初午とは? 〜農と暦の豆知識〜
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初午とは? 〜農と暦の豆知識〜

連載企画:農と暦の豆知識

初午とは? 〜農と暦の豆知識〜
最終更新日:2019年01月23日

私たち日本人にとって身近な神様といえばなんでしょうか。古くから農耕の神様として人々にあつく信仰されてきた「稲荷」はそのひとつでしょう。稲荷はもともと「稲成(いねなり)」とも書かれ、稲の生育を意味した言葉であったといいます。そんな稲荷と関係の深い日が、2月初めの「午(うま)の日」。この日は「初午(はつうま)」と呼ばれ、五穀豊穣(ほうじょう)を司る稲荷の神様が降りてきたお祝いをする日です。農業と深いかかわりを持つこの初午についてご紹介しましょう。

春は神様がやって来る季節!

午の日とは、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の「午」にあたる日のこと。年に十二支があるように、日にも毎日それぞれ十二支が割り当てられており、いずれも12日おきにめぐってきます。十二支の日は年によって日付が異なるのが通常で、今年2019年の初午は、2月2日。2月14日は「二の午」、2月26日は「三の午」にあたります。

2月といえば、現代の日本においては厳寒の冬。しかし、旧暦の初午は現在の2月下旬から3月中旬にあたり、ちょうどその年の農業が始まる春先でした。この時期には田の神様を祀(まつ)る風習が日本各地にあり、田の神様は「馬に乗って現れる」などとも考えられていました。稲荷信仰の総本社である京都の伏見稲荷大社には、「稲荷山の神が春先に馬に乗って現れた」との伝承があります。この日がちょうど2月の初めの午の日だったという説があることや、農耕に使用する動物が“馬”であることなどから、稲荷の神様を祀る日が2月の初午の日となって各地に広まったとの見方もあります。

農耕の神から、さまざまな幸福をもたらす神となっていった稲荷

初午の日には、稲荷の神様・宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)に五穀豊穣を願って、全国各地の稲荷神社で盛大な祭礼が催されます。もともとは五穀豊穣を司るとされていた稲荷ですが、現在では、商売繁盛・病気治癒・開運祈願などさまざまな幸福をもたらす神としても信仰を集めるようになりました。

初午の日に人々が稲荷神社に詣でるのは、古くからの風習だったようです。平安時代の作家・清少納言も自身の著作「枕草子」に、2月の午の日の明け方に“初午詣”へ出かけた際、1日に何度も参拝をする熱心な人に出会ったことをつづっています。

当時からあつく信仰されていた稲荷は、近世の江戸市内でも隆盛を誇ったとの逸話が残っています。当時の流行言葉に「伊勢屋稲荷に犬の糞(くそ)」というものがあり、これは当時の江戸を歩くとよく目につくのが「伊勢屋(伊勢出身の商人)」「稲荷社」「野良犬のフン」だったことに由来するものです。江戸市内には数多くの稲荷社が勧請され、初午行事も盛んに行われていたようです。

初午の日に供える食べ物

初午の日に供えられる「しもつかれ」

初午の日には、稲荷の神様の使者とされるキツネに、好物の油揚げ、赤飯、団子などを供える風習が残っています。富山県など養蚕が盛んだった地域では、“初午団子”という白いまゆの形に見立てた団子を供え、養蚕の繁栄を願う風習もあります。そのほか一風変わった供え物では、栃木県、群馬県、茨城県などの北関東を中心に伝わる「しもつかれ」や「すみつかり」などと呼ばれるものがあります。これは大根おろしと煎り大豆、塩鮭の頭や酒粕などを煮込んだもので、現在も郷土料理として愛されています。

現在、誰もが最も手軽に食べられるものといえば、油揚げを使って作る「稲荷寿司」でしょうか。今年の初午の日には、一年の豊作を祈願する気持ちでお稲荷さんを口にするのもいいかもしれませんね。
 

参考
「三省堂年中行事事典」
著者:田中宣一、宮田登(編)
出版:三省堂

「和」の行事えほん 秋と冬の巻
著者:高野紀子
出版:あすなろ書房

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