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GAPって正直どーなの? 農業経営に何の影響があるのか聞いてきた!

GAPって正直どーなの? 農業経営に何の影響があるのか聞いてきた!

近年、「GAP」(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)が注目されています。食品の安全に関して海外輸出の際や、国際大会の食料調達基準として求められていることにより、GAPに取り組む生産者が増加している状況です。では、GAPは輸出や国際大会調達に関与しない生産者には全く縁のないものなのでしょうか。実はそうではありません。本記事ではGAPに詳しい専門家の話をもとに、農業生産者がいまGAPに取り組む意義を深掘りしていきます。

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あらためてGAPとは? 認証取得はハードルが高い?

そもそもGAPとは、農産物の生産活動において食品安全・労働安全・環境保全・人権保護を確保することで持続可能な農業を実現することができる取り組みです。大規模法人から個人農家まで、GAPを導入する農場の規模や形態はさまざま。以前は国際大会への食材供給を目的にGAP認証取得を目指す生産者が多かったのですが、農産物の納入先である食品メーカーや外食、小売事業者が生産者にGAPへの取り組みを求めるケースが増えたこともあり、GAPを導入し認証を取得する生産者が右肩上りで増えているそうです。

「いまはSDGsへの対応など社会の流れもあり、担い手不足や環境問題を解決しながら、働きやすい農場と持続可能な農業の実現を目指して取り組むケースも増えています」と、GAPを普及推進しているサクシード株式会社 代表取締役の梅津国英さんは話します。

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梅津さんはGLOBALG.A.P.やASIAGAP、JGAPなどさまざまなGAPの導入を支援してきました

この記事を読んでいる生産者の中にも、GAP自体に関心を持っている人は多いことでしょう。ただ、認証取得は日々の管理や手続きが面倒で、どこから着手してよいのかわからず、認証基準をクリアするのも極めて困難だというイメージを持つ生産者が多いのではないでしょうか。

これについて梅津さんは「GAPの本質はリスク管理です。日本で農業を営む上でリスクを管理していない生産者はいるでしょうか?実は日本の生産者はGAPの要求事項である多くの管理点をすでに満たしており、自然と経営に関わるリスクは管理されています。ですからGAPに取り組むといってもゼロからのスタートではなく、3〜4割、生産者によっては6〜7割がすでにできていると考えていいでしょう」と話します。

GAP取得のメリットは?コストは?

ところで、輸出や国際大会への供給を目指す生産者はともかく、それ以外の生産者がGAPを導入するメリットはあるのでしょうか。梅津さんは「あります」と断言します。

「GAPは一般的に“農業生産工程管理”という難しい訳語で示されますが、要は“良い農場づくり”に寄与するものです。GAPの柱にあるのはリスク管理です。残留農薬や異物混入など生産する作物へ対するリスク、怪我や病気など農場で働く作業者や関係者へのリスク、大気汚染、土壌や水源の汚染など自然環境に対するリスクを評価し、リスクを軽減する為の対策を施し管理、記録を残します。そして対策や記録を見直し、PDCAのサイクルで継続的に改善していくことで良い農場になり、更には必然的に農場が整理整頓され、作業効率もアップし気持ちよく働ける環境が生まれます。また、GAPを導入することで良い農場になるだけでなく、農業が抱えるさまざまな問題を解決し、SDGsの達成、持続可能な農業を実現することができます。」
梅津さんはその上で、GAPは認証を取得することに意味があるのではなく、GAPに取り組むことで経営改善に大きな効果があると話します。

また、気になるコスト面ですが、GAPの認証取得と毎年の継続審査対応に費用がかかりますが、GAPの普及と共に認証機関は増えているので相見積りを取って比較したり、国や地域の助成金を活用したりすることで負担を軽減できるといいます。

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GLOBALG.A.P.は「持続可能な開発目標」(SDGs)と連携しています。

