キャベツを長持ちさせる保存方法
キャベツを長期間保存するには、冷蔵・冷凍保存が適しています。葉物野菜で傷みやすいため、常温保存には向いていません。
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キャベツはまるごと買うのがおすすめ
カットされたものは切った断面から傷みやすく、保存期間が短くなってしまいます。そのため、キャベツはまるごと買うのがおすすめです。
保存方法と保存期間
キャベツの保存方法による保存期間の目安は、次のとおりです。
冷蔵 | まるごと冷蔵保存 | 3週間程度 |
カットして冷蔵保存 | 8~10日程度 | |
冷凍 | カットして冷凍保存 | 1カ月程度 |
塩もみして冷凍保存 | 1カ月程度 | |
ゆでて冷凍保存 | 1カ月程度 |
キャベツの保存方法にもさまざまなものがあり、調理の際の使い勝手や仕上がりの味も変わってきます。お気に入りの保存方法を見つけて、料理に応用していくのも楽しみ方の一つです。
キャベツの冷蔵保存の方法
まずはキャベツを冷蔵で保存する方法をご紹介します。冷蔵保存は生のキャベツをパリパリのまま食べたい時におすすめです。この保存方法で冷蔵庫に置いておくか、そのままにしておくかでキャベツの味も見た目も大きく変わってきます。
まるごと冷蔵保存
- キャベツの芯を上に向けてまな板に置く
- 包丁の刃先を使って、芯をくり抜く(この時、キャベツを回しながら少しずつ包丁で芯の周りを刺していきます。硬いので気を付けながら行いましょう。)
- くり抜いた部分に水で濡らしたキッチンペーパーを丸めたものを詰める
- ポリ袋に入れ、野菜室で保存する
葉から栄養を吸収しようとする芯の部分を取り除くことで、キャベツが長持ちします。使う時は、葉を外側から剥がして使いましょう。
芯につまようじを挿す方法も
さらに簡単な方法として、芯につまようじを3本刺すだけの保存方法もあります。
芯の切り口に三角形になるようにつまようじを刺し、ポリ袋に入れて、野菜室で保存します。
キャベツの芯には「成長点」というものがあり、そこにつまようじを刺すことで、成長しようとするエネルギーを止め、鮮度をより保つことができます。
カットして冷蔵保存
半分にカットして冷蔵保存
切り口を水で濡らしたキッチンペーパーで包み、ジッパー付き保存袋などで保存します。
カットしてしまうと切り口から水分が蒸発し、鮮度が落ちやすくなるため、キッチンペーパーで乾燥を防ぐことで保存期間を伸ばすことが可能です。
千切りにして冷蔵保存
千切りにしたキャベツは、レモンや酢を加えた水に浸して保存します。この方法だと、パリッとした食感を保つことが可能です。
水への栄養素の溶出が気になる場合は、レモンや酢を加えた水に千切りキャベツをくぐらせ、軽く水を切ります。さらにジッパー付きの保存袋に入れて軽く空気を抜いて保存する方法もおすすめです。
このように、キャベツをまるごと保存する場合は「芯をくり抜く」のがキーポイント。切って保存する場合は、乾燥を避け、酸化を抑える工夫が大切です。
キャベツの冷凍保存の方法
キャベツを切って冷凍しておけば、朝にさっとみそ汁を作りたい時や、あと一品パパッと作りたいときに重宝します。大きくかさばりやすいキャベツは、下ゆでや塩もみをして保存することで、小スペースでの保存も可能です。さっそく方法をご紹介します。
カットして冷凍保存
キャベツを事前に切っておき、使う時はさっと調理できるようにしたい場合もありますよね。
その際には、切ったキャベツを水にさらして水気をしっかりとふきとり、冷凍用の保存袋に入れて冷凍保存をします。
こうすることで、カットされたキャベツをすぐに使うことができます。冷凍保存では、酸化を防ぐために余分な空気を抜いて保存するのがポイントです。
千切りにして冷凍保存
千切りにして冷凍する場合、よく水気をふきとってから、冷凍用の保存袋に平らに入れ、冷蔵庫で保存します。
解凍すると変色することがあるため、生のまま保存する場合は、解凍せずに凍ったまま調理する方法がおすすめです。
生のシャキシャキとした食感は失われてしまうので、野菜スープなど汁物に向いています。
ざく切りにして冷凍保存
ざく切りにしたキャベツも千切りと同様の手順で冷凍します。ざく切りなど大きめのサイズに切って冷凍した場合は、ある程度の時間煮込んでも煮溶ける心配がないので、味を染み込ませたい煮物やポトフにも向いています。
塩もみして冷凍保存
塩もみをしてから冷凍する方法は、生や下ゆでで冷凍保存するよりも、シャキシャキとした食感を保ちつつ、キャベツのかさを減らすことができるので、大量に冷凍保存したい場合におすすめの方法です。
塩の量はキャベツに対して2%の量を使いましょう。
切ったキャベツに塩を振り、手でもみ込んだら5分ほど置いて水気を絞り、冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫に入れます。
下味が付いているので、汁物などに入れる時には味が濃くなりすぎないように気をつけましょう。
下ゆでして冷凍保存
火を通すと甘みが増すキャベツは、下ゆでをして冷凍することで、解凍後もキャベツの甘みを味わえます。さらに、シャキシャキの食感もある程度保つことができます。下ゆでをすることで、キャベツの色がより鮮やかになるため、見栄えを良くしたい場合は下ゆでをして冷凍する方法がおすすめです。
切ったキャベツを熱湯に10秒ほど通し、ザルに広げて粗熱をとります。冷凍用の保存袋に平たく入れ、冷凍庫で保存しましょう。
すでに火が通っているので、解凍して和え物にするのもおすすめです。ささっと一品作りたい時に重宝します。また、汁物に入れてもさっと加熱するだけで仕上げることができるため、時短にもつながります。
このように1カ月程度保存可能な冷凍であれば、大きなキャベツを安い時にまるごと買って下処理し、少しずつ使うことで、手間が省けて節約にもつながります。冷蔵庫や冷凍庫にしまう前に一手間かけて、キャベツの長期保存をしてみてくださいね。
動画で手順を詳しく解説!
