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酪農家のパートナー『酪農ヘルパー』とは? 仕事内容と働き方、よくある疑問点を詳しく解説

酪農家のパートナー『酪農ヘルパー』とは? 仕事内容と働き方、よくある疑問点を詳しく解説

一日たりとも休むことのできない牛の世話。酪農家が休みたい時に休めるように業務を代行しているのが「酪農ヘルパー」です。ヘルパーと言うと補助的な仕事をイメージするかもしれませんが、酪農ヘルパーは酪農を専門とする職業の一つで酪農家のパートナーとして欠かせない存在。新規就農希望者にとっては未経験から酪農の技術と知識を身に付けられる就業先です。その働き方や就業方法について、酪農ヘルパーの普及活動に取り組む一般社団法人酪農ヘルパー全国協会で詳しく聞いてきました。

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酪農ヘルパーとは?休めない酪農家の働き方改革に貢献

牛を飼う酪農のお仕事は休むことができません。エサやりはもちろん、牛が乳房炎などの病気にかからないように毎日の搾乳や牛舎の清掃が欠かせないからです。従業員でカバーできる大きな牧場もありますが、酪農家の多くは家族型経営。冠婚葬祭や病気・怪我をしたときは誰か代わりが必要です。

しかし、搾乳などの専門的な作業は誰にでも頼めるわけではありません。そこで、酪農家が休みたいときに業務を委託できる酪農ヘルパー組織が立ち上がり、主に地域の酪農家が組織する酪農ヘルパー利用組合や農業団体(以下、利用組合)が運営しています。1999年には酪農ヘルパー全国協会が設立され、酪農ヘルパー事業の普及、利用促進、人材確保と育成などの活動にあたっています。

酪農ヘルパー

現在、全国に約270の利用組合があり、約1000名の専任酪農ヘルパーが活躍しています。このほか専任ヘルパーが対応できないときに備えて、臨時酪農ヘルパーとして酪農家の後継者や酪農ヘルパーOB・OGなどを中心に約750名の登録があります(2020年8月現在)。酪農家1戸あたりの酪農ヘルパー年間利用日数は年々増えて2019年度は平均23.6日。酪農家がヘルパーを利用する目的は、病気等の理由だけでなく家族レジャーや行事参加が増えており、特に世代交代した若い酪農家の利用が進んでいるそうです。

「酪農家と酪農ヘルパーは酪農業の両輪です。どちらかが外れると不安定になり、走れなくなるほど欠かせない存在です。酪農業の存続に酪農ヘルパーが重要な役割を果たしていることは間違いありません」と話すのは、同協会の佐藤千秋さんです。

酪農ヘルパー

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酪農ヘルパーの働き方、大変さとその先のやりがい

酪農は大変というイメージがあるのは、酪農ヘルパーの仕事も同様です。そう思う一番の理由は、早朝からの仕事です。酪農家の多くは1日に2回搾乳しているため、酪農ヘルパーの勤務時間も早朝5時~9時、その後7時間ほどの休み時間を挟んで、夕方16時から夜20時までが一般的です。

慣れるまでは大変かもしれませんが、リズムをつかんだら日中のオフタイムを自由に使えることにメリットを感じている酪農ヘルパーも少なくありません。子どもと遊ぶ時間や趣味に打ち込む時間を確保してワークライフバランスを充実させています。

酪農ヘルパー

また、毎日異なる牧場へ出役(出勤)する酪農ヘルパーは、牧場ごとのやり方や設備を覚えることが大変かもしれません。しかし、その分さまざまな経験を積むことができ、それぞれの牧場経営者から学べることが多々あります。そこに魅力を感じ、将来自分の牧場を持つことを目標に酪農ヘルパーになる人も少なくありません。

未経験で酪農業界に飛び込むのも大変そうです。しかし、所属する利用組合ごとに研修を行い、先輩と組んで現場に入り指導とサポートを受けることができるので心配はいりません。