生産者がGAP認証取得のメリットを実感

すでに全国で多くの生産者が、GLOBALG.A.P.やASIAGAP、JGAP、都道府県GAPなど、さまざまなGAPに取り組んでいます。
北海道では、60人以上の生産者が集まる団体がGLOBALG.A.P.のグループ認証を継続しております。参加生産者は道内全域にわたり、経営状況や管理方法、生産品目が多岐にわたりますが、各生産者の規模や経営状況に応じて団体事務局が個々の農場をサポートすることで、グループメンバーの継続的な経営改善に役立っているといいます。また、継続することが販売先の評価にもつながり、新規販路の開拓にも有効に活用されているようです。

宮城県では、イチゴの6次化を手がける農業生産法人・株式会社GRAがGLOBALG.A.P.認証を取得しました。執行役員の上田貴史さんは「いままで農業は『作物をつくればそれでいい』という気持ちが強く、管理の重要性を説明してもなかなか定着しませんでしたが、GAPの導入により記録をつけて管理することが身につき、社内管理体制整備に役立っています。コストと手間はかかりますが毎年継続して審査があることも構築した仕組みの形骸化を防ぐ観点でも役に立っています」と話します。

現場で働く菅野亘さんも「記録を残す作業負担はありますが、従業員がリスクを考えて行動するようになり、その意識改善が現時点での大きなメリットです」と取得の効果を話します。

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GRAのいちご圃場

生産者以外に、全国の農業高校や農業大学でもGAPの認証取得が広がっています。「GAPはいわば農業の教科書のようなもので、良い農業を実現する方法が示されています。農業に携わる学生・生徒がGAPを学ぶことで、日本の農業発展につながるだけでなく、持続可能な社会の実現への効果も期待できるのではないでしょうか」と梅津さんは話します。

販路開拓などにも効果が! 農業経営をサポートしています。

梅津さんは前述の北海道におけるグループ認証では事務局メンバーとしてGAPの普及を推進。2019年には活動を全国へと広げるためにSucSeed株式会社を設立しました。同社は、農業の発展と食の安全から持続可能な社会を実現するためGAPの認証取得をサポートしています。

「GAPに取り組むことで経営上のさまざまなリスクを回避でき、良い農場づくりにつなげられます。良い農場になれば、経営者自身も従業員も安心して気持ちよく働くことができ、取引先からの信頼も得られます。その延長線上で農場の評価も高まり、結果的に販路開拓やブランディングにも効果を発揮することができます。GAPは消費者など買い手側からしてみればやって当たり前のことだと思っています。これからの農業はGAPという土台の上での差別化が求められていくでしょう」と梅津さんは話します。

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サクシードは農業生産者・食品事業者の経営をサポートしています

サクシードではHACCP(ハサップ)のサポートも行っています。HACCPは食品衛生法改正により、食品製造・加工等を行う全事業者に対して2021年6月からの取り組みが義務化されました。農業においても製造・加工・販売など6次化を手がける生産者は対象となります。

同社ではGAP、HACCPなどの品質管理だけでなく、6次化、飲食店出店、販促活動、イベント出展、ブランディング、ホームページ作成、ICT導入など、経営管理、流通販売まで農業をトータルでサポートする事業を展開しております。

サクシード

サクシードの事業イメージ。持続可能な農業をデザイン(設計)し、農業関連の企業や専門家との連携で品質管理から流通、販売まで、農業経営を包括的にサポートしています

最後に梅津さんは、こう話してくれました。
「個人でGAPに取り組むのは難しいと考えられがちですが、先ほど言ったように日本の生産者はすでにGAPの要求事項を多く満たしています。ただ、そこに気づくのが難しいかもしれません。正しいGAPを理解したコンサルタントや専門家からのアドバイスを受けることで客観的に自分の農場を見つめ直すことができ、経営改善に繋げることができると考えています」

GAPやHACCPに興味がある、認証を取得したいが何をすればいいのかわからない方、農業経営の改善をお考えの方は一度お問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

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新型コロナウイルス感染拡大防止の一環としてGAPオンラインセミナーも開催しております。

【問い合わせ先】
SucSeed株式会社
東京都千代田区東神田1-13-14 Hide and seek TOKYO 201
TEL 03-5829-6038 FAX 03-5829-6039
E-mail info@sucseed.co.jp

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