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組織づくりに尽力!充実して働ける環境を実現できた畜産企業の秘策とは

組織づくりに尽力!充実して働ける環境を実現できた畜産企業の秘策とは

「砂むし温泉」で有名な鹿児島県薩摩半島の南端にある指宿市に、今回ご紹介する畜産企業、「水迫畜産グループ」があります。有限会社水迫畜産(1972年設立)と株式会社水迫ファーム(1987年設立)で構成され、グループ全体で繁殖から肥育・飼料製造・有機肥料製造・食肉加工・卸売業までを網羅。目指す「赤身と霜降りのバランスの良い美味しい牛肉」へ仕上げるため、オリジナルの餌づくりをはじめ、牛に無理をさせない育て方にもこだわりを持っている畜産企業です。その先には、「美味しい牛肉を食べて笑顔になってもらう」という大きな目標が。そんな水迫畜産グループの一つである水迫ファームを訪れ、命と食に向き合う姿勢と誇りを体感してきました。

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組織改革をやり遂げ、充実した働き方ができる企業へ

水迫ファームの代表取締役である水迫栄治さんは、幼い頃から家業の後継者になる自覚を持っていたそうです。進学した東京の大学で学んだのは農業経済学。途中、趣味で始めたバスフィッシングの才能が開花して大学在学中にプロとなり、卒業後もプロとして活動していたという個性的な経歴を持っています。1998年に水迫畜産グループに入社してからは、実務経験を積みながら産業廃棄物業やファイナンシャルプランナーの資格取得のための勉強や、農協の仕組み・金融機関との取り組み方など財務面強化のための勉強など、興味や疑問に対して積極的に行動。当時、低迷していた業績を上げるため、すぐに組織改革にも取り組みました。

株式会社水迫ファーム 代表取締役の水迫栄治さん

「大きく変えたのは、エリアごとに責任者を定めて権限を与え業務を任せたところ。目標を設定することで、成果に対して正当に評価をするようにしました。社員の向上心や姿勢が変わり、牛の死亡や事故率が低下。業績にも反映されるようになりました」。水迫さんが入社したのは、口蹄疫や狂牛病で畜産業界が大打撃を被っていた頃。「先の見えない不安はありましたが、古い流れを壊すチャンスでしたね」と振り返ります。現在、水迫ファームは年齢に関わらず、意欲や成績次第で管理職へ登用する体制が確立。35歳で農場責任者に就任した社員もいるほど。現場の高いモチベーションは、牛肉の品質や生産量にもつながっています。

『あっさりしているのに旨みが濃い』
現代の好みに合う牛肉づくりを実践

上質な牛肉といえば、「霜降り肉」をイメージする人が多いはず。脂の乗ったトロリとした食感や柔らかさは魅力的ですよね。ただ、時代の流れとともに食にも流行りや変化が生まれます。例えば、赤身肉や熟成肉が注目され、肉本来の味わいを楽しむ傾向もその一つ。水迫さんは餌の買い付けで訪れたカナダで食べた赤身肉の美味しさをきっかけに、なぜこんなに美味しいのかを調べたそうです。「餌が違いました。日本では考えられないほど贅沢なものを食べさせていました。餌が肉の味を決めることは分かっていたものの、これほどとは。これからの和牛は霜降りだけではなく赤身の美味しさも追及していかなくてはという危機感を感じた出来事です」。

水迫ファームは、鹿児島県内15カ所の農場(約7600頭)で理想の肉質へ仕上げる肥育を実践。今回訪れた本社農場では、約1900頭を肥育しています。市街地から車で15分ほどの高台にあり、木々の間から錦江湾や桜島が望める立地。驚いたことに、牛舎特有の臭いがそれほど気になりません。牛・人・環境にやさしい畜産を心がける同社では、排泄物を堆肥にするため定期的に牛舎内へ発酵を促す菌を噴霧。そのおかげもあって臭いが抑えられているのだそう。また、牛を健康に育てるための管理を徹底。牛の行動データを管理したり、餌の質を高めたり。特に感心したのは、安易に薬で健康管理を行わない姿勢です。食べ物が体を作るのは人と同じ。栄養はもちろん、健やかで病気に強い牛に育つよう、内容を考え抜いた配合飼料を与えています。ちなみに配合飼料に使われている原料は、トレースできるよう仕入れ先を厳選。「地方の小さな会社だからこその自由度を活かし、多種多様な原料を入れました。焙煎大豆をメインにカシューナッツ、抗菌作用や免疫力を上げるニンニクやウコンなど。これらの配合飼料が主食で、月齢に応じて副食(発酵飼料や粗飼料など)を変えていきます」と水迫さん。自社で飼料製造事業を展開する強みが発揮されています。

