農業の職種とは? 農作業以外にコンサルタントや農機具メーカーも!

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農業の職種とは? 農作業以外にコンサルタントや農機具メーカーも!

農業の職種とは? 農作業以外にコンサルタントや農機具メーカーも!
最終更新日:2020年05月07日

農業というと「農作業をする農家」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、現在では農業にかかわる職種は、農業機材や肥料などのメーカー、スマート農業を推進するシステム会社、農業コンサルタントなど多岐にわたります。本記事では、農業に関係する職種を紹介します。「農業にかかわる仕事をしたい」と考えている人は、農家以外にどんな仕事があるのか、ぜひチェックしてみてください。

農業に関する職種は今やバラエティーに富んでいる

すべてを人力や家畜の力に頼っていたころは、農業イコール農作業を意味していました。しかし、技術革新が進み、人手や家畜に頼っていた部分の多くを機械がこなし、効率化が進むようになった現在、農作業以外にも農業にかかわる仕事が増えてきています。

農業にかかわる事業を広くアグリビジネスと呼びますが、農作業を助け、効率化を高めるビジネスは増加中です。たとえば、スマート農業を実現するためのICTやAIを提供するシステム会社や農業用ドローンを提供するドローンメーカーも、農業にかかわる職種の一つです。もちろん農業に関係する設備や機材を製造販売しているメーカーも、農業に関係する仕事といえます。農機具メーカー、肥料メーカー、資材メーカー、種苗メーカーなどがこの例にあたります。さらに、農作物を扱う直売所や小売店も、農業と密接にかかわる職種です。

これから就農を考える場合は、農業に関係するこれらの仕事に携わる人々とも、かかわりをもつ可能性があります。特に、新しい農業を始めたいと考えている人は、スマート農業や農業コンサルタント、農業マーケティングについては知っておきたいところです。

以下では、農業と関係する仕事について、具体的にどのような仕事で、農業とはどのような形でかかわるのか、もう少し詳しく掘り下げてみます。

農業に関連する職種

農業に関連する職種は数多くありますが、ここでは、なかでも密接にかかわりのある職種を取り上げます。

◆農業コンサルタント

農業経営および農業技術をサポートする職種

◆農業マーケティング

農業経営の方向性、販売方法などをアドバイスする職種

◆農機具メーカー

農作業の機械化・省力化に貢献する農業機械などを製造販売するメーカー

◆肥料メーカー

作物を育てるのに欠かせない肥料を製造販売するメーカー

◆農業資材メーカー

ビニールハウス、収穫コンテナのように農作業に必要な資材を製造販売するメーカー

◆種苗メーカー

作物の種苗を研究開発、販売するメーカー

ICTやロボット技術を駆使するスマート農業

それぞれの職種について、順番に見ていきましょう。まずスマート農業とは、情報通信技術やロボット技術などを駆使して、農作業の負担を軽減しつつ、高品質な農作物の栽培を目指す農業のことです。スマート農業を実現するためのシステムやソリューションを提供している会社は、必ずしも農業に関連した企業というわけではありません。しかし、今後の農業発展の大きなカギを握っている職種です。

現在、スマート農業のシステム開発を行っている多くの会社は、ICTやIoT、ロボット技術を駆使して農業の効率化・自動化を進めています。その活用事例としては、クボタやヤンマーなどが開発している自動走行トラクターや、特定の作物を収穫する収穫ロボットなどがあります。農薬や肥料の散布、種まきから害獣の駆除まで幅広い応用が期待される農業用ドローンなどもスマート農業の一例です。さらに、IoTやAIを駆使して育成環境を管理するシステムや、作物の病気をAIで予測するシステムもあります。

これから新規就農を考える場合は、いかにしてスマート農業をうまく取り入れ、省力化を図っていけるかも考慮したい点です。

農業経営を二人三脚でサポートする農業コンサルタント

農業コンサルタントは、農業従事者の経営面をサポートし、効率化や6次産業化支援、生産ビジネスのコンサルティングを行う職種です。農業経営を成功に導くためのアドバイスを行うため、農業の生産・販売・加工などの実作業と、農業経営の両方に精通していなければなりません。農業経験の少ない若い世代へのコンサルティングを行うことで、次世代農業生産者育成の役割も担っているといえます。

