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【福島県楢葉町・蛭田牧場】牛のいのちをつないで、安全で美味しい原乳を届けたい

【福島県楢葉町・蛭田牧場】牛のいのちをつないで、安全で美味しい原乳を届けたい

2020年に迫る東京オリンピック。聖火リレーのスタート地点となるのは、福島県双葉郡楢葉町。同町にあるナショナルトレーニングセンターJヴィレッジから約121日間をかけて、聖火は日本全国を巡ります。同町は東日本大震災の影響を受けながらも、2015年に避難指示が解除され、現在では半数以上の住民が帰還。町は活気を取り戻し始め、町をあげてスポーツや教育、農業の再開に力を入れています。同町で酪農を営み、2017年より原乳の出荷を再開した、蛭田牧場の蛭田さんに再出荷までの道のり、酪農の仕事についてお伺いしました。

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1年中過ごしやすい!楢葉町ってどんなところ?

楢葉町は福島県の沿岸、浜通り地方の中程に位置し、西には緑豊かな阿武隈高地、東には青い海が広がる、自然豊かな町です。東北でありながらも積雪は年に1〜3回程度、寒暖差も比較的少なく、年間を通して過ごしやすい気候が特長。

今や楢葉町のトレードマークとなる国内最高水準のサッカートレーニング施設「Jヴィレッジ」や、子どもがのびのびと遊べる天神岬スポーツ公園、その他にも温泉や、木戸川渓谷など、レジャー・観光施設も充実。町の人々が笑顔で、安心して過ごせる環境が整っています。

上空からみたJヴィレッジ

失った牛と向き合い、仲間に支えられ、一度は諦めた酪農を再開

蛭田牧場の牛舎前

現在90頭の牛を育て、酪農を営んでいる蛭田牧場の蛭田さん。牛が牧草を食べる音、牛のにおい、すべてが大切で、自分にとって必要なものだと語ります。

そう感じるようになったのは震災を経験したから。東日本大震災の後、楢葉町の住民は避難指示を受け、蛭田さんも町を出なければなりませんでした。牛を連れて行くことはできず、蛭田さんはそれでもできる限り牛舎に戻り、食事を与えるなど世話をしたといいます。

しかしその世話にも限界がありました。「震災後、牛舎からすべての音がなくなりました。牛が牧草を食べる音、機械の音すべてです。牛のいのちは自分が預かり、育てていたものなので、震災後も牛のいのちの責任をとりたいと思い、牛舎に通い、最後まで牛の面倒を見ました。とてもつらかったですが、そこでしっかりと牛と向き合ったからこそ、もう一度酪農をしたいと思えるようになりました」。

2012年に町内の除染が開始され、自身の牧草地や牛舎が再び使用できるようになるのか知りたい、自分の手で安全を確認しながら進めたいという思いで除染作業にも取り組んだといいます。その後牧草の実証栽培を行い検査をクリア、また6頭の乳牛で9ヵ月間の飼養実証を行い、すべての検査をクリアしました。

これに伴い2017年1月に、蛭田牧場は5年10ヶ月ぶりに原乳の出荷を再スタート。「検査がダメな時はもちろん、工場や他の同業者に受け入れてもらえない時はすぐにやめる覚悟はできていました。人に迷惑をかけてまで酪農を続けようとは思いません。でも、みんなあたたかく受け入れてくれました。それは本当に嬉しかったです。

酪農再開までの経緯を語る蛭田さん

また、大学時代、共に農業を学んでいた北海道の仲間からも、“牛送るよ”と連絡があったり、震災を通じて人のやさしさやつながりの大切さを感じました。自分が育てた大切な牛を人にあげるなんてことは、普通では考えられないことです。でもそれほどのことをしてくれようとする仲間がいました」。

再開を志している最中でさえも、何度も挫折しそうになったという蛭田さん。しかし、下を向こうとする度に、仲間が声をかけてくれ、牛が酪農のやりがいを与えてくれたといいます。自身にとって、同町にとって“酪農再開”という大きな一歩を踏み出しました。

ロボットも導入し人手不足を解消。「人に誇れる牛飼い人生」が目標

朝8時、パソコンのチェックから蛭田さんの仕事が始まります。その理由は“搾乳ロボット”。補助事業を利用し、新たに購入した搾乳ロボットは人間1人分以上の仕事をしてくれるといいます。24時間365日稼働し、牛が自ら搾乳スペースに入るシステムで人の手がなくても搾乳することができます。

震災前は蛭田さんの他に4人のパートがいましたが、現在パートは1人になったため、この搾乳ロボットで足りない労力を補っているといいます。パソコンでしっかり牛の搾乳が行えているかを確認し、その後は牛1頭1頭の健康状態の確認や、牛舎の掃除などを行います。蛭田さんは自身で10haもの牧草も栽培しているため、8月は牧草の収穫もあり忙しい時期だといいます。すべての作業はだいたい毎日18時頃には終え、その後はまたパソコンのチェックをして一日の仕事を終えます。

牛舎を掃除する蛭田さん

「震災前は牛は120頭いましたが、今は90頭。今後もこれ以上は増やすつもりはありません。人手がないのもありますが、安全なものを安定して供給していくことが今は大切だと思っています。今後の目標は、支えてくれた方々にお礼がいえるようになること。もう大丈夫、ありがとうといえるように、このまま続けていきたいです。恥ずかしくない牛飼い人生、人に誇れる牛飼い人生にしたいですね」。

蛭田牧場だけでなく、周辺地域では元々盛んであった水稲栽培などが再開されつつあります。楢葉町の人々は人情味に溢れ、地元を愛している方が多いといいます。現在はまだ離れて暮らす人もいますが、蛭田さんの取り組みは町民や、農業再開を検討している方、新たに就農を志している方の大きな希望となっています。蛭田さんには現在高校3年生になる娘さんがいます。その娘さんも牧場を継ぎたいと語ってくれているといいます。蛭田さんの背中を見て育った娘さんのその思いがすでに、「人に誇れる牛飼い人生」と証明してくれているようでした。

なお、楢葉町は9月7日に東京で開催される『マイナビ就農FEST』に参加します。ぜひお気軽にお立ち寄りください。
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【問い合わせ先】楢葉町役場 産業振興課農政係
〒979-0696
福島県双葉郡楢葉町大字北田字鐘突堂5-6
TEL 0240-23-6104
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