調理後もおいしく日持ち! キャベツのおすすめ保存レシピ
冷蔵庫、冷凍庫でキャベツの保存ができたら、おいしく料理してさらにキャベツを楽しみましょう。まるごと冷蔵保存したキャベツを使ったロールキャベツと、最近話題の発酵食品、ザワークラウトのレシピをご紹介します。
おすすめレシピ① コンソメいらず! 野菜のうまみたっぷりロールキャベツ
【材料】(2〜3人分)
- キャベツ…6枚
- 合い挽き肉…300g
- タマネギ…1個
- オリーブオイル…大さじ1
- 塩こしょう…適量
- 干しシイタケ(スライス)…5g
- ニンジン…1/2本
- 塩こうじ…大さじ1
- 水…250ml
- 酒…50ml
- 塩…小さじ1/2
【作り方】
①キャベツは葉を一枚ずつ剥がす。熱湯で2〜3分湯がき、柔らかくなるまで火を通す。
②キャベツの太い茎の部分は包丁で薄くそいで、余った茎はみじん切りにする。タマネギは半分を薄切り、もう半分をみじん切りにする。干しシイタケはキッチンばさみで細かく切り、ニンジンは乱切りにする。
③フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、タマネギの薄切りを炒める。塩こしょうをして透き通るまでじっくり弱火で炒める。
④ボウルに合い挽き肉、タマネギのみじん切り、キャベツの茎のみじん切り、干しシイタケ、塩こうじを入れ、白っぽくなるまでよく手で混ぜ合わせる。
⑤肉だねを6等分にし、②のキャベツで巻く。
⑥鍋に⑤を並べ入れ、③の炒めタマネギ、ニンジンの乱切り、水、酒を加えて中火で沸騰させる。弱火に落とし、フタをして30分以上煮込む。最後に塩で味を整え皿に盛る。
◯ポイント◯
タマネギの薄切りは弱火でじっくりと炒めるのがおすすめです。焦げそうになったら少し水を入れて炒めましょう。
ロールキャベツを煮る鍋は、ロールキャベツが少しキツめに詰められる程度のサイズがおすすめです。煮崩れを防ぎ、奇麗に仕上がります。
冷蔵庫では2〜3日の日持ちですが、汁ごとジッパー付き保存袋に入れ、冷凍保存も可能です。
おすすめレシピ② 塩こうじで発酵! お手軽ザワークラウト
【材料】(作りやすい分量)
- キャベツ…200g
- 塩麹…小さじ1(8g)
- タカノツメ…1本
【作り方】
①ボウルに千切りで冷蔵保存しておいたキャベツと塩こうじを入れて、しんなりとするまで手でもみ込む。
②清潔な容器に①とタカノツメを入れ、容器の一回り小さいフタや皿を重し代わりに乗せ、フタをして冷蔵庫で3日ほど置く。
◯ポイント◯
冬場は半日ほど室温に置いてから冷蔵庫に入れると発酵が早く進みます。夏場はすぐに発酵してしまうため、冷蔵庫の中での保存がおすすめです。
タカノツメの代わりに、スパイスなどを入れてオリジナルのザワークラウトを作るのも楽しいですよ。
保存期間は冷蔵庫で1週間程度です。保存が利くだけではなく、味の変化も日々楽しめます。
キャベツに含まれる栄養は?
ビタミンC
ビタミンCの特徴の一つである抗酸化作用には、免疫力を高める効果があります。
細菌やウイルスから体を守り、風邪などの病気を予防し、疲労回復にも効果があるとされています。ビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせない存在であることから、美肌にも効果的なのが特徴的です。
ビタミンK
血液凝固作用があるため、出血を止めるのに役立ちます。カルシウムが骨に沈着するのを促す効果があるため、骨の成長に関わる重要な栄養素です。骨がカルシウムを取り込むことで、骨折しにくい強い骨が形成されます。
また、動脈の石灰化を抑制する役割もあり、ビタミンKを摂取することで、動脈硬化防止にも役立つとされています。
ビタミンU
ビタミンUは、胃腸の粘膜を健康に保つ働きがあります。胃酸の分泌を抑えられるため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や改善に効果が期待できます。
キャベツから発見された成分で、別名「キャベジン」とも呼ばれており、市販の胃腸薬に含まれている場合も多いです。
キャベツの効率的な食べ方は?
