JAと酪農家の出資によって誕生。道内有数の規模を誇る研修牧場
十勝の北西部に位置する新得町。町内を縦断するように十勝川が流れ、北部一帯が大雪山国立公園に含まれる自然豊かな町です。その中心部から車で15分程、佐幌川と十勝川に挟まれた小高い畑の真ん中に『シントクアユミルク』はあります。
平成28年3月、生乳生産に加えて酪農の担い手を育成するために、JA新得や町内の酪農家らの出資によって誕生。『シントクアユミルク』の名前の由来は、歩みとミルクを掛けた造語に、町名を加えたものです。
延べ、4.7haの敷地内に、事務所兼研修室を併設した1棟250頭規模のフリーストール牛舎が2棟並び、ほかに哺育舎、育成舎、分娩舎、乾乳舎(パーラー併設)、堆肥舎、飼料保管庫を完備。経産牛と育成牛、合わせて約750頭の牛を飼養し、年間約5500tの生乳を生産しています。
牛と触れ合う幸せな時間。新得町の魅力に惹かれる
牛舎内では、最新の空調システムを導入しているため、1年を通じて牛舎内の温度が一定に保たれ、牛にとっても人にとっても快適な環境が整っています。もう一つ見逃せないのが、牛舎内がとても静かなことです。
「たぶん、何のストレスも感じず、心地良いから鳴かないのだと思います」。そう話してくれたのは、この牧場で3年目の研修に入っている後藤梓さん。
後藤さんは、滋賀県大津市出身。大学3年生となり、就職活動をする中で、自分の将来進むべき道を真剣に模索していたそうです。たまたま大阪で開かれていた就農イベントで新得町を知り、前牧場長でもある北村一哉さんの紹介で、同町へやってきました。
以後、町内の別の牧場で研修を経た後、開業まもない『シントクアユミルク』へ。朝5時から、仮眠も含む昼休みを挟んで、19時30分まで、実働8時間の充実した酪農生活を送っています。
「もともと牛が大好きで、今も牛たちと触れ合っていれば幸せです。早起きは大変と思われるかもしれませんが、すぐに慣れます」と後藤さん。
普段から一番気を付けていることは、牛を見たときの、ちょっとした違和感だと言います。「足を引きずり、全然動かないといった不調は分かって当たり前。もっと感覚的に、この子、今日はなんとなくパッとしないとか表情が冴えないと言った、本当に感覚的な違和感を見逃さないようにしています」と話してくれました。
後藤さんは、今は新規就農を希望していませんが、研修終了後も酪農ヘルパーなどの仕事を通じて、牛と触れ合っていきたいと考えているそうです。また、新得町で毎日過ごす中で、その魅力に惹かれて新得町にずっといたいという思いが強くなったそうです。
後藤さんは、「牛の世話はもちろんですが、最新の機械のこと、経営のことなどアユミルクで学べることは本当に多い。充実した研修生活です」と目を輝かせていました。
搾乳や牛舎の管理等に、最新機器を積極的に導入
『シントクアユミルク』は規模もさることながら、搾乳や牛舎の管理等に最新機械を積極的に導入していることも大きな特徴です。
まず搾乳では、オランダ製の搾乳ロボット8台が活躍。おいしい餌を食べることのできる搾乳ブースに、牛たちが列を作ります。完全自動のロボットによる約6分間の搾乳を終えると、誰に指示されるでもなくブースを離れ、次の牛が入ってきます。
飼養全頭がICチップを埋め込んだタグによって一括管理され、搾乳量はもちろん、ブースに入った時間まで、管理事務室のパソコンに送られる仕組みです。
また、牛舎内では、食べているうちに飼料が飼槽から離れ、牛が食べにくくなることを防ぐ餌寄せロボットも設置されています。およそ1時間に1回、牛舎の通路をゆっくりと走り、およそ15分で、全体の餌を牛が食べやすい位置にまで戻します。操作に人の手は一切関わらず、走行のタイミング、ルートまですべて自動運転です。
牧場長の高岡雄さんは、ロボット導入のメリットについて「その分、楽ができるのではなく、牛を見守る時間に充てられること」と話します。
「乳牛牧場の仕事でいちばん大事なことは、どれだけ細かく牛を見ることができるかだと思います。そのためには、牛が好きであることが大前提。シントクアユミルクでは、スタッフにも、とにかく牛を注意深く見るようにと伝えています」と高岡さん。
牛の世話ばかりではなく生産量や収支にも気を配ることが牧場長の仕事ですが、「それも含めてやりがいがある」と高岡さん。
大きな規模、最新の機械、そして研修制度の充実と、担い手育成のための条件・設備を十二分に備えています。若いスタッフがやりがいを感じながら働いている『シントクアユミルク』。
酪農家を目指す人にとって、魅力的なファームの一つである『シントクアユミルク』で一緒に働いてみませんか。
【お問い合わせ先】
株式会社シントクアユミルク
北海道上川郡新得町字上佐幌東1線77-1
電話番号:0156-65-2711