近年は、「日本の高品質な農産物を積極的に海外展開しよう」という流れも高まっており、海外進出に向けた支援を積極的に行っている農業コンサルタントもいます。農業を儲かるビジネスにするために必要な知識やアドバイスを与え、農業経営者と二人三脚で成功を目指していく仕事です。

農業コンサルタントになるのに資格は必要ありません。そういった意味では、誰でも農業コンサルタントを目指すことができます。しかし、農業という特殊な産業の中でコンサルタントをするには、農業に関する幅広い知識が必要になります。そのため、農業コンサルタントになるには、農業コンサルティングに力を入れているコンサルタント会社に就職して知識を身につけていくのが一般的です。

必須資格ではありませんが、日本政策金融公庫が認定する「農業経営アドバイザー」という資格を取得することで、農業生産・経営・経理などの知識が身についていることを証明することができます。

農業マーケティングで消費者サイドに立った農作物作り

農業マーケティングとは、多くの一般企業で行っている、どのターゲット層に対してどのような戦略で販売し商品を買ってもらうかという手法を農業にも取り入れることです。これまで、農業にはあまりマーケティングの考え方が浸透していませんでした。なぜなら、ほぼすべての農作物は農協から卸売市場、そして小売店へと流れる流通の仕組みができあがっていたからです。

そのため、実際に農作物を手に取る消費者のことを考える機会も少なく、卸売市場に求められるものを作るという考え方が主流でした。しかし、インターネットが発達・普及した昨今、農協や卸売市場を通さずとも直接消費者や小売店とやり取りできる直売という流通形態が増えてきています。このような流通形態で、消費者に受け入れられるためには、しっかりとマーケティング戦略を練ることが重要です。

マーケティングでは、商品を販売するターゲット層と商品のコンセプト、ライバル製品との優位性を考えることで、唯一無二の商品を生み出し、販売します。農業でも、ターゲット層をしっかり定めて、そこに売り込んでいくための工夫が、「儲かる農業」を実現するための必須条件なのです。

単に、農作物としてだけでなく加工品などで勝負する際も、従来のような加工品に留まっていては、多くの商品に埋もれてしまいます。他では見られない個性ある商品や、パッケージデザインにも力を入れ、ターゲット層に受け入れられやすい商品を検討しなければなりません。

農業マーケティングでは、農作物をどのように売っていくかの販売戦略を一緒に立て、消費者視点でアドバイスを行います。直接消費者や小売店とやり取りできる直売という流通形態が増えてきた昨今、農業マーケティングはますますニーズが高まる職種でしょう。

農作業の機械化や自動化に大きく貢献する農機具メーカー

農作業のさまざまな作業を機械化し、効率的な農業を実現してきた農機具。トラクターや田植え機、コンバインなどといった農機具のおかげで、日本の稲作は飛躍的な発展を遂げました。

なかでも、トラクターは「田畑を耕す」「種をまく」「収穫した作物を運搬する」といった重要な力仕事を一気にこなしてくれます。スマート農業の一環で自動運転型のトラクターも誕生し、さらなる進化を遂げつつあります。正確な田植えを可能とした田植え機や、稲の収穫と脱穀を一度に行うコンバインなど、特定の農作業を格段に楽なものにしてきました。
決算データを公開している農機具メーカーを売上高の高い順に紹介すると以下のとおりです(2017年)。

1位:株式会社クボタ/売上高1兆7,515億3,500万円
2位:ヤンマーホールディングス株式会社/売上高7,493億5,300万円
3位:井関農機株式会社/売上高1,583億8,200万円

クボタは、日本だけでなく世界的に有名な農機具メーカーで、世界シェアでは第3位に入っています。また、スマート農業にも積極的に取り組んでいる企業でもあります。2位のヤンマーも、故障が少なく運転しやすいとして人気があるメーカーです。3位の井関農機も歴史ある農機具メーカーで、比較的価格が安くメンテナンスしやすいといわれています。

