サルの位置情報をスマホで確認し、行動推測。調査精度を高めつつ、労力を削減した神奈川県の取り組みとは。

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サルの位置情報をスマホで確認し、行動推測。調査精度を高めつつ、労力を削減した神奈川県の取り組みとは。

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サルの位置情報をスマホで確認し、行動推測。調査精度を高めつつ、労力を削減した神奈川県の取り組みとは。
最終更新日:2020年11月20日

ニホンザルが人里に下りて農作物等を荒らす被害を減らすため、神奈川県ではICTを活用し、市町村との連携による獣害対策をスタートしました。同県が採用した、サルの位置情報をGPSで記録・送信する株式会社サーキットデザインの獣害対策ソリューション『ANIMAL MAP』に注目します。

かながわ鳥獣被害対策支援センター
鳥獣被害対策支援マネージャー 坂口 裕佳さん(中央)/主査 江口 千津子さん(左)/主査 石黒 真理子さん(右)

サル用GPS首輪とクラウドシステムで、調査労力を削減

「かながわ鳥獣被害対策支援センター」では、日夜、県内の鳥獣害対策に取り組んでいます。サルの群れごとの管理に必要となるモニタリング調査は重要な業務の一つです。県内に生息する約20の群れの行動をモニタリングするにあたり、従来は、電波発信器を搭載した首輪をサルに取り付けて行動域を調べる「ラジオテレメトリー調査」を実施していましたが、現地で発信電波を捉えるため業務負担が大きい上、位置情報の正確性に欠けていました。
 「一日中移動してもサルが見つからないこともありますし、調査員が行きやすい場所や時間帯(日中)に調査が実施されることが多いので、モニタリングにも偏りが生じていました」(同センター 鳥獣被害対策支援マネージャー 坂口裕佳さん)
 そこで着目したのがGPSです。
 「GPSなら群れの正確な位置を特定でき、データの活用も容易に行えるのではないかと考えました」(同センター主査 江口千津子さん)
 このニーズに応える製品が、サーキットデザインの動物位置情報システム『ANIMAL MAP(アニマル・マップ)』でした。群れを率いるサルに「GPS首輪発信器」を取り付け、基地局経由でクラウドに自動アップロードされた群れの位置情報を、スマホやパソコンで確認できるシステムです。現地に出向くことなく、群れの位置情報を正確に把握できるだけでなく、蓄積したデータから群れの行動パターンを推測することも可能になりました。

『ANIMAL MAP』のシステム概要

「ラジオテレメトリー調査」の様子。現地で移動しながら発信電波をとらえ、地図上でサルの位置を特定していました

効果的な獣害対策だけでなく、地域住民との連携にも活用

同センターでは、2年間の試行を経て、2019年度に『ANIMAL MAP』を本格導入しました。
 「すでに県内のほとんどの群れにGPS首輪を取り付けているので、昼間だけでなく夜間の泊り場も含めて移動ルートや行動域をモニタリングできています。調査に要する労力や業者への委託コストが削減できました」(同センター 主査 石黒真理子さん)
 では、獣害対策の現場統括者でもある市町村ではどのように『ANIMAL MAP』を活用しているのでしょうか。 
 複数の群れが出没している厚木市では、担当者が毎朝データをチェックし、監視対象の群れが里に下りていたら早い段階で追い払いを行うなどの対策をとっています。過去のデータが蓄積されていくので、専門職員でなくとも移動傾向が推測できるとのこと。檻や罠の設置場所、効果的な追い上げ、といった具体策の検討に活用できるのが大きなメリットです。また、県としても、『ANIMAL MAP』のデータを市町村と共有することで、より実践的な指導につなげています。
 また、『ANIMAL MAP』のデータは、地域住民との連携にも活用されています。
 「ある自治体では、移動ルート上のサルが集まりやすい大木を切り倒したところ、サルの移動ルートが変わったという成果が出ています。その他、サルが出現しやすい場所に、サルを呼び寄せるもの(野菜等の残渣)を置かないよう周知するなど、地域住民への説明会資料として活用することもあります」(同センター 主査 江口千津子さん)

『ANIMAL MAP』のユーザー画面。サルの移動ルートや生息域を表示する機能などを標準搭載しています

サルの出没情報をもとにした迅速な対応を住民に周知するため、『ANIMAL MAP』の利用講習会を実施した模様です

自治体の課題に寄り添った親身なサポートを展開

獣害対策はもとより地域住民との連携・協働にも活躍の場が広がる『ANIMAL MAP』について、サーキットデザイン 営業部 動物トラッキンググループの瓜生大輔さんは、このように語ります。
 「動物用GPS首輪とクラウドシステムの組み合わせで位置情報を記録・管理するシステムは他になく、まさにオンリーワンの強みがあります。サル用の首輪をアライグマに装着したり、サイズの大きな首輪をシカに取り付けたりといった応用的な使い方も可能です。
 また、GPSによる動物位置情報取得という高度な専門的技術を搭載する一方で、どんなユーザーでも簡単にモニタリングできる使い勝手の良さも有しています。こうした両面の長所を兼ね備えている点も『ANIMAL MAP』ならではの特性だと思います」
 『ANIMAL MAP』は獣害に悩む多くの自治体に導入され、全国に93の基地局が設置されています。これだけ多くの自治体から信頼が寄せられるその背景には、製品の高性能や独自性に加えて、獣害に悩む自治体に寄り添うサポートの姿勢があります。
 「私たちは製品を販売するというより、自治体の獣害を実際に減らすことに主眼を置いてサポートしています。そこで重要になるのが、自治体の皆さんとどれだけ真摯に向き合えるか、ということ。
 獣害の状況や職員の獣害対策における経験値など、自治体ごとに事情は大きく異なります。それぞれが抱える課題や悩みに寄り添って親身に対応することが何より大切だと考えています。そのため、技術的な支援から調査会社の紹介まで、先方のニーズに応じて、私たちのノウハウを積極的にお伝えしています。導入前だけでなく導入後も、こちらから自治体に連絡を入れるなど、定期的なフォローを続けています」(瓜生さん)

 獣害対策に課題を感じる自治体においては、『ANIMAL MAP』の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社サーキットデザイン 営業部 動物トラッキンググループ 瓜生大輔さん

調査したい地域に設置した基地局で動物の位置情報を自動受信し、携帯電話網経由でクラウドサーバーにデータを転送。動物専用電波を利用するため、山奥でも位置情報を送信できます

[問い合わせ先]

株式会社サーキットデザイン

https://www.tracking21.jp/products/animalmap/

〒399-8303 長野県安曇野市穂高7557-1
メールアドレス:animal@tracking21.jp 
電話:0263-82-1024

〈お問い合わせフォーム〉
https://www.tracking21.jp/support/form/

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