排卵・受精に関する研究で畜産分野に貢献
「ブタの人工授精(AI)は1発情あたり3回以上必要であるなど手間もかかり、煩雑な精液の採取・希釈・保存方法と併せて技術革新が必須です。私たちはAIを高効率化させるための研究に取り組んでいます」と話すのは、広島大学の島田昌之教授。
生殖生物学を専門とする島田教授は、マウスを使って子どもが産まれる仕組みを解き明かし、それをAIの技術などに活用する研究を行っています。畜産分野への貢献は大きく、養豚では精液希釈剤の共同開発や凍結精液を使ったAIの確立など、さまざまな技術が実用化へと至っています。
ブタのAIにおいては適期を正確に把握することが欠かせませんが、それは個体や季節によって異なります。島田教授の研究グループは、2014~16年まで農林水産省のプロジェクト研究として「いつ注入した精子が受精したか」を把握する試験を全国10以上の農場で実施しました。環境、季節、品種による適期の違いを検討したのです。その結果、AIの適期は光環境に影響を受けるほか、蛍光灯よりもLEDライトの方がその影響度が大きいことが判明しました。
LEDがホルモン分泌を制御
「LEDに含まれる青色の波長が、眠気を促すメラトニンと、これと負の相関関係にあるLH(黄体形成ホルモン)を制御するようで、電気を消している時は排卵が抑えられ、電気をつけると一気に排卵が促されることが分かりました」と島田教授。
「排卵がそろうことで、AIのタイミングが分かりやすくなります。これにより1発情あたり3回行っていたAIを2回に減らすことができました。つまり、『ホルモン製剤に頼ることなく光だけでホルモン量をコントロールし、繁殖成績を向上させることができる』ということです」
この結果を受け、約3万頭のブタを飼育している大手食品加工メーカーではすぐに全ての豚舎をLED化。生産頭数が3.8%増加したというデータが得られました。LED化へと踏み切る生産者は次第に広がり、「発情が強くなった」との回答が複数寄せられることも。
更に、自然光の影響を受ける開放型豚舎でも生産頭数が5%向上した事例も。設備投資や餌代を勘案しても、大変な利益が出ている計算になります。
適期を把握できることで得られるメリットは実にさまざまです。生産効率が上がることはもちろん、AIにかかる労働時間が短縮される、種雄の飼育頭数が削減できる(よりよい種だけを使える)、あるいは安定生産がかなうことから母豚の数を減らして管理を楽にできるなど、労働環境の改善につなげることも可能です。
「ヨーロッパの多産系といわれる育種改良されたブタに目を向けなくても、今いるブタのポテンシャルを最大限に生かして生産頭数を増やすことができます。これは品質や味にこだわる農家の方にとっては最大のメリットかもしれません」と島田教授は話します。
豚舎に最適な、防水・防塵機能の高いLED『テンポライト』
LEDの設置は至ってシンプルで、従来使用している蛍光灯をLEDに置き換えるだけでOK(※1)。島田教授は豚舎全体の照明のほか、『餌場の上に設置するとより効果的』だと話します。
(※1 工事が必要な場合もあります)
「畜舎なので水やほこり、腐食に強いLEDを選ぶ必要があります。そのまま洗浄できることも好ましいですね。あとは1日15時間ぐらい使うのでなるべく長持ちするものが良いと思います」
そこでおすすめなのが、株式会社ドウシシャのLED直管ライト『テンポライト』です。
防水性・防塵性が高く、耐衝撃性に優れているなど、まさにこれらの条件を備えています。また発光面は300度と広く、連結で広域照射も可能。更に設計寿命は4万時間です。
「『屋内外を問わずカンタンに使える照明』をコンセプトに作られた『テンポライト』は、設置工事が不要で、コンセントに挿すだけで使えます。ベランダや駐車場で使われるケースもありますが、最近では養豚場での効果が高いとのことで導入が増えてきています。連結コードを使うことで、最大10本まで簡単に連結設置できる点も評価されているようです」と、同社営業部の田中睦史さん。
実際に『テンポライト』を導入した北海道の養豚場経営者にも話を伺いました。
「『テンポライト』のことは勉強会で知り、水や汚れに強いという説明に魅力を感じて導入を決めました。自分たちで500本ほど設置しましたが、とても簡単でした。取り付け器具が要らないので、ストールの上にも設置できるのが良いと思います。導入して日が浅いですが、母豚の近くに光源を置くことにより、豚が感じる光度が上がって、発情をより誘発したり、産子数がアップすることを期待しています」と、経営者は話します。
以前よりLEDを導入していた同農場では、電気代の節約や利益率の向上を図っていくうえでLED化は外せない選択だったそう。生産効率の向上へ取り組む生産者の姿勢から、LEDの必要性を更に強く感じることができました。
持続可能な養豚業の未来のために
「近い将来メーカーが蛍光灯の製造を終了することにより、LEDを導入しないわけにはいかなくなるでしょう。実のところLED化によってAIの回数が減ってしまうと、精液希釈剤の販売会社を経営する身としては売上的に困るんですが、養豚業全体を考えると生産効率が上がるLED化は進めていくべきなんでしょうね」と島田教授は笑います。
国土の狭い日本では、いかに効率的な経営を行っていくかが今後のカギとなります。『テンポライト』をはじめとしたLEDの導入が、養豚業の未来を明るく照らすことは間違いないでしょう。
【製品に関するお問い合わせ】
株式会社ドウシシャ
家電照明営業ディビジョン
〒108-8573 東京都港区高輪2-21-46
TEL:03-6408-5070
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