天候不良に負けないレタス栽培を目指す
レタス生産量で全国3位の群馬県。県北部の昭和村でも冷涼な気候を活かしてレタスなどの高原野菜の栽培が行われてきました。株式会社サイエンズでは、昭和村をメインに県最北部の水上と長野県菅平にも圃場を展開し、標高200m~600m帯の延べ40haでレタスの安定生産に取り組んでいます。
同社のレタス収穫期は4月下旬から10月末まで。安定生産の第一歩は、時期ごとの気象条件に適した品種を選ぶことです。例えば、春先の寒さや降霜に強いもの、梅雨時の曇天と長雨に強いもの、夏の暑さと乾燥に強いものなど、サイエンズでは年間約10品種を栽培し、県内の生産者組織の「野菜くらぶ」を介して全国へ出荷しています。
安定供給のニーズは高いものの、レタスは天候の影響を受けやすく栽培が難しい作物です。
「レタスの生育に最も影響するのは雨です。雨が続くと軟弱に育って病気になりやすく、施肥設計や防除も難しくなります」と話すのは、サイエンズ代表の竹之内光昭さんです。
「レタスは群馬県の重点8品目の一つ。産地で見られる黒根病とべと病の耐病性を持ち、気候変動にも安定した形状の品種を供給していきたいです」と話すのは株式会社サカタのタネ担当者。同社では、昨今のゲリラ豪雨と乾燥の極端な気候変動下でも結球しやすい「ブルラッシュ」などの品種を開発しています。
群馬県の主要作物をカバーする種苗・資材販売の株式会社ぐんたね営業担当の生方雅哉さんも、雨の多さに懸念を示します。「生産者から病気や雨に強い品種が求められていますが、品種だけでは対応できないところに予防的な資材が必要です」と話します。
三社が注目している資材が、株式会社カネカの『カネカペプチド® W2』です。
『カネカペプチド® W2』で環境ストレスに強い苗作り
『カネカペプチド® W2』は、植物の持つ力を引き出す新ジャンル「バイオスティミラント」の資材です。有効成分の酸化グルタチオン(GSSG)の製造には、カネカのコア技術である発酵技術が生かされています。「水溶性の粉剤で使いやすく、他資材との混合施用も可能なので手間が増えません」とサイエンズの竹之内さん。
酸化型グルタチオンには、酸化ストレスの予防・低減および光合成を促進する効果があることから、カネカはどんな作物でも必ずストレスを受ける移植時の施用に着目しました。
レタスの場合、「定植前(育苗期)2回の葉面散布」「灌注、定植後(本圃)1回の散布」の合計3回施用が推奨されています。まず定植1週間前に葉面散布または潅注。次に定植当日に苗のどぶ漬け、またはジョウロなどで潅注します。そして定植1週間後の葉面散布です。これによって天候不順にも強い苗に育つことを目指します。
昨年度、サイエンズではレタス畑の一部で『カネカペプチド® W2』を試験的に使用したところ、多雨だったにもかかわらず球の大きいレタスを安定的に収穫することができたそうです。その結果を受けて、今年度はすべてのレタス圃場に『カネカペプチド® W2』を導入。その成果を地域の生産者に披露しようと、梅雨の曇天や梅雨明けの猛暑で栽培しにくい7月に現地見学会を実施しました。
定植2週目の外葉展開期のレタスを無処理区とカネカペプチド区(3回散布)で比較すると、カネカペプチド区の苗が太く外葉が大きく育っていることが見てとれました。また、定植7週目の収穫期のレタスを比較すると、カネカペプチド区の球が一回り大きいこともわかり、早く収穫できる可能性も考えられました。
見学会の参加者からは「施用と無施用で、球の大きさの違いがはっきり分かる」「1球当たり平均100gも重量が増えるのは価値」「早く収穫できるのは、7月後半にかけて発生しやすいべと病や軟腐病から逃げ切れるという点で重要」との声も聞かれました。
予防が肝心!生育不良に先手必勝
今年、昭和村は春先の天候は良かったものの、梅雨の後半は雨と曇天が続いて晴れ間がなく、べと病などの病気の発生が心配されました。
「『カネカペプチド® W2』を使用した区画は、苗の段階で根の発根量が明らかに多かったですね。どの作物もそうですが、特にレタスは苗のときにその後の生育が決まってしまいます。根がしっかり張っていると、雨や暑さなど何かあったときにも対処できる状態になるんですよ」とサイエンズの竹之内さん。同農園がつくるレタスは球が大きく、えぐみが少なく糖度は3以上と、おいしさだけでなく安定供給も心掛けており、高い信頼を得ているそうです。
「『カネカペプチド® W2』は予防のために使うので、天候が順調なときは効果が分かりにくいかもしれませんが、保険として使ってもらえば出荷の安定につながると思いますよ」とぐんたねの生方さん。同社では品種だけでは対応しにくい気象の変化を視野に入れ、『カネカペプチド® W2』を合わせて提案していくそうです。
「『カネカペプチド® W2』は苗の本来持つ力を引き出すので、天候不良や育てにくい時期ほど効果が分かりやすいです。小玉や規格外を減らして、作物の安定出荷に貢献できるのではないでしょうか」と、カネカの髙田江身子さんが力強く語ってくれました。
ブロッコリーやキャベツなど、さまざまな作物で効果を実証
『カネカペプチド® W2』は7年前に北海道で先行して発売され、ジャガイモなどで1株あたりの収量の増加や塊茎の肥大への効果が認められています。現在は各地のさまざまな作物でも試験を行い、その効果や施用法などを調査・分析・研究しています。
ブロッコリーでは定植前(育苗期)2回の葉面散布/灌注、定植後(本圃)1回の散布で、花蕾の肥大性の向上が確認され、歩留まり率向上や早期収穫につながっています。この他にも、キャベツやネギでも肥大性の向上などの効果が見られています。
世界的な気候変動もあって天候不順はもはや毎年の課題です。植物が環境ストレス耐性持って自ら元気に育つという新しいアプローチで、カネカは農業の安定生産をサポートしています。
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株式会社カネカ R&B本部 新規事業開発部 GSSGチーム
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