簡単に通販業務をデジタル化! もっと楽に
ヤマトフィナンシャル株式会社は、通販・EC事業者への「決済サービス」の提供だけでなく、「通販業務の課題解決」に力を入れています。今回は、通販を行う農家を対象に、多忙な収穫時期の受注管理や送り状発行の効率化に関するセミナーを開催。会場の山梨県立図書館には県内各地から果樹農家など40人以上が集まりました。
セミナー
産直の通販では、[電話やFAXで受注]→[送り状を作成]→[出荷]→[銀行振込・郵便振替での入金確認]というのが大まかな業務フロー。「後払い決済」の農家も多く、商品の発送後に、請求書や払込書の送付、入金確認やリストの消込、督促の連絡など、多岐にわたる業務が発生します。
業務を軽減するために「送り状作成ソフト」を導入しても、手入力やデータの取り込み等で作業量が減らなかったり、購入者からのクレジットカード払いのリクエストに対応できていなかったり…と、多くの農家が悩みを抱えていると話すのは、講師である同社開発部・マネージャーの石川嘉洋さん。
これらの課題解決に、石川さんはスマホを活用してインターネットへの注文導線(以下 スマホ注文)を用意することを提案。今回のセミナーでは、過去3年間で利用率が2倍にも増加している※というQRコードの活用方法を交えて紹介しました。
※2018年トッパンフォームズLABOLIS調査結果より引用
ネットへの注文導線のカギとなるQRコードは、ヤマトフィナンシャルが提供する『らくうるカート』に商品を登録後、同サービス内の『QRかんたん販売』を利用すれば、文字どおり簡単に作れます。もちろん、スマートフォン用の販売ページも手軽に作成することが可能です。
発行されたQRコードは、画像として活用できるので、従来のチラシに追加すればOK。このQRコードを、お客様にスマートフォンのカメラで読み取ってもらうだけで、スマートフォン用の販売ページに誘導することができます。購入手続きをお客様のスマートフォン上で行ってもらうことで、これまで農家側で行っていた購入者情報の手入力が不要に。データから簡単に送り状が発行できるので、作業者の負担を大幅に軽減します。

QRコードをスマホ注文の導線に
メリットはそれだけにとどまりません。QRコードを経由してスマートフォン用の販売ページに入ってもらうことで、クレジットカード払いへの誘導も簡単です。
クレジットカード決済の場合は、購入者の注文時に決済代行会社を経由してクレジットカード会社で与信が行われます。後は農家側で注文情報に出荷情報を登録するだけで入金が確定するので、安心して商品を発送することができます。もちろん、入金後の消込や督促業務からも解放されます。
また、購入者にとってもマイページで注文履歴が確認でき、発送通知メールも配信されるのでお客様自身で状況が確認できます。その結果、農家側への出荷状況の問い合わせを減らすことができるでしょう。
クレジットカード決済は、決済代行会社に依頼して導入すれば、カード会社との契約を直接・個別に行う必要がありません。一度に複数のカードブランドを導入できるうえ、決済処理や入金サイクルなども一つにまとめることができ、導入後の運用もシンプルになります。
これまで全て電話とFAXで注文を受けていた千葉県の梨園では、スマホ注文の導入後、購入者の50%がスマホ注文に移行したといいます。さらに、全て振込だった支払いも、督促業務が不要なクレジットカード払いや、コンビニ代金後払いなどに80%も切り替わった事例などが紹介されました。
電話やFAXでのお客様も、一回登録すれば後は楽に
いつも電話やFAXで注文してくださるお客様の注文情報を、農家側で『らくうるカート』に登録すれば、次回からは電話番号やお名前などから「登録情報(お客様データ)」を呼び出すことが可能です。これが『代理注文』です。
『らくうるカート』のデータ保持期限は無制限。そのデータはヤマト運輸株式会社の『送り状発行システムB2クラウド』と連携することができるので、電話やFAXでの注文を継続しながら、送り状の手書き作業やパソコンの手入力といったこれまでの作業を段階的に無くしていくことが可能です。
ワークショップ
ワークショップでは、セミナー参加者が『らくうるカート』の30日間無料お試しサービスを活用し、「QRかんたん販売」と「代理注文」の機能を実際に体験。
『らくうるカート』はクラウドサービスなので、インターネット環境とパソコン、ユーザーIDとパスワードがあればどこでも作業が可能です。まずは新規登録フォームからユーザー登録し、E-mailで受け取ったパスワードで管理画面にアクセス。
『QRかんたん販売』では、最初に商品管理画面から販売する商品を登録します。商品名、画像、価格などを登録し、一覧に商品を追加。次に商品管理画面から『QRかんたん販売』を開きます。その画面でQRコードを作成したい商品を選択すれば、QRコードが生成。QRコードは、画像としてパソコンにダウンロードすることができるので、チラシなどに貼ってお客様に配布すれば、スマホ注文の仕組み作りは完成です。

