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コメの農産物検査規格が変わる! 今押さえておきたい3大ポイント

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コメの農産物検査規格が変わる! 今押さえておきたい3大ポイント

農産物検査の規格や表示に関する見直しが、早いものでは令和3年産の検査から実施される。何がどう変わるのか?! 押さえておきたい三つのポイントをどこよりもわかりやすく解説!

『答えるのはこの人!』
株式会社ケツト科学研究所 江原崇光さん

株式会社ケツト科学研究所は、穀粒判別器のリーディングカンパニー。同社 渉外部署 部署長の江原崇光さんは農林水産省の「農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会」にも招聘されており、今回の改正動向にも詳しい農産物検査のプロです。


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  1. 令和3年産の検査から実施される項目も!
  2. 機械鑑定を前提とした規格を策定
  3. 改正の狙いは、コメ流通のデジタル化・クラウド化

令和2年7月に閣議決定された規制改革実施計画において、農産物検査の見直しが盛り込まれました。そこで農林水産省は、専門家から構成される「農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会」を全8回開催し、全ての検討事項について結論が得られました。中には令和3年産米の検査から実施される内容もありますが、皆さんご存知でしょうか。

「国の方向性の根幹には、『輸出強化』と『流通の合理化』を目指す意図があると思われます。令和2年から農産物検査の一部項目に導入された穀粒判別器による鑑定に端を発し、『検査結果をデータ化』→『取得データを生産・流通・販売のプロセスで活用(スマートフードチェーン構築)』→『産地間のデータ共有による輸出力強化』といった構想を読み取ることができます」(ケツト科学研究所 江原さん)

しかし、この改正に向けた実務を実施するのは、農産物検査の現場当事者である、生産者やJA、自治体。限られた日程でいかに遂行するのか、その事務プロセスは不透明なままです。本記事では、取材時(4月28日時点)に確認できた、特に穀粒判別器に関連する情報を中心に集約しました。

出荷の早い産地では7月からの実施が想定されます。生産者や農産物検査の現場が混乱しないよう早急な準備と対策を打つことが、JAや自治体に求められています。

「農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会」の主な検討事項

変更POINT①
☆機械鑑定を前提とした規格策定!
☆等級に見合う機械検査の数値幅とガイドラインを設定!
(令和4年産米から適用)

●機械鑑定を前提とした規格へ
精米歩留まりや品質の重要な指標である9つの規格項目(容積重・水分・白未熟粒・死米・着色粒・胴割粒・砕粒・異種穀粒・異物)を、機械鑑定によって全て証明する必要があります(機械測定が困難な場合は目視を併用)。

●評価方法について
当面の間、国が機械測定の数値と品質との関係の目安をガイドラインとして示します。その際には、現行の規格(1等、2等・・・)と機械測定の数値とを比べたレベル感も一定の幅で示します。

●検査結果について
これまで使用されてきた等級印や米袋などに印刷されていた検査証明書だけでなく、農水省の共通申請システムの活用で、ID番号やQRコードをスマホなどで読み取ることで証明事項を表示することが可能となります(令和3年産米検査から順次)。

玄米の検査規格

変更POINT②
☆「スマート・オコメ・チェーン」でコメ流通のプロセスをデジタル化(令和5年産米から)

現在、農林水産省は、「農業データ連携基盤(WAGRI)」を活用した、生産・流通・加工・消費まで、データの相互利用が可能な「スマートフードチェーン※1」を構築し、農業におけるSociety5.0(超スマート社会)の実現を目指しています。
※1 入口(生産)から出口(消費)までのデータ連携・集積を行い、生産の高度化、販売における付加価値向上、流通の最適化を可能とする基盤

この基盤をコメの分野で構築し、「生産現場」「乾燥・調製」「検査」「卸・精米」の各段階で得られる情報を、将来的にはデジタルデータ化・クラウド化して、ワンストップでコメの流通に活用しようとしています。

この「スマート・オコメ・チェーン」を活用した、生産段階(例:有機JASなど)、流通段階を含めた高度な取扱とトレーサビリティを保証するJAS規格を制定。米の国際規格制定を日本がリードしつつ、輸出戦略に活用しようという国の狙いがあります。

しかし、栽培履歴など生産方法を手書きで記録している生産現場も未だ多い上に、生産データと流通データが連携されていないのが現状です。こうした実態を踏まえて、デジタル化・データ連携をいかに推進するのか、普及策を早急に考える必要があります。

「スマート・オコメ・チェーン」とJAS活用のイメージ

変更POINT③
☆見直された内容は、早いものは令和3年産の検査から実施(結論が出た事項から順次)!

「農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会」で結論が得られた事項から、順次実施が予定されています。主なものは以下となります。
農産物検査関連の改正スケジュール

●サンプリング方法の見直し
検査コスト低減に向けて、サンプリング(抽出)の標準抽出方法を見直す。令和3年産米検査から適用。

●農産物検査証明における「皆掛重量」の廃止
農産物検査で行われている量目の検査について、「皆掛重量」の証明を廃止。「正味重量」のみの証明とし、令和3年産米から適用。

● 銘柄の検査方法の見直し
目視による銘柄の検査を、書類による検査に見直し。また、「産地品種銘柄」に加えて、「品種銘柄」を設定。生産者がより自由に品種を選択できるようにする(初回改正は令和3年中に行い、毎年見直し)。

都道府県ごとの「産地品種銘柄指定」の見直し

「産地品種銘柄指定」(現行)

「産地品種銘柄指定」(見直し後)


出典:「銘柄の検査方法等の見直しについて(案)」(参考3)農産物検査における銘柄の証明について 農林水産省

●荷造り・包装規格の見直し
現行規格で認められていないリサイクル可能な新素材(石灰石を利用した袋など)の包装容器が活用できるよう新規格(引裂強さ、引張り強さなど)を制定。具体的内容や数値を検証し、令和3年中に規格改正。

[問い合わせ先](農産物検査機器に関するご相談・コンサルティング)

株式会社ケツト科学研究所
TEL 03-3776-1111
sales@kett.co.jp
株式会社ケツト科学研究所Webサイトはコチラから

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