ガーデニングのプロに、室内・ベランダ栽培のコツを聞いてきた!

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ガーデニングのプロに、室内・ベランダ栽培のコツを聞いてきた!

連載企画:アラフォー主夫の窓際菜園

ガーデニングのプロに、室内・ベランダ栽培のコツを聞いてきた!
最終更新日:2020年11月20日

「窓際菜園」と銘打ち、室内で植物の栽培を始めて4カ月ほどが経ちました。
なんとなくは育てていますが、イマイチこれでいいのか確信が持てません。いろいろ調べてはみましたが、我が家との環境の違いも目に入りなかなか「コレ!」という情報に当たりません。
こうなったらプロに直接聞いてみよう!ということで園芸店さんに取材してきました。

室内・ベランダで植物を育てる時の注意点をプロに聞いた!

取材したのは、東京都練馬区桜台にあるガーデニングショップ「かのはの」さんです。

かのはの
2013年オープン。「生活の中にグリーンを取り入れ、より豊かな楽しい生活を」をモットーに、植物だけでなくオシャレな鉢やガーデニンググッズなどをそろえている。観葉植物が多いが、野菜・ハーブ苗なども取り扱っている。

ガーデニングショップかのはの

お話を聞いたのは、オーナーでもありグリーンコーディネーターでもある吉岡知保(よしおか・ちほ)さん。

吉岡知保さん
「自分で育ててみなければわからない」という思いから、これまで数百種類の植物を自宅で栽培したことのある生粋の栽培人。
「オシャレさ」にもこだわり、「おしゃれなガーデニングショップがないから」というのも自分でお店を開いたきっかけの一つ。
店内には植物だけではなく吉岡さんこだわりのグッズが並んでいる。

ガーデニングショップかのはのの店主

今回は、室内・ベランダ栽培で特に気を付けたい3つのポイント「光」「水」「風」と、僕が今最も懸念している「西日」の対応、そしてこれからの季節気になる「冬越し」などについて聞いてきました。

「光の量」が不足しがちな室内・ベランダでの栽培、対策は?

室内・ベランダで植物を育てる時に、露地栽培時と比較して最も不足しがちなのが「光の量」です。
「かのはの」は間口が西を向いているということもあり、光がさすのは午後から夕方のみ。
店内にはじゅうぶんな光が届かず、開店当時の植物の売り場面積は今の1/3程度だったそう。

ガーデニングショップ店内

今は、室内に所狭しと植物が並んでいる

吉岡さん

光量が十分ではない場所に置いた植物の状態が悪くなってしまうということが起こりました。
そこで、開店当時は光がさす場所にだけ植物を置いていました。

プロである吉岡さんでも、光量不足はいかんともし難いところ。
しかし、今は植物が所狭しと並んでいます。
これはなぜでしょうか。

吉岡さん

植物育成用のLEDライトを使っています。また、店内に置く植物は耐陰性(※)の強いものを選んでいます。

※ 光量が少なくても生存、成長することのできる性質。

植物用LEDライトが照らしている

植物用LEDライトが植物を照らしている

よく見ると、多くのライトが植物を照らしていることがわかる

我が家よりも光がさしそうな店内なのに、こんなにライトが。
もしかして、僕がやっている窓際菜園って光が足らないのでは?

吉岡さん

光量が不足している可能性はありますね。

ガビーン

確かに、窓際菜園のハーブは、徒長(主に光量が足りない時に起こる、茎がヒョロヒョロと長くなること)しがち、かも……

これはいきなり有益なアドバイスをいただきました!