上段:商品(ぶどう)を登録 下段:QRコードを生成
一方の「代理注文」は、最初にFAXからの注文情報を農家側で『らくうるカート』に登録します。次に受注管理画面のタブを選択し、「代理注文」、「新規代理注文」と進み、登録済みの商品を追加します。
支払い方法は、銀行振り込みのほか、「コンビニ代金後払い」も選択可能。代金未払いの保証があるタイプの「コンビニ代金後払い」は、決済代行会社が商品代金を立て替えて入金するためリスクを気にせず、販売に専念することができます。購入者側はクレジットカードを持っていなくても利用でき、現物を確認してから支払えるメリットがあります。
ワークショップでは、リピートのFAX注文を受けたシチュエーションで、電話番号検索で、前回の注文履歴を呼び出し、注文を確定するまでの流れを体験。自分のE-mailアドレスを登録し、お客様へ送られる「注文完了メール」を確認する参加者も見られました。
事例紹介
同社関東統括支店のマネージャー 渡邉暢幸さんから『らくうるカート』の便利な機能を活用し、繁忙期の受注・販売・配送業務の効率化に成功した果樹農家の事例が紹介されました。
8~9月の収穫時期に1200梱包分の商品を出荷している千葉県の梨農家(家族4人で運営)では、主に直売所とFAX(電話も含む)で300件の受注を若女将が一人で担当。以前は[チラシと注文書を作成]→[DMを郵送]→[FAXで受注]→[ドット式プリンタで送り状を印字]→[発送]→[出荷後に月締めで請求書を郵送]という受注フローで運営していました。
こちらの梨農家の悩みは<1>FAXの処理、<2>送り状の作成、<3>請求書の発行・郵送にかかる時間と労力、の3点。
相談を受けたヤマトフィナンシャルが提示した解決策は、Webでの注文受付の導入です。既存のお客様が、年間で20~40%の割合でWeb注文に移行すれば、10年でFAX注文がほぼ無くなります。また、クレジットカード払いの導入で請求業務も楽になり、3つの悩みも解消します。
『らくうるカート』は費用も安く、操作もかんたんなので農家ご自身で業務の効率化に取り組めますが、「初めてなので不安」「パソコン操作が不慣れ」といった方には、業務を代行するサービスもあります。今回の事例では、FAXの受注処理代行や、スマホ注文への誘導チラシの作成、送り状発行、請求処理などをサポートしました。
若女将が「直売所での接客により注力でき、農作業の手伝いもできるようになりました」と話すように、シーズンで約60時間分の業務時間を削減し、アルバイトも2人から1人に減らすことに成功。来シーズンは、お客様へのDMを郵送からE-mailに切り替え、郵送代も削減できる見込みです。
セミナー参加者の声

左:モモ・ブドウ農家の金子雄輝さん 右:モモ農家の森田絵美さん
金子雄輝さん(山梨市/モモ・ブドウ農家)
両親と私の3人で経営しています。『らくうるカート』に興味があり、山梨でセミナーがあると知って参加しました。産直通販は、リピーターのお客様が大半なのでFAX・メール・LINEで受注して、シーズン中は約1000梱包分の商品を発送しています。現在、発送伝票を発行するシステムを利用しておりますが、転居などで送り先に変更がないかを確認するのは大変です。
商品に振込用紙を入れていますが、クレジットカードで払いたいという要望も増えています。ホームページを作る予定ですが、そこで新規顧客の獲得よりは、リピーターの方が簡単に注文できるようにするのが目的です。チラシのQRコードからスマホ注文ができたらとても簡単に注文ができるので、すぐに取り入れたいですね。
森田絵美さん(笛吹市/モモ農家)
主に両親、夫、私の4人で、販売を担当しています。収穫したモモの8割を産直通販で販売。そのほとんどをEC経由で受注し、6~7月に発送しています。送り状作成は、『送り状発行システムB2クラウド』を利用していますが、お客様情報の照合が大変なので楽にならないかと考えていました。
販促用のチラシを作成中なのですが、今日の話を聞いて、QRコードを活用してリピーターのお客様をスマホ注文に誘導できれば受注業務が簡単になるので、いいアイデアだと思いました。リピーターの方にとっても、ホームページを経由して注文するのは面倒だと思うのでダイレクトメッセージとQRコードを組み合わせて案内できたらいいですね。加工品もやっているので、受注業務をシンプルにして、他のことに時間が使えるとうれしいですね。
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