農家も使いたい空調ウエア! 効果は?バッテリーの持ち時間は? ハウス/露地2人の農家さんに聞いた!

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農家も使いたい空調ウエア! 効果は?バッテリーの持ち時間は? ハウス/露地2人の農家さんに聞いた!

農家も使いたい空調ウエア! 効果は?バッテリーの持ち時間は? ハウス/露地2人の農家さんに聞いた!
最終更新日:2020年04月24日

静岡県伊豆の国市地域おこし協力隊、農家志し中のちだです。農業をするようになって、それはそれはびっくりしたことがありました。暑すぎる。真夏ならあきらめつくんですよ。でも、5月6月からガンガン暑いんです。その時期はやること満載なので昼間も動かなければならず……。しかし暑い! 何かいい手はないものか。そこで「空調ウエア(ファン付き作業着)」というものがあることに気がつきました。効果はあるのか? 使い勝手は? 実際使っている農家さんに聞いてみました!

空調ウエア(ファン付き作業着)とは

まずは、空調ウエアがどんなものかを簡単に理解しておきましょう。

空調ウエアは、服に小型のファンが付いています。そのファンは外気から風を取り込み、その風は体の表面を流れます。
表面を流れる風は汗を気化させ、その際に気化熱が奪われることで体が涼しくなる!
という仕組みのようです。

※ ちなみに「空調服」と呼ばれる場合もありますが、これは株式会社空調服の登録商標です。

電源は充電式のバッテリーです。服の内部にバッテリーを入れるところがあり、ファンとつないで使用します。

こちらがバッテリー。

配送業や建設業関連の作業員がよく利用していて、作業効率アップにつながっているようです。

この空調ウエアを、最近農家の人達も使い始めている!ということなんです。

実際に使っている農家さんに根掘り葉掘り!

ざっくり、空調ウエアがどういうものかわかりましたね。

暑い時期の畑作業の救世主になりそうです。

でも、この空調ウエアは1万5000円前後と安い買い物ではないのです! やっぱり実際に使っている人の話も聞いてみたい!

ということで、今回は「ハウス農家」と「露地農家」の2人の農家さんに話を聞きました。

また、ポイントとして

  • 作業性
  • メリット/デメリット
  • 充電や洗濯などの使い勝手
  • 利用頻度
  • 耐久性

を特に根掘り葉掘りしてきました!

ハウス内で使っているヤシガラトマトの土屋さん

まずお話を伺ったのは、以前ヤシガラトマトの取材をさせてもらった静岡県伊豆の国市の土屋さんです。

■土屋慎一郎(つちや・しんいちろう)さん

トマト歴12年超の35歳。伊豆の国市、三島市でハウストマトの土耕、ヤシガラ栽培を行っている。

従業員の労働環境改善にも空調ウエア!

空調ウエアを使い始めたきっかけは、知人が仕事で使っていたことから。

空調ウエア歴:4年弱
現在持っている空調ウエアの数:1着(×7人分)
利用頻度:4月ごろから10月ごろまでほぼ毎日、朝から夜まで。

ちだ

ビニールハウスの中って暑いですよね。単純に考えて空調ウエアの出番が多そうですが?
土耕、ヤシガラの2つの方法でトマトを栽培していることもあり、ハウス内作業は年中あります。
特に暑い時期にはハウス内の温度が40度にもなるので空調ウエアは必須です。

土屋さん

空調ウエアを試してみてその良さに気付いた土屋さんは、すぐに本格導入を決めて今では7人いるパートさん全員に1着ずつ用意しているそうです。
しかし空調ウエアはファン、服本体、バッテリーなどを合わせると1着あたり1万5000円前後と決して安価ではありません。
決め手はなんだったのでしょうか。

暑い中ずっと作業をしていると、どうしてもボーッとしてきます。集中力は落ちますし、能率も下がります。パートさんに暑い中仕事をしていただくので、労働環境改善には必須と感じ導入しました。

土屋さん

ちだ

もう、ずっと働けちゃうぜ!って感じですか?
いえ、導入前から休憩時間の長さ、回数は変えていません。ちゃんと休まないとダメですよ(笑)
空調ウエアを使っても、暑いものは暑いです。
しかし、空調ウエアの導入で単位時間あたりの作業効率は上がっていると感じています。

