里山のスーパーフード!「川本町のエゴマ」は、こうして生まれた
エゴマとは、実(種子)と葉が食用となるシソ科の1年草で、お隣の韓国では、葉で焼肉を包んで食べたり、キムチにしたりするのが一般的なのですが、日本では、主に実の方を食してきました。
その種子からは油が取れ、この中に人に欠かせない必須脂肪酸(オメガ3)の1つである「α-リノレン酸」が豊富に含まれていることから、近年、スーパーフードとして注目を集めるようになりました。
そんなエゴマが川本町で栽培されるようになったのは2002年のことで、川本町のエゴマのパイオニアとして知られる竹下禎彦さん(「川本エゴマの会」代表)が飛騨高山でエゴマと出合い、町に持ち帰ったのが始まりです。
その後、行政と共にエゴマの振興を進め、現在では栽培面積20.7ha、栽培農家110戸、エゴマ関連商品約30種類(平成30年度1月末現在)を誇る町の代表的な作物になるまでに発展しています。
栽培・加工だけでなく、エゴマビジネスのノウハウを学べる3年間
今回、募集する「地域おこし協力隊」は、研修先である株式会社オーサンの農産部(オーサンファーム)でエゴマの栽培・加工・販売を一から学びながら、最長3年間の研修の後に研修先に就職するか、自営就農するかを選択できる制度です。
研修期間中は、月額20万円の基本報酬が支給されるほか、活動支援補助金として年額100万円を受け取ることができ、研修後に自営就農した場合は、国の農業次世代人材投資資金(支給要件あり)を活用できれば年額150万円の支援を最長5年間受けることも可能です。
このような就農支援制度に加え、川本町では移住支援にも力を注ぎ、移住希望者に向けた住宅の斡旋も行っています。また、保育料や子どもの医療費の無料化など、子育て支援制度も充実しているので、家族での移住を検討する方も安心して新たな生活を始められる環境が整っています。
研修先となる株式会社オーサン( http://www.o-san.co.jp/ )は、土木建設を本業とする会社ですが、新たな事業の柱を立ち上げたいと考えた代表取締役会長の島田義仁さんが川本町で新しく栽培され始めたエゴマに注目。2005年にエゴマの栽培・加工・販売を行うオーサンファーム(農産部)を新設しました。
農地と加工場で有機JAS認定を取得するオーサンファームでは、現在、約3haの農地で栽培したエゴマの種子を自社の加工場で搾油した「エゴマ油」やエゴマの葉を乾燥させた「エゴマ茶」、エゴマ油の搾りかすを与えて育てた「鴨肉」などの商品を開発し、主に関東や関西圏の高級スーパーや百貨店で販売しています。最近はネット販売により力を注ぎ、川本町のエゴマ産業の中枢として成長を続けています。
また、島根大学医学部などと共同研究を行うことで、エゴマの機能性の検証にも積極的に取り組んでいます。
このように単なる栽培・加工にとどまらず、研修を通じて販路の開拓や商品開発など、エゴマビジネスのノウハウを学べるのが川本町の「地域おこし協力隊」の魅力だと言えるでしょう。
金融業界から農業へ! 現在は数々のエゴマ商品をプロデュース
10年前に関東からUターンして株式会社オーサンで働く飯田夏樹さんは、もともとは金融業界で働いていたといい、農業はまったくの素人でしたが、エゴマビジネスの将来性に魅せられ、入社を決めました。現在は農産部の課長として、主に商品開発や新たな販路開拓に携わっています。
「楽しいのは、やっぱり新商品を企画している時ですね。5年ほど前にインパクトのある商品を売り出したいと、川本町に自生していた原種のエゴマだけで作ったエゴマ油を発売したのですが、これが即完売。以降も商品化するたびにリピーターの方に購入いただき、当社の人気商品となっています」と笑顔で話す飯田さん。
「少人数の会社なので商品自体の開発もすれば、パッケージデザインにも携わり、どこでどう売るかの計画やECサイトのユーザビリティの検討など、1人で何役も担うのが当たり前。大きな会社であれば細分化される仕事を1人でこなす忙しさはありますが、そこが醍醐味でもあります。単に農業に携わりたいというだけでなく、農業をビジネスにしたいという方や、農業×ITで新たな市場を切り拓きたい方なら、きっと当社の仕事に興味を持っていただけると思います」と飯田さんは語ります。
アイデアを生かし、共にエゴマビジネスを盛り上げてくれる人を募集
そんな飯田さんに今後のエゴマビジネスの将来性や、川本町の魅力を聞いたところ、こんな答えが返ってきました。
「現在販売しているオイルはエゴマ100%のみですが、ここにオメガ6系やオメガ9系の油を加えれば、オメガ3プラスαの付加価値の高いオイルを生み出せます。まだ計画段階ですが、今後はこうした新たな切り口の商品を開発することでエゴマのさらなる可能性を追求したいと思っています。また、川本町は自然が豊かで人も優しく、田舎暮らしが満喫でき、都会では得難い、やりがいある仕事と生活しやすい環境の両立が図れる町だと思います」
また、島田会長も「農業は見るのとやるのでは大違い。だからこそ、しっかりと指導して育てていきたいですね。川本町に根ざし、地域に溶け込む努力ができる方にぜひ応募してほしいですね」と熱いエールを送ってくれました。
エゴマの栽培・加工・販売に携わるだけでなく、エゴマビジネスを一から学び、自らのアイデアを生かして活躍できるのは川本町だからこそ。
「地域おこし協力隊」という制度を活用し、新たな一歩を踏み出してみませんか。
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※応募を検討されている方へ※
事前に、かわもと暮らし情報センターへ相談し、川本町の状況や地域おこし協力隊の活動内容や勤務形態をしっかりと把握されることをお勧めします。