溢れる酪農への愛と熱意!町全体が新規就農者を大切に育む【北海道/浜中町】

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溢れる酪農への愛と熱意!町全体が新規就農者を大切に育む【北海道/浜中町】

溢れる酪農への愛と熱意!町全体が新規就農者を大切に育む【北海道/浜中町】
最終更新日:2021年05月03日

北海道東部に位置する「浜中町」は昭和58年から行われている取り組みによって、新規就農を目指す人たちが数多く訪れて夢を実現する「牛飼いになれる町」へ変化を遂げています(全酪農家の1/4以上が新規就農者)。年間360日稼働する分析センターでの科学的なサポート。平成14年から稼働している全国初の酪農情報システムのデータをスマホやタブレットで閲覧できる「ミルダス」の開発(平成29年)。離農する酪農家からJAが牧場を買い取り、新規就農者にリースする仕組みの運用。斬新な取り組みの数々が酪農家をサポートしています。未来の酪農家を目指す人たちが浜中町に注目する、その理由を探っていきましょう。

家族と過ごす時間のため、夢を叶えるため、
新規就農を目指し、ただ今修行中

平成3年に町と農協で設立した「(有)浜中町就農者研修牧場」。ここで酪農家を目指して研修に励む小林俊一さん(33)、花野子さん(33)。3人の子供と一緒に千葉県から道東へ渡り、8か月となります。『教員をしていたのですが、仕事が多忙すぎて家族との触れ合いが持てない毎日。子供を抱っこすることすらほとんどありませんでした』。これではいけないと、勤続10年を節目に退職。さらに『三男がダウン症で、将来、会社勤務などが困難な場合も自営の農家なら一緒に働けると思って』と就農を目指すことに。地元のレンコン農家で働くなどしましたが、『関東では就農に必要な資金が莫大。現実的ではないと思いました』。そして憧れていた「北海道での酪農」へと目を向け、まず就農イベントで知った町で体験研修を行います。その後、夫婦で相談して「よし、行こう!」と決断したのですが、受け入れ人数などの問題もあり、すぐには難しいということに。そこで「浜中という町も新規就農に積極的ですよ」と提案をもらったことにより家族は浜中町での就農へ向けて舵を切りました。

『本当は動物が苦手だったんです。でも今は牛が可愛くて仕方ないですね』(俊一さん)

移住者も快く迎えてくれる『温かすぎる町ですね』

酪農は体験研修の数日しか経験のなかったふたり。『研修牧場では教えてもらってそれをやる、というわけではありません。まず実践して、後からフィードバックとして指導をもらいます。厳しいですが、実際、就農したら全て自らで判断することになります。言い方が悪いかもしれませんが、今のうちにあらゆる失敗やイレギュラーなことを経験したいですね』と意欲満々の様子。『まだまだ不安ですが、牧場長に『もう大丈夫』と言ってもらうことを目指しています』。
『新規就農をした先輩や浜中の酪農家さんに話を聞ける機会も多いんですよ』と話すお二人。地域の共同作業などを通じて知り合いが増え、他の牧場を見せてもらう機会もあるそう。『外からの人を受け入れてくれる包容力が浜中にはあるのでありがたいです。住まいは牧場の目の前だし、研修生としての給料は千葉時代より少ないのですが、都会に比べてお金を使う機会も少ないですし、補助もあるので前より裕福に感じるくらいです』。子供たちは引っ越す際に友人との別れを寂しがっていたそうですが『この時代ですから簡単にテレビ電話で話せるんですよね。こちらでの生活にもすぐに慣れてしまいました。順応力で親は全く敵いませんよ』。

『家族で過ごす時間が増えて、町の人も温かくて、あとは就農できれば最高ですね』(花野子さん)

『理想どおりの牧場を見つけてもらいました』
手厚い支援が浜中町を選んだ決め手に

令和3年4月、新規就農の夢を果たし、酪農家としての一歩を踏み出した槻木昭則さん(28)、真美さん(34)ご夫婦。前職は近隣、弟子屈町でそれぞれJA営農課の職員、牧場の事務員でした。酪農家との関わりがある中で、「自分たちにもできるのでは…」と就農を思い立ちました。『色々調べた結果、浜中町の支援システムが自分たちにはぴったりとふたりの意見が一致したんです』。

浜中町の経済的支援内容
  1. リース料半額助成制度
  2. 浜中町で新規就農を行う場合、
    5年間のリース期間中に支払う農場賃貸料を町が半額助成

  3. 固定資産税相当の助成
  4. 牧場買取後の5年間、固定資産税相当額を助成

『就農時に即、多額の借金ではなくリースで、しかも半額だけで良いのが特にありがたいです。離農者さんから先にJAが牧場を買い取る形なので、個人間の契約がなかったり、昨日まで普通に稼働していた牛舎をまるごと初日から引き継げるのも魅力的だと思います』。槻木さんご夫婦は1年8か月の期間、研修牧場で学んでいました。『経営のことは前職で学んでいましたが、実作業は初めて。搾乳も牧草ロール作りも全然上手くいかなくて…。特に分娩に立ち合った際には子宮捻転や帝王切開のケースもあったりして大変でした』。それでも『研修牧場があったことも浜中を選んだポイントなんですよ。数多くのトラブルがあったおかげで大切なことを学べました』。
 牧場は60ヘクタール、引き継いだ牛は61頭。家族で経営できる規模と「つなぎ牛舎ですぐそばに放牧地がある」ことを理想としていたところ、JAからその条件にマッチする現牧場を紹介してもらい即決断。就農初日から搾乳を行い、5日後には初めての赤ちゃん仔牛も誕生した槻木牧場。将来の夢は『いっぱい儲けてランボルギーニのSUVを買うことです(笑)』(昭則さん)だそうです。

