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狩猟の方法4種類を現役猟師が解説! 場所や獲物に合った方法を選ぼう

狩猟の方法4種類を現役猟師が解説! 場所や獲物に合った方法を選ぼう

現役猟師4年目のきしころです。
狩猟にはいくつもの種類があり、複数人で行うものもあれば、一人でできるような方法もあります。狩猟をやったことがない人や初心者は、どんな種類があるのかわからない人もいるのではないでしょうか。
本記事では、「巻き狩り」「カモ猟」「忍び猟」「流し猟」の4つの方法それぞれの特徴を現役猟師目線で解説します! 狩猟に興味のある人や猟師になりたての人はぜひ参考にしてみてください。

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複数人で行う狩猟

まずは複数人で行う狩猟の種類について紹介します。複数人で狩猟に行く場合は、主に「巻き狩り」と「カモ猟」の2種類に分かれます。

複数人で狩猟を行うと、捕るときもその後の処理も役割分担ができるのでいろいろと楽ですね。特に狩猟初心者はわからないことも多いと思うので、狩猟に慣れている複数人と行くようにしましょう!

巻き狩り

巻き狩りは山に猟犬を放して獲物を追い出し、持ち場についている人が撃つ方法です。シカやイノシシなどの大型鳥獣を捕まえるときに用いられ、猟犬とチームワークが重要になります。猟犬を放った後はそれぞれのポジションにつき、ひたすらにずっと獲物が通るのを待ち続けるのみ。

シカが逃げてくる道を予想して、通ったところを撃ちます。もちろんシカに気づかれると逃げられてしまうので、音を立てないようにじっとしていなければなりません。まれに猟犬が誤って人間にかみ付いてしまうような事故も発生しているので注意。

巻き狩りはうまくいけば大量のシカやイノシシを捕ることも可能。僕のグループは巻き狩りで最高7頭捕ったことがあります。

カモ猟

複数人で行う狩猟の2つ目に紹介するのが、狩猟の中でも比較的メジャーな部類のカモ猟。広い山のどこにいるかわからないシカを狙うのに比べ、カモは池に行けば遭遇率は高めなので初心者にもおすすめ。ただし矢先(銃の発射方向)には注意してください。

池を挟んで飛ばしたカモを、待機している人で一気に狙い撃ちするので、カモ猟は人数が多いと一気に楽になります。水面に停止しているカモを狙うこともありますね。池にいるカモを仕留めたときや池に落ちたカモは釣りざおやボートを使って回収。寒中水泳したこともあります。ただカモは仕留めた後、腸を抜いたり羽をむしったりしなくてはならないので、さばく作業がめちゃくちゃ面倒なのをお忘れなきよう。

今回は複数人でのカモ猟を紹介していますが、一人でやる人もいます。

一人でできる狩猟

一人で狩猟に行く場合は、忍び猟か流し猟になることが多いでしょう。一人で狩猟に行く場合は、獲物を探すのも自分ですが、捕った後の運搬や解体まで全て自分で行わなければなりません。例えばシカが2頭捕れても運べないし、処理しきれません。一人で狩猟に行く場合は、せいぜい1頭が限界ですね。

忍び猟

名前の通り、獲物に気づかれないように近づいて仕留める忍び猟。巻き狩りなどと違い、猟犬を使わず単独で山に入り、徒歩で山を歩きながら自分の目でシカやイノシシなどの獲物を探していきます。

大事なのはシカがいそうな場所を把握することと、耳を澄ませてシカが動く音をキャッチすること。そしてシカに気づかれないように歩くことが最重要です。経験やスキルが求められますね。

早足は厳禁。3歩歩いたら1回止まってまた歩く。動きをできるだけ小さくしつつ、とにかくゆっくり丁寧に歩くようにします。特に自然では聞きなれないような音には反応されやすいので、余計な音は立てないようにするのがポイント。

足跡や周りに落ちているものからも獲物がいるのかを判断できる場合があるので、周りをよく見る必要がありますね。とはいえ、シカを見つけるためにキョロキョロしすぎると、かえって怪しい動きになるので注意。徒歩で探索するために範囲は限られますが、自然を楽しみつつ狩猟することができます。

雪の降る地域ではシカの足跡を追うこともできますね。

シカが捕れなかった時に山の中で食べるカップラーメンも最高の味です。

流し猟

徒歩で探索する忍び猟に対し、車やバイクで走りながら林道脇のシカなどの獲物を探すのが流し猟。僕は基本的に車に乗って流し猟で行うことが多いです。忍び猟だとどうしても回れる範囲が限られてしまいますし、体力も使ってしまうので。

基本的には1人で行いますが、2人で運転する係と獲物を探す係を分担する人もいます。流し猟では、シカなどの獲物に見つからないのはほぼ不可能なので、見つけたらじっと動かず、シカが目をそらしたら発砲可能なところまで動いて撃ちましょう。

流し猟ではシカの他にキジやヤマドリを狙うこともあります。僕の場合は車に乗って畑でキジを探しますが、鳥猟犬に探してもらって、見つけた獲物を撃つ方法もあります。キジは危険を察知すると草むらや茂みに隠れてしまう習性があるので、猟犬に追い出してもらうわけです。

まとめ

今回は複数で行う巻き狩りとカモ猟、単独で行う忍び猟と流し猟について解説しました。

狩猟はそれぞれの手法にメリットやデメリットがあり、場所や狙う獲物によっても最適なものは変わってきます。さらに狩猟には今回紹介したものだけでなくワナを設置する手法など、他にもさまざまなやり方があります。それぞれに特徴や面白さがあるので、狩猟に慣れてきたらいろいろな手法に挑戦してみるのもいいかもしれません。狩猟に欠かせない銃は非常に強力な武器。一歩間違えれば事故にもつながってしまうので細心の注意を払いつつ、安全に狩猟をしていきましょう!

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