室内・ベランダで栽培する際のヒント「光量編」

  • 不足しがちな光量は、ライトで補う
  • 「耐陰性」の高い品種を栽培する

耐陰性の高い主な野菜(ちだ調べ)

  • ミツバ
  • シソ
  • セリ
  • クレソン
  • ミョウガ
  • ニラ
  • フキ

「水やり」は、注意深く観察しながら

「窓際菜園光量不足説」を強く感じ、すでに打ちひしがれていますが、植物栽培には「水」も大事です。

吉岡さん

水やりは、植物の様子を見て「表面の土が乾いたら、ポットの下から水が出てくるまでの量」が基本です。

植物に水をやる

僕が水やりで迷うのは「いつ」水をやればいいのか、です。
吉岡さんは「基本は土の表面が乾いていること」と言いつつも「葉の元気がなくなる、垂れてくる」といった変化を感じ取って水をやることも大事と強調します。

吉岡さん

植物も生き物です。水不足だけでなく何かあればサインを出してくれているので、それをキャッチできるようになるのも楽しいですよ。

また季節に対応して水やりを調整する際には、「1回あたりの量」ではなく「回数」を変えることが大事とのこと。
例えば、夏に外に出してある野菜苗などは様子を見ながら朝・昼・夕の3回水やりをすることもあるそうです。
一方で冬場は植物によって1日に1回、数日に1回など水やりの間隔を空けてコントロールするそう。

こちらも、光量の時と同じように「水が必要な植物か否か」という品種の特性を理解する必要がありますね。

室内・ベランダで栽培する際のヒント「水編」

  • 様子を見て、あげる時にはたっぷり
  • 季節ごとに「量」ではなく「回数」で水量をコントロールする

「風通し」も植物を室内・ベランダで育てる時には注意!

お店で話を聞いていると、天井で大きなプロペラファンが回っていることに気付きました。

ガーデニングショップの天井に取り付けてあるファン

ファンにもライト付き。光大事。

オシャレ目的かと思い聞いてみると、なんとこれも植物の健康的な成長には欠かせないものとのこと。

吉岡さん

「風通し」も光や水と並んでとても重要な要素ですよ。

これは、完全に知りませんでした。

お店でも、以前風通しの悪い壁際に棚を作って植物を育てていたところ病気やカビが発生し成長に支障が出たそう。

ガーデニングショップの壁際に植物棚

手を当てている壁際に棚を作り、植物を置いていた

その経験から、今では壁際に植物を置かない、かつつるしてある植物周辺の風通しをよくするためにプロペラファンを設置するという対応を取ったそうです。

え?

僕の菜園、思いっきり

窓際

なんですけど?

吉岡さん

それはあまり良くないですね。室内なら窓を開けて風を入れたり、扇風機を使うとよいですよ。

ガビーン!!

ガビビーン!!!

だめじゃん!!

光も足らなくて、風も通らなくて

だめじゃん!!!!

はー、知らなかった。

やはりプロに直接聞くというのは大事ですね。

室内・ベランダで栽培する際のヒント「風通し編」

  • 風通しは大事ということを認識する
  • 窓を開ける、扇風機を使うなどで風の流れを作る

西向きのベランダ・窓際で栽培中の人必見! プロの西日対策

我が家の窓・ベランダは西向きです。

西向きは午前中には日がささず、午後から夕方にかけて強い日差しがあります。
この強い日差しを「西日」と言い、これにあたると植物や土壌の水分が急激に失われます。
このことから、西向きの窓・ベランダは「植物栽培に向かない」と言われています。
窓際菜園も、夏の西日は強烈でした。

「かのはの」も、西向きです。

実はこの「同じ西向きである」という事実もこちらで取材をしたかった大きな理由の一つでした。

店頭に置いてある野菜苗は、夏場は西日を直接受けます。

ガーデニングショップの店頭に置いてある苗

店頭に置いてある苗

苗がダメージを受けないようにするにはさまざまな工夫があるそうですが、実行しやすいのは次の2つです。

1つは水やりの工夫。前述したように、朝と夕の2回に加えて昼間の状況を見てしおれているようなら昼にも水やりをします。
「とにかく様子を見てあげることが大事」とのこと。