毎日搾乳されていた牛、出産間近の牛、全て引き継いだ槻木さん。早速の分娩が無事終わってひと安心

前牧場主が使用していた敷地にある牛舎も牛も牧草も、そして家族が暮らす家までも受け継ぐ形に

有名ブランドにも選ばれた乳質を支える
浜中独自の酪農技術センター

『この地域には酪農しかなかったんですよ』。JA浜中町の西島さんは先人の思いをそう話します。酪農家が生活を維持できる、質の高い乳を搾れる、そしてここで新たに酪農をしたいという人が増えるよう、JAと町が一体となって独自の取り組みを行ってきました。その結果、有名な「ハーゲンダッツアイスクリーム」の原材料としても使用される生乳を生産し、全161戸ある牧場の内、47戸(令和3年4月現在)を新規就農者で占めるに至っています。それには「酪農技術センター」も大きな役割を果たしているそうです。『浜中町酪農の心臓部とも言えますね。年360日ほど稼働して、生乳分析や生菌検査、土壌や飼料の分析も行っています。農家さんは牛のプロですが、検査のプロではありません。数値化し見えるようにすることで、経験や勘だけに頼ることなく、データに基づいた経営が可能になります。そのための情報提供とアドバイスを行っています』。牛は1頭ごとに管理されていて、生乳検査などの結果は当日中にフィードバックされます。『スマホやタブレットでどこにいても情報をチェックできる「ミルダス」というシステムも農協独自で運用しています』。これによって経験が浅くても品質管理が可能となりました。様々な情報を得られることが新規就農者にとって大きな助けとなっていることは間違いないようです。

 慎重かつスピーディに毎日行われる検査が浜中の生乳の品質を支えている

農家さんの身体も心もサポートすることで
地域を支えられるヘルパーの充実感

東京都出身の中村美久さん(22)は(有)浜中町酪農ヘルパー組合で専任として働き始めて1年半ほどが経過しました。365日、休むことのない乳牛を相手にする酪農家が休暇を取る際に牧場に向かい、牛の飼養管理や生乳生産を行うのがヘルパーの役割です。『浜中町の組合ができたのは平成元年でこの管内では一番古いんです。農家ももっと休暇を取らないと…という思いからだそうですよ』。動物に携わりたいという理由で進学した本別の道立農業大学校を卒業後、北海道東部の標茶町の牧場で酪農経験がある中村さん。『退職してどうしようかと考えていた時、知人に”経験を生かして浜中町でヘルパーをしたらどう?”と勧められたのがきっかけでした』。始めた当初は不安だったそうですが、経験を積むうちに徐々に自信も喜びも生まれてきました。『搾乳や牧草刈りのお手伝いもそうですが、色んな農家さんとのコミュニケーションがとても楽しくなっています。70歳を超えているのに、私より元気なお母さんがたくさんいるんですよ』と笑顔で話す中村さん。『浜中の農家さんはヘルパーも育てようという意識が強いんですよ。私が一人前になることで恩返しができればと思っています』。

いつもニコニコの中村さん。『トラクターや大きな機械を操るのも大好きなんです』

新規就農を目指すなら浜中町へ

町全体で新規就農希望者を歓迎し、支えてくれる浜中町。『まず何でも相談してください。研修牧場で研修して就農する道、ヘルパーとして経験を積み就農する道など、それぞれの状況や希望を踏まえて、浜中町で酪農暮らしをする方法を提案します』と話すJA西島さん。インターンシップとして町を訪れて施設の見学や実際の仕事を体験したり、浜中町の酪農へ対する思いに触れることも歓迎してくれます。交通費の助成も行っているので気軽に問合せてみましょう。マイナビ就農FESTや全国で開催される新規就農や移住に関するイベントに数多く出展しているので、ホームページやFacebookで情報をチェックしてください。
『酪農を志す方は、浜中町にとっての宝物です』というJA浜中町にぜひ、一度お問い合わせください。


【企業情報】
JA浜中町 営農課
北海道厚岸郡浜中町茶内栄5番地
電話:0153-65-2141
FAX:0153-65-2236
メールアドレス:dairyman@ja-hamanaka.or.jp
ホームページ:https://www.ja-hamanaka.or.jp/newfarmer/
Facebookページ:「浜中町 大自然の中で牛飼いになれる町」
https://www.facebook.com/hamanaka.new.dairy/

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