生食が1番
キャベツに含まれているビタミンCやビタミンUといった栄養素は、水溶性ビタミンといって、水に溶けやすい性質を持っています。サラダやジュースなど、火を通さずに食べるのがベストです。生のまま食べると、栄養素を壊さずに済むため、効率的に体に栄養を摂取できます。
スープもおすすめ
スープであれば、加熱して水に溶け出した栄養素を無駄なく摂取できます。生のキャベツが苦手であっても、スープであれば食べられるといった人も多いです。
キャベツを活用したスープのレシピも多く、たくさん食べたいときなどにおすすめです。
豚肉と合わせて貧血予防にも
キャベツに含まれているビタミンCは、鉄分の吸収をサポートする効果もあります。豚肉には鉄分が含まれているため、キャベツと一緒に食べると鉄分を効率的に摂取でき、貧血予防にもなります。
ビタミンCは熱に弱いため、蒸し料理やサッと炒める料理がおすすめです。キャベツの栄養を保ちながら調理するためには、キャベツを入れる順番も重要です。
美味しいキャベツの選び方は?
重さ
春キャベツは、葉の巻きがゆるくて大きさの割に軽いもののほうが、水分を多く含んでいて柔らかくて美味しいとされてます。冬キャベツの場合は、ずっしりと重く、葉の巻きがしっかりと詰まっているものがベストです。
外葉の状態
キャベツを持ったときには、重さだけでなく葉の状態も確認しておきましょう。外葉は、キャベツの鮮度を見分ける重要なチェックポイントです。しっかりとしたみずみずしい外葉が付いている方が、鮮度が良いとされています。
また、葉の色が濃い方が新鮮で栄養を多く含んでいます。古くなるほど外葉が変色したり、しなびてくるため、そういったものは避けるのが無難です。鮮やかな色でしっかりとした外葉が付いたキャベツを選びましょう。
芯の状態
新鮮なキャベツを選ぶときには、芯の状態もよく確認することが大切です。変色していたり、黒ずんでいないかチェックしましょう。白くてみずみずしい芯であれば、状態の良いキャベツです。
芯の大きさも注目する必要があります。大きくて太い芯だと、成長しすぎていることから、葉が固くなり苦味も出てしまうのです。芯の大きさは、500円玉かそれよりもわずかに小さい程度が適切だとされています。
キャベツの種類は?
春キャベツ
巻きがゆるめで葉が柔らかく、甘みが強いのが特徴です。鮮やかな色でサクサクとした食感が楽しめるため、炒め物だけでなくサラダなどの生食にも適しています。秋に種をまき、翌春に収穫されることから「新キャベツ」とも呼ばれています。
冬キャベツ
葉がぎっしりと詰まっており、固めの食感が特徴的なキャベツです。葉がしっかりとしていて、煮崩れしにくいです。生食にはあまり向いていませんが、加熱すると葉が柔らかくなって甘みが増すため、煮込み料理などで美味しく食べられます。
夏キャベツ
巻きがしっかりしており、葉が厚くてもやわらかい食感なのが特徴です。春キャベツと冬キャベツの中間に位置し、生食と加熱調理のどちらでも美味しく食べられます。高原で栽培・収穫されることから「高原キャベツ」とも呼ばれています。
その他
紫色が特徴的な紫キャベツといった種類もあります。別名「レッドキャベツ、赤キャベツ」とも呼ばれ、紫色はポリフェノールの一種であるアントシアニンという成分によるものです。
一般的なキャベツ同様、生でも加熱でも美味しく食べられます。他にも芽キャベツという小ぶりな見た目が特徴的なキャベツもあります。別名「子持ちキャベツ」とも呼ばれており、茎に小さな球が50~60個程度付くのが特徴的です。
固くて少し苦みがあるため、加熱調理して食べることが多いです。
キャベツの旬はいつ?
キャベツの旬は1年に3回ありますもともとキャベツは、寒冷地を中心に栽培される野菜でしたが、品種改良が進んだことで、さまざまな季節・地域で育てられるようになりました。春キャベツは「3~5月」夏キャベツは「7~10月」冬キャベツは「11~3月」が旬とされています。
まとめ
キャベツは時期によっても甘みが増し、特に茎の硬い部分にはうまみと甘みが詰まっています。煮込んだり、塩もみをするなどさまざまな調理方法を楽しめるキャベツを活用してみてはいかがでしょうか。
今、家の冷蔵庫で元気のない野菜が眠っていませんか?
保存の一工夫で、最後までキャベツをおいしくいただくことができます。今回ご紹介した保存方法をぜひ試してみてくださいね。