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よく噛むことは食事の基本! 体にも脳にもいいことがいっぱい

よく噛むことは食事の基本! 体にも脳にもいいことがいっぱい

現代の食生活は、軟らかい食材や軟らかく料理されたものが増えているため、子どもの噛む力が弱くなってきていると耳にしたことのある人も多いのでは。そこで、「そもそも噛む力が弱いとなぜ良くないの?」「噛むことで体にどんな影響があるの?」など素朴な疑問を取材することに。答えてくれたのは、全国で食材(ミールキット)宅配サービスを提供する「ヨシケイ」で20年以上メニュー開発を行い、現在は広報を担当する栄養士の山崎幸子さん。噛むことの大切さを一緒に考えていきましょう。

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離乳食のうちから育てたい。噛む力の大切さ

“噛む力”と聞くと、歯でしっかり咀嚼するというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
「でも、噛むというのは歯だけで行っているわけではありません。顎や歯茎も大きく関わります。なので、子どもの噛む力は、歯が生える前からぐんぐん成長しているんです。0、1、2歳の乳児期から、噛む力の土台をしっかり作っていきましょう」と話すのは、栄養士の資格を活かしながら、ミールキットの会社「ヨシケイ」の広報・山崎幸子(やまざき・さちこ)さん。

生後7~8ヶ月頃の離乳食イメージ。固さは、軟飯やサツマイモのペーストなど、歯茎でつぶせる程度

噛む力を育てる第一歩は離乳食

「一般的に離乳食は、消化機能が整う生後5~6カ月ごろからスタートし、半年から1年かけて食べる練習を進めていきます。赤ちゃんは生まれてから、母乳やミルクを『飲む』ことで栄養をとっていますが、徐々に『食べる』ことに移行していく大事な時期です」(山崎さん)

離乳食の進め方

5~6カ月頃 固さはトロトロのペースト状。1日1回1さじずつから始めましょう。
7~8カ月頃 固さは舌でつぶせるくらい。1日2回食で食事のリズムをつけていきましょう。
9~11カ月頃 固さは歯茎でつぶせるくらい。1日3回食にしていきましょう。
12~15カ月頃 固さは歯茎で噛めるくらい。1日3回食のほか、1日1~2回間食を入れましょう。

月齢が進むにつれ、食材の種類も増え、食感のあるものを食べられるようになっていきます

「生後5~6カ月頃の赤ちゃんはまだ歯が生えていない子がほとんどで、 『噛む力』もまだありません。でも、口に食べ物を入れて、“もぐもぐ”するだけでも噛むことと同じように脳や体によい刺激をもたらします。離乳食の進め方は個人差があるため、あくまで目安ですが、噛む力が徐々に育ってきたら、発達に比べて軟らかすぎる食材を与え続けないよう心がけましょう少しずつ噛み応えのある食べ物を増やしながら、噛む力を養ってあげてください」(山崎さん)

噛むことで元気な子どもに!

山﨑さんによると、噛むことは子どもの発達にも大きく影響するのだとか。具体的にどんないいことがあるのでしょうか。

①消化吸収の助け
噛むと唾液の分泌が増えます。唾液にはさまざまな酵素が含まれていて、食べ物を消化吸収しやすくします。

②強い歯を育てる
唾液には口の中を清潔で健康に保ってくれる自浄作用があります。よく噛んで唾液を出すことで、虫歯や歯周病の予防にもつながります。

③肥満の予防
よく噛んで食べると、食事が少量でも満腹のサインが脳に伝わりやすく、暴飲暴食の予防になります。

④脳の活性化
口を動かして食べることで、咀嚼筋や表情筋などが使われ、血行がよくなります。体中に酸素や栄養が送られ、脳細胞の活性化も期待できます。

⑤顎の発達
特に発育期の顎の成長・発達を促します。顎を育てることは、歯並びをよくすることにも結び付きます。

⑥味覚の発達
よく噛むと、素材そのものの味がわかるようになります。

ざっと挙げただけでも、噛むことによって得られるいいことはこんなにたくさんあります。噛む力は、健康的な体作りに密接に関わっているんです。

「生後9カ月から11カ月頃になったら、手づかみ食べも積極的にやらせてあげてください。自分でつかんで口を動かして食べるという行為は、手先の感覚を育て、何より食べる楽しさを知る経験につながりますよ」(山崎さん)

“噛む”経験を増やすために使う食材を増やそう

“噛む”ことは、固い食べ物に限りません。ゆで卵やお豆腐を舌でつぶす、おにぎりの海苔を前歯で噛み切るということでも、噛む力は育ちます。
「特に離乳食の時期には、いろいろな食材の味に慣れさせてあげることが大事です。いろいろな味やいろいろな固さの食べ物を噛んで味わった経験が多いと、大きくなってからの好き嫌いを減らすことにつながりますよ」(山崎さん)

いろいろな食材を用意するのが大変な場合は、ミールキットなどを使うこともおすすめです。食材を余らせることなく、日々の食卓で豊富な食材に触れられるため、噛む力を育てるためにも役立ちます。

ミールキットの取り分け離乳食

ヨシケイでは、子育てに不安を感じる親、共働きで忙しい家庭のために、大人用のメニューから取り分けて作る離乳食レシピも取り扱っています。レシピは、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」に沿って、専属の栄養士が栄養バランスを考えてメニューの作成をしています。

大人のメニューと取り分けで作った離乳食の一例

「離乳食レシピのあるコースは、『すまいるごはん プチママ』。料理初心者にもわかりやすいレシピが付いてきます。動画でも紹介されているので、わかりやすいと好評です。1週間おまかせコースは、家計にやさしい応援価格で経済的ですよ」(山崎さん)

ヨシケイ「すまいるごはん」のカタログ。1週間で40品目以上の食材を使い、毎日違うメニューをお届け

「おいしく楽しく食事をすることが、噛む力を育てる第一歩。バランスの良い食事を毎日規則正しく食べるサイクルを作ることで、子どもの“噛む”機会も増やせます。噛むことは、健康的な体づくりにとって欠かせません。幼少期の忙しい時期は、ミールキットなどにも頼りながら、無理のないペースでたくさん子どもの“噛む”機会を作ってください」(山崎さん)

 

取材協力・画像提供:ヨシケイ

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