです。
熊谷農場では、年2回の賞与、年1回の昇給をはじめ、社会保険なども充実しているので、将来を見据えて、安心して働くことができる環境が整っています。
動物が好きで、農業高校に進学し、養豚体験から豚にハマってしまった20歳の若手もいる熊谷農場。正社員は今のところ3名ですが、「みんな豚が好きで、愛情をモチベーションに変えて頑張ってくれています」と熊谷社長は言います。
「動物が好き、豚が好き!」というモチベーションを持っていれば、経験は関係なし。みんなの食卓を楽しませる、日本一おいしい豚肉づくりに、あなたも携わってみませんか。
有限会社熊谷農場
住所:北海道虻田郡喜茂別町中里344番地
電話番号:0136⁻33⁻6114
グローバルピッグファームHP:http://www.gpf.co.jp/