最長3年間家賃無料のほか、子育て環境も充実
地域おこし協力隊の任期は、最長で3年。任期中は一定の収入が保証され、村で用意した住居を無料で使用することが出来ます。イベントのお手伝い等、地域住民との交流を深めながら、『山ぶどう』の栽培、または『荒海ホタテ』の養殖について学んでいきます。
若者定住を促進する野田村では、エンゼル祝金(出産祝金)制度や保育料の無料化、医療費の無料化(高校卒業まで)など、子育て環境も充実しています。野田村に移住し、野田村のために活動する地域おこし協力隊とその家族を温かく迎え入れ、手厚くサポートする体制が整っています。
地域おこし協力隊2年目、山口光司さんの挑戦
『山ぶどう』生産支援員の山口光司さんは、栃木県出身の24歳。東京都の大学で経済学を学び、卒業と同時に野田村に移住しました。「大学のゼミの教授や知人の影響で、年に3回位のペースで東北にボランティアで来ていましたので、復興にかかわりたいという思いはありました」と山口さん。岩手にも何度か足を運ぶ中、野田村の地域おこし協力隊の募集を知り、野田村で暮らすことを決意しました。
「最初の仕事は、山ぶどう農家さんへのあいさつ回りでした」と話す山口さん。その後、芽かき〜つる切り〜芯止めなどの作業を覚え、9月末頃には収穫〜調整、12月頃からは剪定と、一年を通し山ぶどうの栽培について学びました。
「真夏の炎天下、真冬の寒い中での作業もありますから、決して楽な仕事ではないですが、頑張っていますよ」と話すのは、山口さんを指導する佐藤嘉美さん。2年目の今年は、害虫防除にも挑戦しているといいます。「農機具はマニュアル仕様なので、苦戦しています」と笑顔を見せる山口さん。野田村での暮らしにも慣れ、友人や知り合いも増えてきました。休日は、野田村役場の方から譲り受けた原付バイクで、三陸海岸の絶景を眺めながらツーリングを楽しんでいるといいます。
自分の将来は自分で決める、山ぶどう+αの可能性
山口さんは現在、地域おこし協力隊の任期が満了する4年目以降の活動について考えています。例えば、山ぶどうの生産を主軸に、キュウリやブロッコリーなどの野菜と組み合わせることも出来ます。村の特産品『のだ塩』やハウス栽培(寒締めホウレンソウ)との組み合わせも可能です。
「山ぶどう栽培の知識と経験は、ワイン造りにも生かされるので、山口くんはワイナリーにとっても貴重な人材といえます」と、涼海の丘ワイナリー所長の坂下誠さんも太鼓判を押します。
山ぶどうの栽培を学びながら、ワイナリーの手伝いや新品種のブドウの栽培にもかかわっている山口さん。「ワインの醸造もやってみたいし、新品種のブドウがこの土地でどう育つか見ていきたいし、野田村で就農したいという気持ちは強いです」。後継者育成基金、担い手育成基金などの資金面の援助を受けながら、自分らしい農業スタイルで自立したいと話してくれました。
地域ブランド『荒海ホタテ』を育てる『荒海団』
波が荒く、潮の流れの速い外海で育てる、野田村のブランドホタテ『荒海ホタテ』。大きくて肉厚の貝柱と、旨味あふれるプリプリの食感で、全国にファンが急増中です。「この荒海ホタテを育てる漁師と家族、漁協、役場など、荒海ホタテにかかわるすべての人が荒海団員です」と話すのは、荒海団の安藤正樹さん。2014年結成の荒海団の中心人物として、荒海ホタテの養殖を行っています。
外海でカゴ養殖という独自の方法で、野田のホタテをブランドホタテに育て上げた荒海団。外海のカゴを引き上げ、カゴと貝殻の付着物を除去し、成長に合わせてカゴ内のホタテの枚数調整を行うなど、一般的な養殖とは比較にならないほど手間がかかります。「外海はプランクトンも豊富で、カゴ養殖はホタテにとってストレスフリーの環境だから、大きくて美味しいホタテに育ちます」と安藤さん。2017年には、ホタテでは全国で初めてのGI(地理的表示保護制度)に登録。安全で美味しいブランドホタテとして認知され、出荷量・売上額ともに上昇しています。
野田村では現在、地域おこし協力隊として『荒海ホタテ』の養殖を行う荒海団員を募集しています。漁業経験の有無は問いません。『荒海ホタテ』を主軸に、野田村で漁業を学び就漁したいという方なら誰でも応募可能です。
「海が相手ですので体力・忍耐力は必要ですが、難しい作業はないので経験はなくても大丈夫です」と安藤さん。具体的には、朝5時頃から船に乗り、外海でホタテのカゴを引き上げ、陸に戻り付着物の除去作業や道具の手入れなどを行い、早ければお昼頃、遅くても15時頃には終了とのこと。「船酔いも克服できます」と話すのは、荒海団の南川雄彦さん。
安藤さんも南川さんも船酔い経験者ということで、ホタテの養殖から船酔いの対処法まで、漁師として独り立ちできるよう多方面からサポートしてくれます。
荒海団の3年後のキャリアビジョン
地域おこし協力隊の任期は最長3年ですが、任期満了後も荒海団として漁業を継続することができます。「漁業は、船や道具など初期投資が必要ですが、自分の船を持たずに就漁する方法もあります」と南川さんはいいます。定置網漁船の乗組員として生計を立てながらホタテの養殖を学ぶことも可能です。また、新規就漁者対象の補助制度や地域おこし協力隊対象の起業助成金制度などを活用し、起業するという選択肢もあります。
「今後、水槽管理や出荷、イベント運営にかかわる荒海団事務局員も必要になってきます」と安藤さん。個々の希望や経験に応じて、荒海団のキャリアビジョンは広がっていきます。
野田村自慢の『山ぶどう』と『荒海ホタテ』の生産、東日本大震災からの復興、そして田舎暮らしに興味のある方、一度野田村に足を運んでみてはいかがでしょうか。
なお、野田村は2019年11月10日に東京で開催される「マイナビ就農FEST」に参加します。
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◆野田村役場総務課 地域おこし協力隊募集担当
〒028-8201岩手県九戸郡野田村大字野田20-14 野田村役場総務課 地域おこし協力隊募集担当
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