作物を育てるのに欠かせない肥料メーカー

農業を営むうえで、肥料は欠かせないものです。営農費用の中でも、肥料にかかる費用の割合は、一番高い畑作で17%、野菜作11%、稲作10%、果樹7%となっています(2015年、農林水産省調べ)。適度な肥料を与えることで、より良い品質の農作物を育てることができるのです。

肥料を形成している主な要素は、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)の三要素。さらに、二次要素としてカルシウム、マグネシウム、硫黄。また微量要素としてホウ素やマンガンなども含まれています。

肥料には、科学的に合成される化学肥料と、動植物性の有機物から作られる有機質肥料の2種類があり、化学肥料の材料はほとんど輸入に頼っているのが現状です。有機質肥料には、堆肥(たいひ)、魚かす粉末、菜種油かすなどの動植物質肥料などがあります。

決算データを公開している国内の肥料メーカーのうち、売上高トップ3は以下のとおりです(2017年)。

1位:日産化学工業株式会社/売上高1,802億8,900万円
2位:日本曹達株式会社/売上高1,286億4,700万円
3位:石原産業株式会社/売上高1,016億100万円

近年、肥料の需要は減少傾向にあり、メーカー同士の統合・再編が進んでいます。

栽培や刈り取りなどで必要な資材を供給する農業資材メーカー

農業資材とは、作物の栽培、刈り取り、出荷などに使われる資材全般を指します(広義では、肥料や種苗も農業資材の一種です)。農作業の段階によって使用される農業資材には、どのようなものがあるのでしょうか。以下はその一例です。

◆栽培
温室、ハウス部材、潅水(かんすい)や細霧資材、防風・防虫・害獣対策の網、遮光・遮熱対策用資材、支柱など

◆刈り取り
収穫コンテナ、採集コンテナ、収穫用鎌(かま)など

◆出荷
選別機、重量計、包装・梱包材、貯蔵庫、収納庫など

農業資材を専門に経営している大手企業の数は多くありません。主に化学系企業や機械系企業が資材部門を設立し製品を作っているという状況です。ハウス資材の主要メーカーとしては、渡辺パイプ株式会社、東海物産株式会社などがあります。

種子などを研究開発する種苗メーカー

作物を作るには、作物の種子または苗を購入する必要があります。種苗メーカーは、穀物・野菜・草花などの種子を研究開発し、生産・販売する仕事です。バイオテクノロジーなどの技術を活用して、作物の耐病性、食味、貯蔵性などの属性を付けた付加価値の高い品種を作り出します。

日本では種子法が定められており、国が主要作物の種子を安価にかつ安定的に供給してきました。種子法とは、正式名称を「主要農作物種子法」といい、主要農作物である米、大豆、麦の種子を国が守るための法律です。しかし、2018年に種子法が廃止となりました。

それにより、今後、民間企業が開発した種子は自家栽培できないF1種が主流になると考えられており、これまで種子を自家栽培していた農家は、毎年種子を種苗メーカーから購入しなければならなくなります。農業を続けていく場合、今後、種苗メーカーとのかかわりはさらに強まることでしょう。

有名な種苗メーカーは、サカタのタネやタキイ種苗、カネコ種苗などです。サカタのタネは、日本でも大きな売上高を誇り、世界18カ所に研究拠点を置いて種苗を生産しています。国内シェアでは、ブロッコリーが約75%、スイートコーンが約60%、ホウレンソウが約50%などです。

タキイ種苗は、桃太郎トマトやロメインレタスなどの開発で知られる種苗メーカーです。カネコ種苗は近年業績を伸ばし、サカタのタネに次ぐ売上高となっています。

このように、農業の職種にはさまざまな種類があり、そのどれもが農家そして農作業と密接にかかわりがあります。それぞれの職種についてその役割を理解し、農業にかかわる職種を選択しましょう。

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