豊かな自然と抜群の暮らしやすさ。洋野町ってどんなところ?
東北新幹線が通る八戸駅(青森県)から南に車を走らせること30分。青森と岩手の県境を抜けると、洋野町の玄関口ともいうべき広大な太平洋が、我々を迎えてくれました。対照的に、町内陸部は緑豊かな山々が顔をのぞかせ、高原地帯の長閑な雰囲気と色彩豊かな情景が目を引きます。
洋野町には、こうした自然を生かした観光スポットやテーマパークもずらり。高原のスポットとしては、本州最大規模を誇る『大野パークゴルフ場』などの施設がそろう『おおのキャンパス』が象徴的。沿岸部には八戸市から福島県相馬市までをつなぐ『みちのく潮風トレイル』や八戸市から宮城県気仙沼市までの約300Kmにも及ぶ自然公園『三陸ジオパーク』といったスポットがあります。全国有数のサーフィン場としても有名で、世界水準の良質な波を求めて、全国各地から名だたるプロサーファーたちが町を訪れています。八戸市や岩手県久慈市へのアクセスも便利で、両市への通勤のために洋野町へ住んでいる方も多いよう。岩手県北の地域と聞けば、若干遠方の印象を抱かれるかもしれませんが、実は東京駅へも最短3時間30分ほどで行けてしまう利便性も備えています。
あなたは何しに洋野町へ?
高校教師・佐々木清治さんの場合
岩手県立種市高校で教鞭を振るう佐々木清治さん(青森県板柳町出身)が洋野町への移住を決めたのは、今からおよそ30年前のこと。趣味のサーフィンを通じて同町の波に魅了されたのがきっかけで、同校への赴任を志願したといいます。念願かなって同町に移り住んで以来、生活の中心は教師という仕事の他、サーフィンも大きなウエイトを占めるように。町内でのサーフィン大会開催や専門誌への情報提供を通じて、町が誇る波のすばらしさを県内外に発信してきました。
太平洋から朝日が昇る午前4時ごろ、佐々木さんの一日は始まります。「日の出が遅い冬の期間以外は、出勤の前に波乗りをするのがルーティーンです。若いころは年平均で220日以上、現在も少なくとも160日は海に入っていますね」と佐々木さん。出勤するまでの約2時間、波にもまれながら腕を磨くことが、佐々木さんのもう一つのライフワークです。
「今まで全国各地の波を体験してきましたが、その中でも洋野町の波のすばらしさは群を抜きます。バリエーションに富んだ独特の波には、各国のトッププロも感嘆の声を上げているほどです」。佐々木さんはサーファーならではの目線で町の魅力を熱弁します。佐々木さんと同様、同町の波に魅了されたのを機に、近郊へ移り住むサーファーも多いといいます。

洋野町の魅力について熱弁する佐々木さん
酪農家・田代人貴さんの場合
緑豊かな高原に彩られた洋野町内陸部で乳牛の飼育などを手掛けている、青森県おいらせ町(旧百石町)出身の田代人貴さん。「静かな雰囲気が気に入っています。自然も豊かなので、よく近場でキャンプなどもしています」と、同町での暮らしについて語ってくれました。以前は営業マンとして活躍していましたが、結婚を機に移り住んだ同町では心機一転、酪農に挑戦。「0からのスタートでしたが、(妻の)母や地域の酪農仲間に教わりながら勉強を重ねてきました」(田代さん)。今では、岩手県畜産協会による毎月の検査で一定基準を満たした優秀な農家に贈られる『乳質改善大賞』で3年連続受賞するなど、地元酪農をリードする存在に。「今後は先輩農家の息子さんたちが続々と就農する年齢になるので、今まで自分が培ってきた知識を彼らに還元出来たらうれしいですね」。田代さんの何気ない一言からは、地域住民の温かさと距離の近さががうかがえました。

自身の移住の経緯を話す田代さん
移住・定住へ手厚い支援。各種助成金で、ワタシらしい生活への第一歩を
洋野町では、移住、定住しようとしている方へ向けた、さまざまな支援を用意しています。町内の新規就農者を支援する制度としては、『新規就農奨励金』の交付や1年間の農業実習を行っています。同町に5年以上定住することを前提として町外から転入する世帯には、『定住化促進奨励金』が3年間交付されるなど、充実のサポート体制で新たな人生の門出を応援しています。
広大な海が臨む沿岸部の種市地区、高原が象徴的な内陸部の大野地区には、移住体験住宅も用意されており、最大10日間(通算30日限度)、洋野町で実際の生活を営むことができます。
県の代表的な伝統工芸『大野木工』、県内随一の水揚げ量を誇るウニ、豊かな自然環境で育まれたホヤやアワビなどの海産物-。移住をお考えの方はぜひ、同町のこうした魅力にも肌で触れてみてはいかがでしょうか。移住体験住宅の問い合わせ、申し込みは洋野町役場企画課企画政策係(TEL:0194-65-5912)まで。