酪農家が休日を確保できるように、牛の世話をする

中頓別町の牛舎
人口1,500人ほどの中頓別町は、北海道第2の都市・旭川市から車で3時間程のところにある自然豊かな町です。酪農が盛んで、平成28年には地元で生産された牛乳を町内で消費する、ミルクプラントを建設。ローテーションで各農家の牛乳が味わえるという珍しい取り組みにも力を入れています。
町をあげて酪農に力を入れる中頓別町。そこで働く酪農家が休日や忌引き、長期休暇を確保できるよう、代わりに牛の世話をするのが、『酪農ヘルパー』という仕事です。
中頓別町酪農ヘルパー利用組合は平成2年から活動を始め、現在26戸の農家が加入しています。北海道内の他のエリアと比べてメガファームは少なく、家族経営の農家がほとんど。酪農ヘルパー組合では専任ヘルパー3名・サブヘルパー2名が各農家からの要請を受けています。
中頓別町に移住して『酪農ヘルパー』になったきっかけ

毎日がとにかく楽しいとやりがいを感じる田中 櫂理(たなか・かいり)さん
京都出身の田中さんは、農業系の高校で酪農部に所属し、牛の世話を学びました。インターンシップをきっかけに中頓別町で働くことに。学校で学んだことと実際の現場では、学び直すことがたくさんあったと振り返ります。
しかし、田中さんにとって、その困難も「楽しみ」に変わります。農家さんから色々なことを学びたいと、仕事に対して意欲的。そんな田中さんを農家さんも可愛がり、夕食に誘ってもらうこともあるそうです。仕事の後は地元のバレーボールチームで汗を流し、休日は趣味のツーリングに出かけるなど、中頓別での仲間も日毎に増えています。

農家さんと作業内容を打ち合わせ
【酪農ヘルパーのある一日】
5:00~9:00 午前のクール
一人1台、社用車が使えるので、自宅から直接現場へ向かいます。朝の仕事を終えて、自宅でお風呂に入るなど休憩をとってから、一度事務所へ。スケジュールの確認をします。
10:00~16:00 自由時間
16:00~20:00 午後のクール
搾乳や牛舎の清掃、牛の管理など、派遣される酪農家に応じてさまざまな業務をこなします。
20:30 帰宅
家も車も組合が紹介してくるので、プライベートも充実!

田中さんも暮らしている『担い手研修施設』
田中さんは平成29年に建設した『担い手研修施設』で暮らしています。家賃は家具家電もついて、1万8000円。さらに住宅手当が支給されるので、格安で入居することができます。台所やお風呂も部屋ごとについているのでプライベートな空間もしっかり保てます。
住宅は中頓別のバスターミナルの向かい。マチの中心部にあるため、スーパーや飲食店、カフェや居酒屋へも徒歩5分圏内というアクセスの良さも魅力です。

納車されたばかりの新車で現場へ
車がなくても安心。1人1台、通勤専用車両を貸与してもらえます。維持費や燃料費も別途支給なので、移動も不自由なく快適に過ごすことができます。車を所有している方にも、自家用車を汚さなくて良いと好評です。
趣味が「酪農」になるほど仕事に熱中する新人ヘルパー

牛が大好きな加藤 志温さん
三重県出身の加藤さんは、祖父が水稲と畑作の農家を経営しており、幼少期から農業に触れて育ちました。中頓別で放牧を学び、将来は地元で農業と酪農を複合させた就農を夢見ています。趣味は車や絵画でしたが、最近は「酪農作業」になったそう。
休みの日は身体の休息にあてていますが、頭の中は牛のことでいっぱいなんだとか。「酪農ヘルパーとして多くの農家さんのもとで経験を積むことで、その牧場が何を大切にしているかがわかってきた」と話します。農家さんが安心して大切な牛を預けられるよう、毎日しっかり学んでいきたいと決意を新たにしていました。
実現性が高まってきた「新規就農」の夢

後輩も熱心に指導する村上 慶祐さん
愛知県出身の村上さんは、幼少期の山村留学で中頓別に来たことをきっかけに、酪農家を目指すようになりました。酪農ヘルパーとして働き、今年で4年目。役職も主任になり、部下を持つようになりました。仕事も遊びも真剣にと、休日はみんなで山菜採りやツーリングに出かけるそうです。
夢は放牧農家として就農すること。周りの農家や組合もそのことを知っているので、いろいろな情報を教えてくれるといいます。いよいよ現実味を帯びてきた新規就農への挑戦。中頓別の酪農を支える中堅として活躍が期待されています。
酪農家も働き方改革!「休み」をしっかり確保する

作業の合間の雑談も賑やか
「昔は忌引きや病気以外で酪農ヘルパーを依頼する事は無かった」と振り返るのは、町内で牧場を経営する十倉 仁さん。遊びを理由に酪農ヘルパー制度を利用するのは気が引ける時代があったと言います。
しかし、今は働き方が変わり、どの農家さんも「休暇」として月に数回、酪農ヘルパーに依頼しています。子どもの部活動の遠征や旅行など、家族で過ごす時間もしっかり確保。「酪農ヘルパーさんがいなかったら、もう生活が成り立たない」と地域からの信頼も厚い仕事です。

仲が良く休日も一緒に過ごすという酪農ヘルパー仲間
中頓別町では新規就農者に対し、研修期間中は研修手当が交付され、研修終了後の新規就農時には最大1200万円の補助が受けられます。『酪農ヘルパー』として働きながら、将来を見据え、目標に向かって進むことができる環境です。
365日体験可能! 交通費は全国全額支給!
中頓別町酪農ヘルパー利用組合のサポート
『酪農ヘルパー』はアルバイトやパートではなく、農協準職員としての出向になります。そのため、JA職員と同じように社会保険や退職金、昇給・賞与に各種手当も受けられます。これまでの先輩ヘルパーも、未経験から始める人がほとんど。農業系の学校を出ていなくても、全く問題ありません。ヘルパーとして経験を積んで、より規模の大きな農家への就職を目指す方もいます。
『酪農ヘルパー』は月7回の休日に加え、農家さんからの出役要請がない日は待機となり、事務所から1時間以内の場所にいることを条件に、自由時間になるのも特徴です。この時間を休息や自己研鑽に使うことができます。
『酪農ヘルパー』の体験実習は365日対応しますし、その際にかかる交通費も全国どこでも全額支給されるそうです。まずは気軽にご連絡を。北海道中頓別町で『酪農ヘルパー』として働いてみませんか。
【NEW!!】公式HPがリニューアルしました!
※2025年5月22日時点
お問い合わせ
中頓別町酪農ヘルパー利用組合
〒098-5551 北海道枝幸郡中頓別町中頓別23-2 東宗谷農業協同組合中頓別支所内
TEL:01634-6-1231
FAX:01634-6-2286