土屋さん

洗濯事情

続いて利用頻度と気になる洗濯事情について聞きました。

春から秋まではほぼ毎日着ますが、パートさんも僕もそれぞれ持っているのは1着だけです。
毎日仕事の後にバッテリーをはずして洗濯して、充電します。

土屋さん

ちだ

乾かなかったりとかしませんか?
空調ウエアは、綿100%やポリエステルなど、いろんな素材で作られたものがあります。
毎日洗濯することを考慮して、乾きやすい素材の物を買いました。

土屋さん

トマトは「アク」が強いのでどうしても服が汚れやすいとのこと。
土屋さんは、どちらにせよ汚れてしまうので、すぐ乾く素材の空調ウエア1着を毎日洗濯しながらとことん使う、という方針にしているそうです。

黒い汚れがトマトの「アク」。毎日洗濯しても染み付いてしまう。

空調ウエアの耐久性は?どのくらい使える?

毎日洗濯、となるとなかなかハードな使い方です。
1年のうちほぼ半分は空調ウエアを着る土屋さんですが、どの程度もつものなんでしょうか。

1着目は、購入から約2年くらいで傷がついたり小さな穴が空いたりして汚れもひどくなってきたので買い替えました。
結構もつな、という印象でしたね。

土屋さん

年間の半分着続けて、2年もったんですね。ちょっと計算してみます。

15,000円(空調ウエアの価格) ÷ 360(半年を180日として2年分)日 = 41.7円!

1日あたり42円!かなりお安いですね。

※ 土屋さんの場合。使い方や環境などで耐久性には個人差があります。

バッテリーはスマホくらいの重さなので気になりませんし、芽かきや収穫など作業の邪魔には全くなりません。
暑い時期は本当にないときついですよ。

土屋さん

空調ウエアを着て作業中。本当に全く邪魔にならないそう。

気になるポイントは?

安くて便利で効果もあるとは、空調ウエアなかなかやりますね。
続いて、デメリットも率直に聞いてみました。
使用感には満足しているものの、強いて言えばと以下の3点を挙げてくれました。

  1. コードがやや壊れやすい
  2. 湿度が高すぎると効果が低くなる
  3. 砂ぼこりが舞う作業時は多少不快感を覚える

コードについて

毎日抜き差しするので、コードが壊れちゃうのは多少しょうがないかとは思いますけどね。
これは3本目、だったかな。

土屋さん

メーカーによってもコード部分の耐久性は異なるかもしれませんが、こういうこともあるぞということは覚えておいた方がよさそうです。

ハウス内では注意! 高湿度下での使用について

大雨が降って、その後晴れた日とかはハウス内の湿度が80%、90%となることも珍しくありません。
そんな時には空調ウエアの効果が少し薄いかなと感じます。

土屋さん

「外気から取り込んだ風で汗を気化させて涼しさを得る」という空調ウエアですが、以下の図のD、Eゾーンに当てはまる場合には冷却効果が薄くなるそうです。

「高温多湿」の条件下だと効果が薄まるようですね。

雨が上がって1日もすれば湿度は通常に戻るので、それくらいはしょうがないかなと割り切ってます。

土屋さん

砂ぼこりについて

トマトの木を片付けたり、トラクターをかける時などは砂ぼこりが多く舞います。空調ウエアがその砂ぼこりを一緒に吸い上げてしまうのでちょっと嫌だな、と感じますね。

土屋さん

空調ウエアが取り込んだ風は、腰付近から入ってきて首元から抜けていきます。
風が抜ける際に、顔付近にも風がかかることがあるそうなので、そこに砂が混じっていると確かに嫌ですね。