赤身と脂のほどよいバランスで、くどさを感じない充実した旨みが評価されている水迫畜産グループの主力ブランドは、鹿児島県内の農場で育てた『さつまビーフ』で年間約9000頭を出荷しています。そのなかでも、県内産の素牛かつ指宿市の農場で育った牛を『指宿牛』として、ギフトや地元観光商材に採用。食肉卸・加工大手のスターゼンと業務提携を行い、互いの情報を現場に反映する取り組みも。水迫畜産が手がけるミートデザインワークス事業では、ホテル・小売り・外食産業向けの卸売りやふるさと納税、カタログギフトで自社ブランド牛を販売。年々業績を伸ばしてきていると言います。実際に口にしたお客様から「美味しかった」と電話や手紙をもらうこともあるそうです。

若手とベテランの団結力で士気上々の現場に!

水迫グループでは様々な年代の社員が活躍中です。今回訪問した水迫ファーム本社農場の農場長はなんと、畜産未経験スタートの入社3年目・35歳という圧倒的スピード出世に驚きます。水迫さん曰く、若手の期待株だそう。
農場での業務は、給餌と牛の状態チェックが中心。合間を見つけて、設備の補修やデスクワークを行います。特に大事なのは、場内を回りながら一頭ずつの様子を観察すること。全頭に専用の機器を付け、牛の行動データを管理することで異常があれば即座に把握できる環境です。餌やりは機械やフォークリフトを使用。機械化と配合飼料の工夫により、作業の肉体的な負担はそれほど無いそう。機械で合理化・効率化を進めている分、牛の顔や体つきを見る時間に費やすことで、一頭一頭、牛の顔を見て声をかけて育てる昔ながらの方法も継続しています。

水迫グループには未経験から入社する方も多いですが、どの現場も和気あいあいとした雰囲気で、普段からコミュニケーションが図れているのでやりにくさは感じないようです。また、農場ごとに出品する社内枝肉品評会を実施することで、チームの士気が上がり団結力も強くなっている様子。全員のやりがいに繋がる職場環境がここにはあります。水迫さんも「ベテラン社員が、若手の上司をサポートしながら育てていく気概がありますね」と、社員同士の信頼関係や意識の高さを評価していました。

『さつまビーフ』がスタンダードになる未来はすぐそこ!?

お客様の「美味しい」の声を励みに、明確な目標を持って牛肉づくりに取り組む水迫畜産グループ。今後は、持続可能な和牛生産(SDGs)や動物福祉(アニマルウェルフェア)を意識した取り組みや育て方を実践する必要性を感じているとのこと。市場に左右されない販売単価、農場SQFなどの衛生管理基準、増えると予想される人工肉との共存といった課題に真摯に向き合い、自分たちらしいスタイルを生み出していく企業だと感じました。

今後は、より効率的に管理できる農場設備を導入し、規模拡大にも意欲的な同社。そのために補わなくてはならない人材については、水迫さんも宮薗さんも「元気さと向上心を持って頑張れる人と働きたい」と声を揃えます。何度も言いますが、A5ランクが最上とする業界において、同社が目指しているのは『A4ランクでほどよくサシが入った健康的な牛肉』。信じた未来へ突き進む熱量と勢いは、これからのスタンダードを変えていくかもしれません。

【問い合わせ先】
株式会社水迫ファーム
〒891-0304
鹿児島県指宿市東方10808-10
TEL:0993-24-3738

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