目標を設定して、数字を見える化!
養豚はやればやるほど奥が深い
養豚経営では、熊本県トップクラスの飼育数を誇る有限会社ナカムラ。阿蘇市波野村にある敷地面積6万平方メートルの広大な敷地では、約1万頭の豚を飼育。妊娠・交配から分娩、肥育までを一貫して行っています。
市原敏文さん(35)は高校卒業後、養豚に携わり、5年前に入社。若手ながら、現在は副農場長として、現場とスタッフの管理を任されています。
「養豚の仕事は毎日同じ仕事の繰り返しのイメージがあるかもしれませんが、季節やその日の状況でやることが異なります。その時の状況に合ったベストな作業ができているかを常にチェックし、適切な指示をするのが私の役割です」と話す市原さん。
豚は繊細な動物で、その日の温度や湿度でも体調が変化するとのこと。たくさん飼育されている豚の中から、「この豚は体調が悪そうだな」や、「治療が必要だな」という判断をいかに迅速・的確にして、病気を未然に防ぐことが求められるそうです。
そこで同社では、妊娠した豚の数、出産した子豚の数など、ありとあらゆるデータを数値化。目標に対し達成できなかった時は問題を洗い出し、なぜできなかったかを検討。達成できたら、さらに上を目指すということを日々繰り返しています。
「作業によって数字がガラリと変わることもあります。うまく対応できると数字も良くなるので、達成感もあります。自分たちがやっていることが、どういうレベルなのかを日々確かめながらやっています。そういう意味では、養豚ってやればやるほど奥が深いんですよ。それがこの仕事の魅力かもしれませんね」。目標を決めて、結果がそれをクリアできれば、自分たちの評価にもつながることがやりがいになっているようです。
瀬井農場長
市原副農場長
目指すは新しい養豚経営!
地域や環境に配慮した取り組みにも積極
「畜産と聞くと、どうしても臭いや衛生面のことから、地域に敬遠されることがあります。私たちが取り組んでいるのは、地域からのクレームがない農場づくりです。このため、地域の人たちと積極的にコミュニケーションを取り、地区の奉仕活動には必ず人や機械を出して参加しています。おかげで、私たちがここで畜産を初めてから9年間、一度もクレームがないことがナカムラの自慢です」と話すのは、農場長の瀬井立男さん(59)。畜産の世界に入って30年以上のベテランです。長い現場での経験を生かし、現在は同社が企業としてさらに発展していくため、地域との関係づくりや将来のステップのための足場づくりに力を注いでいます。若手のよき相談相手でもあり、理解者でもあります。
畜産で必ず課題となるのが、大量の堆肥の処理問題です。同社では、敷地内で糞尿を適切に処理、できた堆肥は自農場の牧草栽培に活用しているそうです。さらに、地域の牧野組合から借り受けた土地で牧草などを育てると共に、畜産農家に牧草や野菜農家に堆肥を販売するなど、循環型の農業にも積極的に取り組んでいます。最近では、高齢化、過疎化が進む地域の畑の管理を依頼されることも増えているとか。これらを管理するのが、草地部です。養豚業とは思えない大型のトラクターや農業機械があり、免許取得制度があるのも同社ならではの魅力です。
市原副農場長
中村専務
夢と誇りを持って働ける会社を創りたい!
地域からの信頼を得て、熊本・阿蘇を元気に
社員が誇りを持って働ける企業型経営に前向きに取り組んでいる同社。専務の中村仁人さん(33)は大学を卒業と同時に、この農場に携わるようになって9年近くになります。稼げる働き口を求めて都会に出て行った同級生を見て、「地方に残りたいと思えるような会社を創りたい!夢を持って働ける会社を創りたい!」と決意。そのためには、稼げる会社にすることが不可決です。目標を立て労働生産性を高めることで、収益を上げる企業努力を続けています。目標を超えれば、社員に還元するという仕組みも整っているそうです。
次なる目標は、新しい農場を作ること。「現状をクリアしたら終わりではなく、社員に夢を持ち続けてもらいたい。この地域で、『ナカムラで働いているってすごいね』と言われるようになりたいんです。私は情熱だけは誰にも負けません。やるからには業界トップクラスを目指します」。
市原副農場長
中村専務
新しいステージに向けて準備を進める同社では現在、インターンシップを含め、新しい仲間を募集中です。「何でだろう、どうしてだろうと考えられる人が向いているのではないかと思います」と中村専務。部門によって仕事内容は大きく異なるので、活躍できる場所はたくさんあります。男女問わず、初心者でも歓迎とのこと。想像した以上に“奥の深い”畜産の世界で、自分を試してみませんか?
【問い合わせ先】
有限会社ナカムラ
〒869-2801
熊本県阿蘇市波野小地野1662
TEL:080-1715-9389(中村)