指導員がスマホなどで動画撮影
JAとぴあ浜松では営農指導事業・食農教育事業の一環として、営農指導員が直接指導を行う園芸教室を毎年開催しています。講習会は、野菜(入門編・応用編)、果樹、花きの4コースに分かれており、受講は無料。生産者や園芸愛好者など合計で約70人が受講しています。募集を掛けるとすぐに定員に達してしまうほど人気で、受講者の満足度も高い講習会だといいます。特に果樹コースは、複雑な作業を実地で学びたいという生産者の受講が多く、生産技術の向上に役立てられていました。
今年も5月に開講を控えていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、実地での開催が困難となりました。代わりにオンラインで分かりやすく技術を伝える手段が必要となり、アグリスマイルの提供する農業技術動画配信システム「AGRIs for Team」を導入。指導員がスマートフォンやデジタルカメラで撮影した動画を遠隔で送付、アグリスマイルが編集し、動画制作を急ピッチで進めました。
▼JAとぴあ浜松のYouTubeチャンネル内で公開されているサンプル動画
営農指導効率化へ
完成後、受講者が専用サイトにログインして閲覧する形で限定配信したところ、「復習しやすい」「分からない箇所まで巻き戻して確認できる」と好評だったといいます。各動画に設けられたコメント機能を使って参加者が指導員に直接質問したり、蓄積された質問と回答をさかのぼって閲覧したりということが可能なため、営農指導の効率化につながります。
アグリスマイルの中道貴也(なかみち・たかや)代表は「現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各地で農業者向けの技術講習会が中止となったり、対面での営農指導が制限されたりといった影響が出ています。このような状況においても、AGRIs for Teamを活用することで、JAや行政から農業者へ技術情報をわかりやすく正確に届け、高品質な農作物の安定的な生産の実現を目指します」と話しました。
同社は各産地における営農指導を支援することを目的とし、全国の単協や行政と協業しています。中道代表は「産地の営農技術をつないでいくというビジョンに基づき、インターネットとサイエンスの領域から産地の農業者や関係機関とともに、引き続き農業の生産現場の改善に取り組んでいきます」と、意気込みました。