職人=キツくてコワイはもう古い!
現代の林業の働き方はこれだ!
熊本県の北部に位置する阿蘇郡小国町。人口約7,000人。総面積の78%を森林が占める、人より木の数が多い地域です。小国杉は、250年前から町のシンボルとして受け継がれてきた小国自慢の木。林業が盛んな地域ということも納得です。
小国杉の特徴は、筑後川流系の清流によって育まれた肥沃な土地、東北レベルの寒暖差といった恵まれた気候条件で育ち、油分が多く粘り強く、さらにサーモンピンクの色味の美しさが特徴の「強くて美しい杉」。小国の風土によって生まれた、唯一無二の小国杉ブランドとして人気が高いのです。
小国町森林組合は、その小国杉を守り、未来へつなげるために、伐採・販売・木工・商品開発販売など、37名のチームで行っています。”男の世界”というイメージが強く、担い手不足が叫ばれる中、こちらでは、女性職員や若者の入社が続いているのです。
まずは、今回の主役、林業の担い手として活躍する「山ノさむらい」の4名にお話を伺いましょう。6年目の宮阪辰己さん、4年目の穴井健さん、2年目の渡邉旺太郎さん、そして1年目の徳永満貴さんです。
林業の世界に踏み込んだ理由はさまざま。宮阪さんと徳永さんは、町外からの移住者です。
「転職を考えている時に小国町森林組合の存在を知り、菊池市から家族と一緒に移住しました。山菜を食べたり、仕事で疲れても景色に癒されたり、自然を楽しみながら過ごしています」と宮阪さん。
「料理人だったことからジビエを探求するようになり、猟師の免許を取得したんです。山で仕事をするなら…と考えたときに林業がいいなって。『くまもと林業大学校』で学んでから、こちらに入りました。小国でスタートした生活は快適で、仕事もプライベートも楽しんでいますよ」と徳永さん。
移住に際して不安の一つでもある住居の確保。小国町は移住者へのサポートが手厚い地域としても知られているため、安心して移住できたと話します。
小国町・杖立温泉で生まれ育ち、高校卒業後、この世界に入った渡邉さんは、「家が大好きなのが決め手。小国で働くなら、有名な小国杉に携わる仕事がいいかなと思って」。
穴井健さんも、「10年ほど小国を離れていて、戻るなら、家族と休日に過ごせるような休みのある仕事に就きたかったという感じです」。2人とも、意外にも気軽な理由です。
勤務は8時~17時。1日のほとんどを山で過ごし、小国杉の伐採を行う4人の「山ノさむらい」。「決してラクな仕事ではありませんが、18時以降は自分の時間が取れるし、日曜・祭日は休み。メリハリのある生活を送ることができます」と宮阪さん。他にも、子どもの突発的な病気などで休暇を取ることもでき、「子育てがしやすい職場」ということ。「職人=休みもなくハード」なイメージは、最近では、ずいぶんと和らいだようです。
林業=カッコイイ!
チェーンソーと重機を武器に、山で戦うさむらいたち
色鮮やかな林業用ウエアに身を包み、チェーンソー片手に斜面を身軽に移動する「山ノさむらい」たち。バッサバッサと小国杉を切り倒す姿は、見惚れるほど「カッコイイ!」。憧れる人も多く、熊本県内ではチェーンソーの一般講習会も行われているほどです。さぞかし、採用条件の中に、「経験者」「チェンソー免許取得」などがあるのかと思いきや、「学歴・不問、必要な経験等・不問、必要な免許条件・普通自動車免許(マニュアル車)、年齢・不問」…、え?これだけ? 必要なのは、「自然が好きで、やる気があること」と総務課長の穴井喜一郎さん。インタビューに応じていただいたみなさんも、全くの素人からのスタートということです。
宮阪さん
穴井さん
渡邉さん
徳永さん
それでは、どんな作業をしているのでしょう?
