地域が抱える課題をICTのチカラで解決
発情、受精、妊娠鑑定、分娩など、子牛の出産までのプロセスや健康状態などを1頭ごとに見える化し、さらには分娩届や受精証明書など手間がかかる書類作成はプリンタ出力におまかせできる和牛繁殖農家のためのクラウド型管理システム『moopad®』。 このシステムの広域機能を活用し地域全体の課題解決に取り組んでいるのが大分県です。
蓄積された繁殖データの分析機能を活用することで、農場の問題点をスムーズに把握することが可能になります。分析は農場/地域/県などグループ単位で行うことができるので、生産農家個人の問題点、地域の問題点、県域の問題点などが把握可能。
「分析結果により過去検証や将来予測もスムーズにできるので、今後の施策立案に利活用し地域への効果的な改善指導を目指しています。和牛繁殖農家の情報を普及指導員や農協、獣医師などの関係機関全体が共有することで繁殖率を高め、さらには次世代を担う若手生産者の育成にも役立てようという計画です。現在は、モデル地域を2カ所選定し地域レベルでの運用ノウハウを確立しているところ。まずはここで効果を実証し大分県全域に広げていく予定です」と、地域農業振興課でプロジェクトをリードする繁田さんは話します。

「成功実績を作って、大分県全域に広げていきたい」と意気込みを語る繁田さん
業務効率が上がり迅速な指導が可能に
指導業務においては経験年数や実績が必要ですが、システムをうまく活用することで経験豊富な職員から若手職員まで同様の指導が可能となりますし、関係機関がデータを共有することで、指導農場に対する指導内容を明確化でき、今よりも綿密な指導体制が確立可能です。
「『moopad®』を導入することで得られた何より大きな成果は、普及指導員の業務効率が格段に上がったことです」と繁田さん。これまでは、1軒ずつ農家を訪問して自らデータを収集。その後、分析して指導を行っていたため、膨大な時間がかかっていたそうです。でも、導入後は生産者と共有しているリアルタイムなデータでスムーズな指導ができることも多いといいます。
『moopad®』が地域産業全体の活性化にも貢献できる可能性は、非常に高いと言えるでしょう。
育種価にも対応
全国和牛登録協会大分県支部と連携することによりシステムで育種価が参照でき、人工授精時の子牛の期待育種価をシミュレーションすることができる機能は生産者から好評です。

農家別に成績管理ができるのは自治体から好評

『moopad®』を利用している豊後高田市の繁殖農家、冨貴茶園の永松さんにも話を伺いました。「発情や分娩のタイミングになるとスマートフォンにアラートが出るので、タイミングを逃すことがありません。現在は母牛が45頭、子牛が35頭と数も増え、管理が大変になってきたところだったので本当に助かっています」と、その効果を実感されていました。

「管理が飛躍的に楽になりましたね」と語る永松さん
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