美味しいチーズ作りは、土作りから
「原料に勝る技術なし」――この言葉は冨田ファームの代表 冨田泰雄さんの座右の銘で、良い乳製品を作るためには、原料となる生乳の品質が重要です。
その生乳の品質は、牛が食べる牧草の良し悪しに左右されるので、冨田さんは一貫して良い牧草が育つ土作りにこだわっています。長年にわたり牧草や土壌の分析を行いながら、牛が草を食べ、その排泄物を土に還元する循環農法に取り組み、化学肥料を使わない土作りに力を注いでいます。
さらに冨田さんは、牧草にもこだわっています。牧草の女王と呼ばれるアルファルファ(ルーサン)やクローバーを主体とし、花が咲くころに収穫したものを発酵させて与えています。そうすることで、乳の旨みや香りが向上し、その生乳で作ったチーズにも反映されるので、冨田ファームならではの最高のチーズができるのだといいます。
生乳の風味や成分は、餌や餌の成分、季節などによっても変わる繊細なものです。そのため、同じ品質のものを作り続けることは、とても難しいことなのですが、冨田ファームでは牧草が一番良い時期に収穫して発酵させた餌を、年間を通して食べさせることで、チーズ作りに欠かせない高品質な生乳の安定生産を実現しています。そのために、冨田さんは牧草の収穫から発酵までの餌作りも人任せにはしていません。
ここまでこだわっているのは、「良いものを消費者に届けたい」という思いから――良いものを作り続ける難しさと向き合いながら、冨田さんは日々酪農業に取り組んでいます。こうして作られた冨田ファームの牛乳や乳製品は、全国にファンを獲得し、ネット販売を通じて各地に届けられています。
最高品質のフェルミエチーズ
すべて自家製の生乳を原料に、農家がすべて手作りで仕上げるチーズのことをフェルミエチーズといい、冨田ファームでは、約15種類を製造しています。現在、代表の冨田さんが酪農を、チーズ工房は娘の佳子さんとその夫の小林さんが担当する分業制で、チーズの製造・開発、販売を行っています。
冨田ファームのチーズ作りは2002年からスタートしました。有名なチーズ職人に指導を仰ぎながら、徹底してデータを取って微調整していくことで、飛躍的にチーズの品質が向上。2003年には、「ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト」のハード部門で優秀賞を受賞。その2年後には、同部門で金賞を獲得するまでになりました。
今、一番の注目商品は、『ジャパンブルーおこっぺ』というブルーチーズです。試行錯誤を繰り返して生まれたこのチーズは、ウニを思わせる濃厚でねっとりした味わいが特徴で、「Japan Cheese Award 2016」で金賞(青カビ部門)を受賞しました。
世界に誇れるオンリーワンのチーズ作りを目指し、酪農部門と乳製品の加工部門で新メンバーを募集
現在、冨田ファームでは酪農部門と乳製品の加工部門で新メンバーを募集しています。
酪農部門では、“あこがれ”や“夢”を抱くだけではなく、“世界に通用するチーズ作り”にともに携わりたいという探究心と向上心を持って、チーズのもととなる有機牛乳の生産を一緒に携わっていただける方を求めています。
未経験の方も大歓迎で、酪農を一生の仕事にしたいという方にとっては、基礎からノウハウを習得できる環境です。
「初めての方は、酪農の奥深さや面白さを感じるまで、少し時間がかかるかもしれません。長くお勤めいただくうちに、必ず面白さが見えてくるはずです。ぜひ、酪農技術を習得し、高品質な有機牛乳作りを次世代に継承していってほしいと考えています」と冨田さん。
乳製品の加工部門も、未経験の方でも大丈夫。仕事を通じて、チーズやヨーグルトなどについての知識を深め、徐々に技術を身に付けてもらえればといいます。
「良いものをつくりたい」―そんな思いをお持ちの方は、冨田ファームで働きませんか?
有限会社冨田ファーム
北海道紋別郡興部町宇津99-8
TEL 0158-88-2611
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<取材>農業求人サイト「農家のおしごとナビ」編集部
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