「まずは、山主さんからの依頼を受け、山に入り、作業道の整備を行います。伐倒した小国杉は、枝を落とし、一定の長さにカットされて運ばれるため、重機が行き来する道が必要なのです。規模にもよりますが、一つの現場で、1カ月間など長期で作業を行なっていきます」と宮阪さん。
一人で1日100本の小国杉を伐倒する人もいるほどですが、近年は機械化も進み、枝落としやカットを重機で行えるようになったということ。さらに、敷居の低い業種になってきたというわけです。さらに、「小国町森林組合」は、人間関係もよく、和気あいあいとした雰囲気の中で働けることも魅力のようです。
森林整備だけじゃない!
林業の枠を越えた取り組みが、地球を救う!
温暖化や土砂災害…、私たちを苦しめる災害に歯止めをかけるためにも、林業は大事な存在です。「小国町森林組合」では、「環境に配慮した持続可能な森づくりとまちづくり」と掲げ、森林整備だけに止まらない活動を行っています。
平成19年にスタートした地熱を取り入れた乾燥技術は、温泉地・小国だからこその発想。「杉を乾燥させるためには、化石燃料や電気を使った乾燥が一般的ですが、小国町・岳の湯地区には、天然の地熱が自噴しています。もくもくと上がる湯けむりを活用しない手はないと考え、地熱による木材乾燥に取り組むようになりました。当時、いや今でも珍しい取り組みで、国や多くの団体が視察に訪れました」。こう話すのは、企画販売課 の入交律歌さん。なんと、「これから林業が面白くなる!」と高知県から移住してきた林業女子です。
「日頃の業務が全てSDGs。それが当たり前なので、この言葉が広がる前から、当組合では、カーボン・オフセットなど、さまざまなことに取り組んできました。『誰も取り残さない』というSDGsの一つでは、人だけでなく、木も取り残さないという気持ちでものづくりを行っています」と、入交さんは話します。
木材というと、家を建てる建材や家具などを連想しますが、『小国町森林組合』は、その枠を飛び越えすぎた発想が面白いのです。「流通するのは、幹の部分がほとんど。小国杉は、50〜60年前に先代が植えてくれたギフトです。枝葉を捨てるなんてもったいない。何か活用できないかと考えて、アロマオイルが生まれました。リラックス効果や抗菌・消臭効果も期待できるんです」。その他にも、薪やトーチも売り出したことで、林業とは関係ないお客さんも組合に足を運ぶようになるなど、小国杉は、ますます人々にとって身近なものになっています。「林業ショートムービー『WOOD JOY OGUNI』 も作っちゃいました。持続可能な森づくりのためには、情報発信も大事。いろんなことにチャレンジしますよ」。
山で働く「山ノさむらい」たちが切り出してくれた小国杉に、さらなる魅力をプラスする林業女子たち。この連携が自然と行われる『小国町森林組合』の姿こそが、未来へ受け継がれる林業の目指すべきカタチなのかもしれません。林業を牽引する『小国町森林組合』で、自然に囲まれながら、明日の日本のために働いてみませんか?
小国の森で共に働く仲間
「山ノさむらい」を募集しています!
阿蘇の自然の中で一緒に働きませんか?小国町森林組合では、まったくの未経験の方も大歓迎です。必要な資格などは入社後、すべて自己負担なしで取得可能です!2021年度の採用人数は2名。気になる方はお気軽に採用担当者・穴井喜一郎(Tel.090-4987-2353)宛に電話連絡お待ちしております。
応募をご希望の方、履歴書を持参または郵送してください。その後、小国町森林組合にて面接を行い、選考結果は10日以内に通知を郵送します。
採用情報について詳しくは下記よりご確認ください。
\林業未経験の方も大歓迎/
「山ノさむらい」を募集しています!
採用情報について詳しくはコチラ
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小国町森林組合
〒869-2501
熊本県阿蘇郡小国町宮原1802-1
TEL : 0967-46-2411
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一般財団法人 学びやの里 木魂館