年間の仕事量から見ると、砂ぼこりが舞う仕事はそう多くないので、僕は全く気にしていませんけどね。

土屋さん

「少しのデメリットはあるかもしれないけど、メリットが大きいので使わないという選択肢はない」
というのが土屋さんの結論でした。

確かに、聞いている僕も全く同じことを思いました。

露地で使っている双葉農園の佐野さん

次にお話を伺ったのは、神奈川県秦野市で主に露地で野菜を作っている双葉農園の佐野さんです。

■佐野浩司(さの・こうじ)さん

神奈川県秦野市で「双葉農園」を営む。2016年新規就農。主な生産物はスティックブロッコリー、スティックカリフラワー、ナス、ソラマメ、ツルムラサキなど。

デメリットを感じないので、長く使い続けることに

空調ウエアを使い始めたきっかけは、「ガイアの夜明け」というテレビ番組で見てから。

空調ウエア歴:5年
現在持っている空調ウエアの数:2着
利用頻度:4月ごろから9、10月ごろまで。

なんでみんな使わないんだろう……?というくらい、空調ウエアは便利です。

佐野さん

5年前から使っているロングユーザーの佐野さん、ここはひとつデメリットを引き出そうと聞いてみました。

デメリットが全く思い浮かびません……
強いて言えば、5年前に初めて買った空調ウエアはファンの取り外しにドライバーが必要で面倒だった、くらいです。

佐野さん

今使っている空調ウエアは手でくるくるとファンを回せば簡単に取り外しができるので、問題ないとのこと。

ファンはとっても簡単に取れる!

突然の雨は大丈夫? 畑で使うときの注意点

では、ハウス栽培と露地栽培と比較して気になることを聞いてみましょう。
まずは水濡れ。畑では突然雨が降ってくることもありますよね。

小雨の時に空調ウエアを着て少し作業をしたことはあります。ただ、雨天時に長時間作業はしないですね。

佐野さん

メーカーによっては雨からファンを守るカバーや、空調ウエアの上にカッパなどを着た時に空気の取り込み口を確保するアタッチメントなどがあるそうです。

「雨でもガンガン外で作業する」というスタイルの人は、こういった防水用の商品も合わせて検討するとよさそうですね。

充電の頻度は?

充電の心配もあります。畑には充電するための電源がありません。作業中にバッテリーが切れることってないのでしょうか?

まず、夏の繁忙期の1日のスケジュールはこんな感じです。
作業:朝4時か5時~12時まで
休憩:12時から16時まで
作業:16時から20時まで

佐野さん

ちだ

長いと12時間! さすがに充電がもたないのではないですか?
いえ、休憩時に充電しておけば大丈夫です。

佐野さん

バッテリーの稼働時間は、バッテリー自体の容量や電圧、使い方などで2~3時間から24時間!と変わってきます。
購入する際は自分の用途に合わせてバッテリーを選びたいですね。

空調ウエアがあれば炎天下でもへっちゃら?

ちだ

これで、夏の暑い時でも快適に仕事ができますね! 真昼間でもガンガン作業できちゃうんじゃないですか?
いやいやいやいや! ダメです! うちでは、夏は10時から16時は外の作業を一切行っていません。
たとえ空調ウエアを使っていても、適切な運用は必要ですよ。

佐野さん

たとえ涼しく感じても、太陽の光は頭をじりじりと照らしてきます。
水分も奪われます。
空調ウエアを着ていても、炎天下での作業は避けて適度な休憩を取ることが大事ですね。

同じ仕事をしていても疲れ方が違うので、暑い時期には必須ですね。

佐野さん

ちだ

全然違いますか?
空調ウエアを着ていなかった時は、午前中の仕事が終わると汗だくでした。服は全部びしょびしょ。

佐野さん

ちだ

わかります。絞れるレベルですよね。
それが、空調ウエアを着ていると「少し濡れてるかな?」くらいになります。

佐野さん

ちだ

おぉ! それはにわかに信じがたいくらいです!!
本当ですよ(笑)
暑いのもですけど、汗で服がくっついたりするのも不快ですし、作業もしにくくなりますよね。
暑さが和らいで、不快感も減少すると疲れ方も変わりますよね。

佐野さん

Tシャツが「濡れてるかな?」レベルになるのには本当にびっくりしました。
また、土屋さんと同様、砂ぼこりについても聞きましたが、こちらは「腕に多少汚れがついていたかな」くらいだそうです。

外なら砂ぼこりが舞っても風で飛ばされますしね。

佐野さんのソラマメ畑。

空調ウエアは暑い時期の農作業の救世主になり得る存在だった!

今回は、すでに空調ウエアを使っている2人の農家さんに、ハウス内と露地両方の視点から空調ウエアの使い勝手を話してもらいました。

個人的には

  • 全く作業の邪魔にならない
  • 毎日使って毎日洗っても2年ほどは支障なく使えそう(年間6カ月の使用を想定)
  • 夜充電して昼間ほぼ1日使えるものも多い

というところがわかって非常に参考になりました。

いやー

空調ウエア、良いですね。

あつーい夏が来る前に、ちだは本格的に導入を検討することにしました!

空調ウエアと共に夏を乗り切るぞ!!

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