室内で育てられる野菜があった!
寒風吹きすさぶ1月です。
ベランダの野菜がなかなか育ちません。冬なので仕方がないと分かっているものの、ラディッシュ栽培で収穫の喜びを知ってしまっただけに、何かを育てたくてうずうずする……。そんな気持ちで日に何度も窓からベランダを覗き込むうちに気がつきました。外が寒くてダメなら暖かい室内で育てられるものがあるじゃないか、と。
手始めに、キッチン横でできるスプラウト栽培を始めてみました。
スプラウトとは?
スプラウトとは、穀類、豆類、野菜の種を発芽させた新芽のことで、「発芽野菜」または「新芽野菜」とも呼ばれます。栽培方法の違いなどによって、以下の4つほどのタイプがあります。
・モヤシタイプ
暗室で発芽させ、収穫するまで光を当てずに育てる方法。例としては、緑豆モヤシ、大豆モヤシ、アルファルファ、 コーンスプラウトトウモロコシなどが挙げられます。
・カイワレタイプ
暗室で発芽させ、茎が伸びた7日目頃に光を当てて緑化させる方法。このタイプには、カイワレダイコン、ブロッコリースプラウト、マスタードスプラウト、ルッコラスプラウトなどがあります。
・中間タイプ
モヤシタイプとカイワレタイプの中間で、暗室で発芽させてから3日後くらいに光を当てて緑化させる方法。ブロッコリー・スーパースプラウトなどがこのタイプにあてはまります。
・発芽玄米タイプ
発芽させた後すぐに種ごと食用するものです。発芽玄米のほか、ヒヨコ豆やレンズ豆などにも発芽させて調理する食べ方があります。
スプラウト栽培の準備
必要なものは?
スプラウト栽培にあたって、下記のものを用意しました。
・種
・容器
・キッチンペーパー
・霧吹き
・空の段ボール箱
容器は口が広く、ある程度の深さがあるものなら何でも大丈夫。写真のものは100円ショップで購入したプラスチック容器ですが、スプラウト栽培専用の容器もあります。
遮光には家にあった空き段ボールを使いましたが、ちょうどいい空き箱がなければ、容器をアルミホイルなどで覆ってもOK。
また、今回は土台にキッチンペーパーを使いましたが、キッチンペーパーの代わりにスポンジを使ったり、バーミキュライトやパーライトなどの人工用土を使ったりするやり方もあるようです。
種は何を選ぶ?
ひと口にスプラウトと言っても様々な種でできるのですが、今回はカイワレとブロッコリースプラウトを育てることにしました。種を選ぶときには、殺菌剤処理がされていないスプラウト専用の種を選ぶように注意します。
スプラウト栽培の手順
1日目
下記のような手順で栽培しました。
<栽培方法>
(1)キッチンペーパーを四つ折りにして、容器の底の大きさに合わせてカットします。ペーパーの大きさが合っていないとシワになって後の作業がやりにくいので要注意です。
また、今回は使いませんでしたが、衛生面を考えると最初にアルコールスプレーなどで容器を消毒しておいたほうがいいと思いました。
(2)キッチンペーパーを容器に敷いて水で濡らし、全面を覆うくらいに種を敷き詰めます。雑菌の繁殖を防ぐため、種はできるだけ手で直接触れないようにします。
2日目〜
(4)翌日以降は1日に1、2回、霧吹きで水を与えます。2日目には種の表皮が割れ始め、4日目には芽が伸びてきているのが見てわかりました。
根が張ってきたら、霧吹きを使わずに容器に上から直接水を入れて傾けて水切りをしても大丈夫。
7日目〜
(5)7日目ごろには十分な高さに伸びてきますので、遮光を外して緑化させます。育つスピードは野菜の種類や室温などの環境にもよりますが、今回は8日目に箱から出して陽に当てました。天気の良い日に窓際に置いておいたところ、1日でしっかり緑化しました。
(6)緑化したところで根元からカットして収穫します。
収穫したものはサラダにしたほか、煮物に添えたり、肉で巻いて焼いたりしました。ブロッコリー・スーパースプラウトやアルファルファなどは冷奴にのせるだけでも、ひと手間かけた感が出るのでオススメです。
スプラウト栽培の注意点は?
特別なコツや技術がなくても簡単に栽培できました。ただ、水の管理には気をつけなければいけません。
今回は忘れないように毎日朝イチのタイミングで水やりや水替えをしましたが、一部を収穫したところで油断して水の入れ替えを怠ると1〜2日で微かな異臭が漂い始めました。生で食べることの多い野菜なので、雑菌対策は要注意です。
その点では、スプラウト専用容器が水替えも楽で便利だと感じました。ただし、カイワレの種には使えましたが、ブロッコリーの種は小さすぎて網目部分から抜け落ちてしまうので使えませんでした。
室内で簡単にできるスプラウト栽培。種さえあれば土も不要で代用容器でも栽培できるので、お金をかけずに何かを育て始めたい人にオススメです。しかも、冬場に短期間で収穫を得られるという天使のような野菜でした!
◆次回は、 複数のプランターで野菜を育てる時の栽培管理の悩みを解決。