年間7万トンの取扱いを誇る一大産地「JAようてい」
蝦夷富士(えぞふじ)という名でも知られる、北海道を代表する名峰羊蹄山。この山を間近に望む後志支庁南西部の9町村を管轄しているのがJAようていです。組合員戸数は2021年7月末時点で796戸。稲作、畑作、酪農など、様々な農業が営まれている地域ですが、代表的な作物はなんといっても馬鈴薯。「生食用の馬鈴薯が中心で品種は男爵、とうや、キタアカリ、きたかむいなどです。そのうち約6割が男爵ですね。管内で年間約7万トンもの取扱いがあります」と話すのはJAようていの加藤拓未さんです。
明治10年頃の入植者から始まり、以来150年もの間作り続けられている同地域の馬鈴薯は、肥沃な土地と羊蹄山からの湧水や尻別川の清流で育つおかげで食味が良いと評価を得ています。「関東はもちろん、全国各地へ運ばれて食べてもらっています。今では日本の生食用馬鈴薯の市場を支えている産地の一つと言っても過言ではありませんね」と加藤さん。「だからこそ、安定した供給を続けていくことを何より重視しています」と続けます。
安定収穫の課題は「軟腐病」。唯一の対策は予防のみ
馬鈴薯の安定栽培において一番の課題となるのが病気の発生です。中でも近年厄介なのが軟腐病。葉が生い茂る7月ごろから発生リスクが高まり、畑のどこかで発症すると、土の中を水と一緒に細菌が流れるなどして、あっという間に全体へ広がってしまいます。この厄介な病気から馬鈴薯を守るためには、予防を徹底するしかないのが現状です。
「日本全国で言えることでしょうが、大雨や猛暑などの天候不順がこの地域でも頻発しています。高温多湿の環境下を好む軟腐病細菌にとって、生い茂った馬鈴薯の葉と畑の土の間は湿気がこもりやすいので絶好の繁殖環境になってしまうんです」。
天候の変化が予測しにくいこの数年、馬鈴薯に限らず、農家が軟腐病で甚大な被害を受けるケースは少なくありません。そこで、加藤さんを始めとするJAようていのみなさんが、管内の農家におすすめしているのが『コサイド®3000』です。
使用回数の制限がなく、高い効果を得られる『コサイド®3000』
『コサイド®3000』は銅殺菌剤です。散布すると銅成分が葉の表面に付着し、降雨などで葉が濡れることによって、銅イオンを放出して作物を感染から守ります。
一般的な銅殺菌剤と比べて『コサイド®3000』は銅イオンの放出効率が高く、優れた殺菌効果を得られます。「私たちの管内では、『コサイド®3000』を使用し続けている農家さんが多いですよ。やはり安定して効果が得られていることが一番の理由でしょう。7月中旬から8月末くらいが危険な時期なので、週1回のペースで散布するケースが多いです」。
使用回数の制限がない点も使う側にとってうれしいポイントです。「天候に不安があるのに『今年はもうこれ以上使えない。どうしよう…』となってはお手上げですからね。確実な防除を行うためにも、気になったときに何回でも散布できるのは安心につながります」と加藤さんは話します。
作業効率、希釈率、汎用性…数多くの利点も支持を集める理由
『コサイド®3000』はユーザーがより使いやすいものへと改良が重ねられてきました。例えば溶けやすさや粒子の細かさです。
「散布前に水に混ぜて溶かすのですが、『コサイド®3000』は粒子が細かく溶けやすいため、『散布の準備にかかる時間が削減できた』と、以前からコサイドシリーズを使っている農家さんの声を聞きます」と加藤さん。畑全体に効果が行き渡りやすいという利点もあるようです。
さらに殺菌剤の必要量の面でもメリットがあるといいます。「希釈率が500倍の銅殺菌剤がある中、『コサイド®3000』の場合は1000倍なんですよ。何せ4000Lもの巨大サイズのタンクを使って散布を行う農家さんも多いので、使用量に大きな違いが出るんです」と加藤さんは強調します。少ない量で良いということは仕入れを少なくできるため、省スペースやゴミの削減にもつながっています。
『コサイド®3000』の適用品目数は32(2021年7月現在)と汎用性の高さもポイントです。JAようていでは馬鈴薯以外にも、様々な野菜に『コサイド®3000』を使用しているそうです。
「1戸あたりの農地面積が大きくなる傾向がある昨今、単純に農家さんの労働負荷も増えています。希釈率や他の殺菌剤を仕入れずに済むという汎用性の高さなど、あらゆる面で使い勝手が良い点もこの地域で長く使用されている要因だと思います」。
「安定して大量の馬鈴薯を市場に届けるというスタンスを続けながら、徐々に収量を上げていきたい」と、JAようていの今後の抱負を話す加藤さん。『コサイド®3000』は、今もこれからも馬鈴薯の安定栽培を支えていきます。
【取材協力】
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