「酪農ヘルパー全国協会では、新任ヘルパーを対象とした研修会を開催し、酪農の基礎知識と実技の習得をサポートしています。経験を積んでいくことで信頼を得ることができ、酪農家から『ありがとう』と感謝されるようになります。これは酪農ヘルパーにしか味わえないやりがいになりますね」と同協会の岡本尚之さんは話します。

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酪農ヘルパーについてよくある疑問を詳しく回答

酪農ヘルパーが酪農家から頼られ感謝される重要な仕事だとわかったところで、実際の働き方などについて協会によく寄せられる質問にさらに詳しく回答する形で解説します。

Q:まったく未経験ですが酪農ヘルパーになれますか?

A:なれます。酪農は搾乳一つを取ってもさまざまな方法があり、広い知識と高度な技術が必要ですが、就職先の利用組合でベテラン酪農家や先輩ヘルパーが丁寧に一から教えてくれます。一人で業務ができるようになるまでは、OJTとして先輩と組んで現場の業務をするので安心してください。実際、多くの酪農ヘルパーが未経験からのスタートです。

酪農ヘルパー

Q:酪農ヘルパーになるには資格が必要ですか?

A:必要ありません。学校などで酪農を学んでいなくても大丈夫です。利用組合に就職後、業務をしながら学ぶことができます。初任者研修等への参加費用の個人負担もありません。むしろ必要となるのは普通自動車免許です。出役先の牧場までは基本的に自分で車を運転して行くことになります。

酪農ヘルパー

Q:女性でも酪農ヘルパーになれますか?

A:なれます。全国で活躍する専任ヘルパーの約1割は女性です。基本的に年齢も関係ありませんが、牛舎内の作業や業務ができる程度の体力は必要です。利用組合によっては募集要項に対象年齢を設けている場合もあるのでご確認ください。

Q:休みはありますか?給与・福利厚生面はどうですか?

A:もちろん定められた休日はあります。勤務体制は利用組合により異なりますが、基本的には酪農ヘルパーの休日希望と酪農家の利用希望を組合が調整しています。
給与・福利厚生に関しては、地域の農協職員や準職員に準じている利用組合が多いです。詳しくは各組合の条件をご確認ください。

Q:作業は大変ですか?

A:酪農は体を動かす仕事なので最初は大変と感じるかもしれません。酪農ヘルパーの場合は、搾乳、エサやり、牛舎の清掃、子牛の世話(ほ乳など)と、業務範囲が概ね決まっているので、少し力のいる作業もありますが、慣れれば問題なくこなせます。

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酪農ヘルパーになるには?大切なことは?

「酪農ヘルパーとして活躍するには、まず地域に馴染むことが必要です。酪農家をはじめ人とのコミュニケーションが求められる仕事です。前向きで積極的な人は活躍できるはずです」と佐藤さんは背中を押します。

「一般企業と同様に、現状を改善しようとする意欲のある人材が酪農ヘルパーにも求められています」と岡本さん。酪農ヘルパーの矜持を示してくれました。

酪農ヘルパー

酪農ヘルパーになるには利用組合の求人に直接応募します。酪農ヘルパー全国協会のホームページに全国の募集情報が掲載されているので働きたい地域から選ぶこともできます。利用組合によって規模や担当エリア、給与などの条件が異なるので気になる利用組合に問い合わせてみましょう。

酪農業を盛り上げていくには酪農ヘルパーの力が必要です。全国の酪農家と牛たちがあなたを待っています。

【お問い合わせ】
一般社団法人 酪農ヘルパー全国協会
東京都渋谷区代々木1丁目37番2号 酪農会館 6階
TEL:03-5577-5135
Email:info@d-helper.lin.gr.jp
※お問い合わせの際は、「マイナビ農業の記事を見た」とお伝えください。

【関連リンク】
酪農ヘルパー全国協会ホームページはこちら
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