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タキイ種苗がおすすめ!直売所で映える野菜3選

タキイ種苗がおすすめ!直売所で映える野菜3選

野菜や花の品種改良を行う、いわば“タネのプロ”の種苗会社に、4月以降に種まき・植え付けをして育てられる、おすすめの野菜を聞きました。ユニークなものが多いので、農家の方が直売所へ出荷する農作物としてもイチオシです。種苗会社大手・タキイ種苗の広報担当、荒木匡子(あらき・きょうこ)さんに聞いた4選を見てみましょう。

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近年、直売所の増加により、小ロットでの出荷が可能になったことで、サイズや色、形の変わった品種が多く求められるようになりました。

荒木さんは、「病気に強く育てやすい安定して収穫できるだけでなく、最近はおいしい、機能性成分が含まれている、見た目にインパクトがあるなど付加価値のある品種が求められる傾向にあります」と言います。

栄養価たっぷり、見た目がユニーク、美味しいと三拍子そろった品種を、4つピックアップしてもらいました。

突如生まれた子どもの味方!苦くないピーマン

「今までにない新しいピーマン」としておすすめ品種に挙がったのは、こどもピーマン「ピー太郎」。可愛らしい見かけと名前によらず、カロテンの量は従来のピーマンの約2倍で、肉厚で水分量が多いためジューシー。「苦みがなく子どもさんにも食べやすいと評判です」と荒木さん。

実は、こどもピーマンの元となる作物が、激辛で有名なメキシコの唐辛子・ハラペノだというから驚きです。メキシコ向け唐辛子の育成中、偶然にも全く辛くない個体が見つかりました。この個体から、日本に向く「こどもピーマン」の開発が始まります。

糖の量が多いため味は甘く、また、クエン酸の含量はパプリカの7分の1程度と酸味が少ないこと特徴です。ポリフェノールの含量は従来のピーマンの約10分の1、ハラペノ由来ながら辛味成分のカプサイシンを全く含まないことから、苦みと辛みがありません。

育て方のワンポイントアドバイス

普通のピーマンより、やや高温を好むため、育苗初期の温度管理に気を付けましょう。生育の適温は25~30℃、夜間は15~20℃。播種~定植の管理は、普通のピーマンと同様ですが、節間(茎と茎の間)が伸びやすいので、鉢内に余分な水分が残らないよう水やりの量に注意します。

定植は一番花の開花直前に行います。普通のピーマンよりも細根が少ないため、定植時の活着(根づいて生長し続けること)にやや時間が掛かります。健全な苗を用意し、栽培初期の根張りをよくすることがポイントです。

こどもピーマンの作型

ラグビーボール形の極甘カボチャ

「甘みが強く、ほくほくとしていてスイーツ向き」と、荒木さんが太鼓判を押すのは、ラグビーボール形が個性的なカボチャ「ロロン」。キメ細かい肉質と、なめらかな舌触りと甘さが特徴。約2キロの大玉で、ラグビーボールが印象的、「スーパーではなかなかお目にかからない品種」(荒木さん)のため、直売所で目立つこと請け合いです。

一般的に、見た目や形が斬新な品種は栽培が難しいとされますが、ロロンは実付きがよく栽培しやすいので、家庭菜園でもおすすめできるといいます。お菓子のようなかわいいネーミングには、まるで「マロン」のように甘くおいしいという意味と、カボチャのおいしさをもっとたくさんの人に伝えたいという開発者の「ロマン」が込められているそうです。

育て方のワンポイントアドバイス

発芽には、25~30℃の高い地温が必要の為、ポットにまいて(12センチメートルのポットに3粒撒き)加温育苗器で温めます。順調にいけば、3~4日で発芽します。

葉に厚みが出て直径が4~5センチメートルになった頃に、水はけのよい土地へ定植します。元肥が多すぎると葉ばかりが茂って実がならなくなるので、あげすぎに注意しましょう。
受粉後45~50日で成熟が完了し、収穫期を迎えます。さらに収穫後、雨の当たらない日陰で10日間ほど追熟させると甘みが増し、おいしいカボチャに仕上がります。

ロロンの作型

直売所を彩る、栄養価たっぷりのトマトたち

機能性成分を含むおいしい健康野菜シリーズとして、タキイ種苗が力を入れて開発している「ファイトリッチ」シリーズ。冒頭で紹介した「こどもピーマン」もこのシリーズです。

荒木さんがおすすめしてくれたのは、同シリーズで直売所の人気者となる中玉・ミニトマト。とっても甘い「フルティカ」と、オレンジ色が華やかな「オレンジ千果(ちか)」を紹介してもらいました。

・中玉トマト「フルティカ」

ここ数年、見栄えの良さ、糖度の高さから各社から続々と発売されている中玉トマト。
フルティカは一玉約50グラムで、葉かび病や斑点病に強く、減農薬栽培も可能なことから、直売所向けや品質を重視した出荷には最適な品種といえます。

最大の特長は、果実の糖度。平均でも約7~8℃、水量を制限した栽培では12度になることもあります。これは、中玉トマトの中では高めの糖度とのこと。従来のトマトの約2倍のリコピンを含み、栄養価もばっちりです。裂果が少なく、露地栽培でも作りやすいです。

・オレンジ千果(ちか)

カロテンの含有量が従来のミニトマトの約3倍で、トマト臭が少なく苦手な方でも食べやすいと評判です。葉カビ病、斑点病に耐病性を持ち、家庭菜園でもつくりやすい品種です。

果色はツヤのあるオレンジ色で、赤色ミニトマトのセット販売で、消費者の目を引き付けることができます。最適な作型は夏秋栽培とハウス越冬栽培です。播種期は、夏秋栽培では2月中旬~5月上旬、越冬栽培では7~8月です。

育て方のワンポイントアドバイス

育苗は、後半の極端な肥料切れを防ぐために、大きめのポットを使用しましょう。初期の草勢管理が難しくなるため、極端に若い苗の定植は避けるようにします。

オレンジ千果(ちか)の作型

形や見た目がユニークで美味しいのに栄養価が高い―と、いいとこどりの野菜ばかりを紹介してもらいました。ぜひ、新たなラインナップに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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