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農家が教えるコマツナの育て方 通年&短期間で収穫可! 病害虫防除のポイントは

鶴田 祐一郎

ライター:

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるコマツナの育て方 通年&短期間で収穫可! 病害虫防除のポイントは

コマツナは本格的な菜園を開始するにあたり、まず植えてみたい野菜です。主要な野菜の中では種まきから収穫までの期間が最も短く、一年中栽培できるため、比較的手軽に挑戦できると言えるでしょう。
ただし、アブラナ科の作物が共通してそうであるように、病害虫の防除が必要になりますので、注意点を中心に見ていきましょう!

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コマツナ栽培のメリットは、なんといっても一年中できること、そして短期間で収穫に至ることです。
真冬の寒い時期では2カ月ほどかかってしまうのですが、夏の時期は種まきから25日くらいで収穫できてしまいます。以下の栽培カレンダーを参照してください。

このようにいつでも種まき〜収穫ができてしまうので、他の作物が終わったあとなど、畑の隙間(すきま)を埋めてくれる菜園のベストパートナーなのです。

コマツナの土の準備

コマツナは他の作物に比べるとあまり土壌を選びません。
しかし、コマツナだけのためではなく、その後の菜園のためにも植え付ける2週間前に1平方メートルあたり堆肥(たいひ)2キロ、苦土石灰50グラムを土に混ぜておくとよいでしょう。
プランターの場合は、市販されている調整済みの培養土をそのまま利用しましょう。
植え付け1週間前には化成肥料を1平方メートルあたり50グラム散布し、高さ10センチの畝をたてておきましょう。プランターの場合は、化成肥料をひとつまみパラパラと置いておけば大丈夫です。

コマツナの種まき

コマツナは最終的に株間15センチほどあれば順調に生育します。15センチ間隔を空けてスジまきしましょう。発芽率が高いので、農業の現場では間引きを省略するために最初から5センチ間隔くらいで育てます。しかし失敗した時のスペースがもったいないので間引きを前提に1〜3センチ間隔くらいで種を落としていくとよいでしょう。

コマツナの間引き

コマツナの間引きは本葉が出てきたらすぐにおこないます。
発芽しないのが怖くてたくさんまきすぎた場合は、この時期に株間5センチ以上は離れるように、成長の早すぎるものや遅すぎるものを間引きましょう。スジとスジの間が15センチ空いていれば、その程度の間引きで十分成長できます。

コマツナの水やり

畑での栽培の場合は、種まきの前後に雨が降っていなければ必ずたっぷりと水を与えてください。その後は、長期間雨が降らずに乾燥が続いているということでもない限り、水やりは必要ありません。
プランターの場合、夏場は毎日、冬場は地表面が乾かないように様子を見て水やりしましょう。

コマツナの追肥

一般的な畑においては、コマツナは元肥を入れていれば追肥の必要はないでしょう。
しかし、砂地で肥料が特に流出しやすい場所や、小さなプランターで栽培している場合は、間引きのタイミング(本葉2〜3枚頃)に化成肥料を3株にひとつまみ程度の少量与えましょう。

コマツナの収穫

コマツナの収穫適期は背丈が20〜30センチになった頃。全てのコマツナがその高さになる前に、少し小さめのうちから少しずつ収穫していき、最後の収穫で30センチくらいになるのが理想です。
コマツナの生育はとても早いので、大きくなりすぎて筋張ってしまうことがあります。小さい分には、どれだけ小さくても問題ありません。たくさん種をまいておいて、本葉が出たらすぐにベビーリーフとして間引きがてら収穫していくのもよいでしょう。

コマツナの病害虫

コマツナはアブラナ科の作物で、害虫にも大変好まれる野菜です。
特にチョウやガの幼虫などの鱗翅目(りんしもく)に大きな被害を受けることが多いため、防虫ネットで囲ってしまいましょう。
病気としては、白さび病という病気が頻発し、葉の表に黄色い病斑、裏に白いカビが発症します。一年中栽培できるとはいえ、梅雨時期〜真夏は少し難度が高くなりますので、はじめての場合は10月に種をまいて育ててみましょう。虫も少なくて無農薬でも比較的作りやすいですよ!

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