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虫が嫌がる『虫バリア』!? ダイオ化成・千葉大学・農研機構が共同研究したハウス専用防虫ネットとは

虫が嫌がる『虫バリア』!? ダイオ化成・千葉大学・農研機構が共同研究したハウス専用防虫ネットとは

ハウス内を高温状態で放置すると、作物に障害が発生したり、中で働く人が熱中症にかかったりする恐れがあるため換気は不可欠です。その際、同時に虫の侵入にも気を配らなければないため、開口部に防虫ネットを取り付けるのが一般的です。防虫ネットは、小さな虫が侵入できないレベルまでネットの網目を小さくすると、通気性が悪くなることが長年の課題でした。そこでダイオ化成株式会社は、通気性の良さと虫が触れるとイヤがる効果を兼ね備えた防虫ネット『虫バリア』を開発しました。『虫バリア』の特徴と開発の経緯について、同社開発担当の石井真吏(いしい・まさし)さんと営業担当の金子大介(かねこ・だいすけ)さんに聞きました。

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通気性の良さと虫イヤ効果の合わせ技を実現

特許出願中の技術を応用

『虫バリア』は、ダイオ化成が千葉大学、農研機構との共同研究により開発した特許出願中の技術を利用し、エトフェンプロックスという虫が嫌がる薬剤を練り込んだ糸で織り上げた薬剤入り防虫ネットです。

練り込まれている薬剤の量はごく微量ですが、虫が直接ネットに触れれば十分感知できるレベルですので、虫がネットに長時間とどまり続けることを防ぐ効果(虫イヤ効果)があります。また、糸の表面にある薬剤が無くなった分だけ、糸の内部にある薬剤が徐々に出てくる仕組みです。また、薬剤は蒸散・飛散しないので長期間効果が持続します。

ダイオ化成株式会社

虫バリアの薬剤効果のメカニズム(※イメージ図)

使用している薬剤量は、虫が即死するほどではないため、死んだ虫が網目に詰まる「虫汚れ」による通気性の悪化を防ぐ効果もあります。目合い(網目の大きさ)は一般的な防虫ネット(1.0mm目)より細かい0.75mm目。さらに細くて強い糸を使用することで、1.0mm目の防虫ネットと同等の通気性を実現していることも、通気性の確保につながっています。

毒性の低いエトフェンプロックス

『虫バリア』に含まれているエトフェンプロックスとは、「毒物および劇物取締法」(厚生労働省)に基づく、特定毒物、毒物、劇薬の指定を受けない物質です。ただし、念のため作物に直接触れるトンネルやべた掛け栽培に使用することは推奨されていません。

なぜエトフェンプロックスを選んだのか、開発メンバーの1人である同社営業本部農業資材部の石井真吏さんにお話を聞きました。

「約8年に及ぶ開発期間のなかで、エトフェンプロックスの使用を決めた理由は、長い歴史を持ち、幅広い虫に効果がある薬剤であることに加え、紫外線や熱に強いことも効果を長期間持続できると考えたからです」

ダイオ化成株式会社

博士(農学)の学位をもつ石井さん

試行錯誤の末、細くて強い糸が完成

開発のきっかけは農家の声

「通気性と虫対策を両立できる防虫ネットのニーズが、全国のハウス栽培農家様から寄せられていたことが、『虫バリア』の開発のきっかけでした」と同社営業本部農業資材部の営業である金子大介さんは、開発がスタートした当時をふりかえります。

農家にとって通気性と虫対策を両立できる防虫ネットがあれば、栽培環境が快適になり、より良い作物の収穫に繋がります。

しかし、防虫ネットの目合いを小さくすればするほど、虫はハウス内に侵入しづらくなりますが、通気性は悪くなります。さらに、虫の死がいやゴミなどが詰まれば通気性はさらに下がります。一方、目合いを大きくすれば通気性は良くなりますが、小さな虫が侵入しやすくなってしまいます。

そこでダイオ化成は、どちらの課題も解決できる防虫ネット開発のために立ち上がったのです。

薬剤を練り込んでも細さと丈夫さを兼ね備えた糸の開発

8年の開発期間の間で最も時間が費やされたのが、細くて強い糸をつくることだったと、石井さんは教えてくれました。

「目合いを小さくしても通気性を保持するためには、糸をできるだけ細くする必要がありました。しかし、練り込む薬剤の量が多いほど、糸の耐久性は低下してしまいます。虫イヤ効果を発揮しつつ、糸を細くしても耐久性を保持できる薬剤の量を探るため、約4年にわたり試行錯誤を繰り返した結果、『虫バリア』の細くて強い糸が完成しました」

ダイオ化成株式会社

薬剤が含まれているにも関わらず細い糸を実現

Win- Winの関係を肝に銘じ、ユーザーのニーズに真摯に向き合う

防虫ネットの高まる需要

2018年4月に全国のJAや農業資材販売店で発売して以来、『虫バリア』は在庫が一時的になくなるなど、予測を上回る売れ行きを記録しています。そのため、ダイオ化成では即座に増産体制を整え、安定供給に努めているそうです。

また、全国のハウス栽培農家から、次々と新しい要望も寄せられていると金子さんは話します。

「これまでは冷涼地の北海道や東北地方では虫の被害が少なく、防虫ネットのニーズがあまり高くなかったのですが、地球温暖化の影響で虫の生息範囲は北に広がりつつあります。これまで防虫ネットを使用していない地域でも『虫バリア』のニーズの高まりを感じます」

ダイオ化成株式会社

同社営業本部農業資材部 金子さん

挑戦し続けるダイオ化成

石井さんもニーズの高まりを感じ、また、より多くの農家の方に『虫バリア』について知ってもらいたいと語ります。

「このことからも多くのハウス栽培農家が、防虫ネットの必要性を感じていることは確かです。しかし、まだまだ防虫ネットを必要としているすべてのハウス栽培農家に普及しているとは言えません。

防虫ネットは通気性が悪く、ハウス内の温度が高くなるため使いづらい、という先入観や思い込みを払拭するためにも、通気性と虫が近づきにくくなる虫イヤ効果を併せ持った『虫バリア』の存在を全国のハウス栽培農家様に知ってほしいと思います。そしてより多くのニーズに応えるために、あらゆる虫に対応できて、通気性も兼ね備えた、バランスの取れた新しい防虫ネットの開発が既にスタートしています」

ダイオ化成株式会社

ビニールハウスに張った『虫バリア』

これからもダイオ化成は、グループ各社が得意とする素材加工技術を生かし、複合素材グループのシナジーを高めることで、新たな領域に挑戦しながら、常に一歩先を行く価値を創造し続けていくことでしょう。

金子さんは次のように話します。
「私たちは常に農家様のためになる商品を、世の中にお届けしたいと考えています。そして私たちだけ儲かっていればいいわけではなく、我々の商品を購入していただいた以上に、農家様には儲かってほしいと思います。農家様から『ダイオ化成の商品を使って本当によかったよ』と言われるような商品を作りたいですし、売りたいですね」

<ダイオ化成株式会社>

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