2つ目は「下からの熱を避ける」工夫です。

吉岡さん

ベランダでは熱くなったコンクリートに置いているポットやプランターの中で土の温度や湿度が上がります。
結果、根が蒸れて死んでしまう
んです。

このような事態を避けるために、ベランダにすのこを敷く、箱や台の上に乗せるといった工夫が必要なのだそう。

ガーデニングショップの店頭にある野菜の苗

これだけ地面から離れていれば熱の影響も低いか

何を隠そう、僕も買った苗を「忙しいから夕方に植え替えよう」と真夏の西向きベランダに1日放置していたら完全に枯れてしまいました。

吉岡さん

夏場以外は大きな影響はないので、とにかく夏場だけなんとか工夫して乗り切りましょう!

室内・ベランダで栽培する際のヒント「西日編」

  • 水やりは特に敏感に!
  • ベランダの場合は、下からの熱を避ける工夫を!

室内・ベランダ栽培の「冬越し」のやり方

夏の西日を乗り切ると、冬がやってきます。
冬越しの場合もやはり植物の「耐寒性」という特徴を理解しておくことが第一だそう。

その上で、冬越しの具体的な対策を聞いてきました。

吉岡さん

レモンなど「東京の冬場がギリギリ越せるかな?」くらいのものだったら、支柱を立てて周りをビニールで囲むという方法もあります。

プランターに支柱を立ててビニールを巻く

吉岡さん

敷きワラやバークチップをプランターの土の上に乗せる(マルチング)だけでも保温になるので、植物の耐寒性によってはこれでもいいですね。
敷きわら

敷きわら。敷くだけで保温、霜よけなどの効果がある

吉岡さん

ポットをプチプチや段ボールで巻いて、それをひとまわり大きいポットに入れるという手もあります。
ポットをプチプチで巻く

プチプチで巻いて

プチプチを巻いたポットを一回り大きいポットに移す

ひとまわり大きなポットに入れて

ポットに麻布を被せる

麻布でカバーすれば見た目もバッチリ!

室内・ベランダで栽培する際のヒント「冬越し編」

  • 植物の「耐寒性」を把握する
  • 耐寒性に応じてビニールで囲む、マルチングするなど多様な方法がある

温度差は植物には「NG」

これまでアドバイスしてもらったことに加えて、特に注意するべき点があるそう。

吉岡さん

急激な環境の変化、特に気温の変化は植物がダメージを受けるので厳禁です。

特に注意するべきなのは、室温と外気温の差が大きい「夏」と「冬」だそうです。
この季節に「涼しい部屋から暑い外へ出す」「暖かい部屋から寒い外へ出す」といったことが植物にダメージを与えるとのこと。

あれ?

夏場に

「よかれと思って、ベランダで日光浴をさせていた」

んですけど。

「やっぱり外の光を浴びようね!ってクーラーガンガンの室内から出してベランダに数時間出していた」

んですけど。

吉岡さん

それは、気温差がかなり大きそうなので植物にとっては逆効果だったかもしれません。

もう、全然ダメじゃん、僕。

室内・ベランダで栽培する際のヒント「特に注意!編」

  • 夏場に「涼しい部屋から暑い外に出す」など、急激な環境の変化は避ける。

室内・ベランダで植物を育てるのは簡単ではないが面白さもある

本来外で育つ植物を室内や光量が限られるベランダで育てるには、実は気にしなければいけないこと、工夫しなければいけないことがたくさんありました。

それは決して簡単なことではないかもしれません。

吉岡さんは「植物が教えてくれる。対話をしている感覚になってそれが楽しい」と言います。

「植物が身近にある生活」は、「生き物である植物を慈しみ、対話しながら丁寧に育てること」を通して僕たちの生活を豊かにしてくれるのではないでしょうか。

これまで室内・ベランダ栽培がうまくいかなかった人も、吉岡さんのアドバイスをもとに再チャレンジしてみてはどうでしょう?

僕も、工夫してみます。
アラフォー主夫の窓際菜園、次回をお楽しみに!

取材協力:
ガーデニングショップ「かのはの」
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