酪農家と強い信頼関係で結ばれた「育成」という仕事
町の半分以上が山林で覆われ、美しい自然とのどかな風景が魅力の本別町。広大で豊かな土地を生かして、酪農と畑作を兼業する農家が多いことも特徴です。現在は、乳牛育成を専門に行っている『山田牧場』も、以前はビートや豆、小麦を生産する畑作をメインにしていました。父親である先代社長が育成専門に経営を転換させたことを機に、畑は牛の飼料となるデントコーンと牧草の栽培に充てています。
『山田牧場』は、乳牛を育てることに特化した育成専門の牧場です。市場で買い付けたり、酪農家さんから預かった牛を、月齢6カ月くらいから初めて妊娠する初任牛になるまで、約1年~1年2カ月育てます。そして、分娩2カ月前に販売したり、それぞれの酪農家さんに返すのが仕事です。
飼育する800頭のうち、550頭は東京都や愛知県、群馬県、新潟県、兵庫県といった本州の酪農家さんから預託された牛です。初任牛を買い付けに来たある酪農家さんから「帰って搾乳したら乳もよく出るし、体も丈夫」と、高い評価を受けたことも。預かった大切な牛を、酪農家さんの要望に応えた形でお返しすることで、多くの酪農家の方々と、長年にわたって信頼関係を築いてきました。

代表取締役の山田幸平さん
酪農家さんから「預けて良かった」「すごく牛乳が出るんだけど、どうやって牛を扱っているの?」と電話がかかってくることもあるそうです。山田社長は「育成牧場は、酪農牧場のように検定搾乳量などの評価基準はありません。だから自分たちが育てた牛が、市場関係者や酪農家の皆さんから評価されることが仕事の糧になります」と言います。
離乳後の牛は好奇心旺盛。人間の子供のように目配りを
『山田牧場』で育てるのは、離乳後の牛です。山田社長は「好奇心旺盛な時期だから、扉が開いているとすぐ出て行くし、経産牛のように人が近づくのにも慣れてない。人間の子供と同じように目が離せないし、接し方に気を付けないとけがをすることもあります」と話します。
酪農家さんから預かった大切な牛をベストな状態で返すために、「この仕事で最も大切なことは、牛の体調管理。餌やりの後に、牛の目や顔つきがおかしくないか、仕草や行動に異変はないか気をつけて見てもらうようにしています」と山田社長。
入社当初は、牧草や配合飼料を与える給餌が仕事の中心になります。最初は2人1組で仕事を覚え、牛を観察する目を十分に養います。少しずつ経験を積みながら、体調の悪い牛の治療のほか、預かり先に返す前や市場で販売する前に行う牛体の毛刈りなど、育成全般にかかわることができます。
山田社長とベテランの牧場長から、丁寧に指導をしてもらえるだけでなく、優しい先輩スタッフも支えてくれるので、牧場の仕事が初めての方でも安心して働くことができます。
思いやりと意欲を重視。頑張った分、活躍の場が広がる
職場では、山田社長とそのご両親、牧場長など約10人が働いています。スタッフ全員が和気あいあい、アットホームな雰囲気の職場です。
大事にしているのは、「お互い思いやりを持って仕事をすること」と山田社長。基本的に2人1組で仕事をするのは、安全への配慮はもちろん、常に相手の状況を見て助け合う気持ちを養ってもらうためです。個々の能力や経験に合わせて、活躍できる機会を与えてくれるそうです。
『山田牧場』では、年2回の賞与や通勤手当など、待遇面でも安心して働くことができる環境が整っています。ショベルや大型ダンプでを使った作業もあるため、大型や大型特殊などの免許を持っている方は大歓迎ですが、習得意欲があれば、免許取得のための費用を助成してくれるそうです。

巻藁運搬の作業の様子
乳牛育成に携わるという覚悟と、自分なりの目標を持って取り組むことができれば、得るものが非常に大きい職場と言えます。
長年、酪農家を支えてきたこの牧場で、一緒に牛を育ててみませんか。
有限会社山田牧場
住所:北海道中川郡本別町押帯43-1
電話:090-8705-8263