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JA全農と農業総合研究所による鼎談が実現 流通が変える食と農の親密な関係

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JA全農と農業総合研究所による鼎談が実現 流通が変える食と農の親密な関係

流通から食と農の親密な関係を築こうとする全国農業協同組合連合会(JA全農)と株式会社農業総合研究所。業界の課題をどのようにとらえ、組織の壁を越えて連携する接点や意義をどう考えているのか。JA全農の戸井和久チーフオフィサー(元イトーヨーカ堂社長)と農業総合研究所の及川智正会長、堀内寛社長が鼎談した。(聞き手/窪田新之助)

生産者・生活者双方の情報が届いていない

戸井和久さん:5年前に全農に入り、各地にあるJAのリソースを見て回って分かったのは、出口対策ができていないことです。マーケットインが大事と言われるけれども、生産者の情報を生活者に十分に届けられていない。一方、生活者の潜在的な需要を吸収して、産地に反映することも十分にできていない。その反省に立って、これからはバリューチェーンを構築していかなければいけないというのが全農の考えです。

及川智正さん:私はマーケットインで鍵を握るのは流通だと思い、会社を創業しました。良いものができるほど貧乏になる「豊作貧乏」を解消できないかと、創業と共に始めたのが、スーパーのインショップで農産物を委託販売する「農家の直売所」でした。生産者が好きな金額で、好きな店で売れる仕組みを作れば、いずれ「豊作貧乏」はなくなるはずと思ったんです。ただ、今は「農家の直売所」だけでは解消できないと感じています。

堀内寛さん:それで弊社は2020年から「産直卸事業」を始めました。卸売会社や産地と連携し、スーパーを相手に青果物を仕入れ販売をするのです。といっても青果物を単に卸すのではなく、スーパーからの要望を産地にフィードバックして、一緒に良い商品を作るというサイクルを作っています。JAのブランディングもお手伝いしていますね。
産直卸事業は生産者にとってメリットが二つあります。一つは価格の安定です。特徴がある商品に価値を付けて、適正な価格で売れます。もう一つは販売率が上がるので、廃棄が減ること。JAにとっても我々にとっても相性のいいビジネスだと感じています。

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富山中央青果との取り組みで生まれた「仲良しろねぎ」。株式会社農業総合研究所では、2020年9月からJAや卸売会社と協働し、おすすめレシピや産地情報などの付加価値の発信を通して農産物をブランディングする「産直卸事業」をスタート。2021年12月には、産直(市場外)流通の上場企業では初となる公設卸売市場(富山中央青果株式会社)との資本業務提携を締結するなど、市場流通を担う企業や組織と積極的に協業している

「流通の六次化」での協業

戸井さん:もはや業界を挙げて敵対関係でいる時代ではないですね。特に産地は小売業の変遷への対応がいつも遅れてきました。組織を超えて一緒に出口対策をすべきだと考えます。
及川さんや堀内さんがおっしゃったように、価値を付けるには産地と小売りがベクトルを合わせることが大事。一方で生産者の心理としては、作ったものがどういう売り方をされているかを知りたいということがありますね。

堀内さん:たしかに生産者の多くが売場のPOPを気にします。商品の売り方だけではなく自分や商品、ほ場がPOPでどのように紹介されているかを知りたいわけです。あわせて毎日の売り上げのデータも届けるようにしています。POPで着飾っても、ビジネスとしての継続性がないと意味がないですから。

及川さん:私たちは会員の生産者にそうした情報を届けるITプラットフォームを作っています。販売データなどの情報はもちろんですが、気持ちも大事だと思っています。私たちのITプラットフォームでは消費者から生産者に直接メッセージを届けることもできます。
私は「流通の六次化」を提唱しています。流通が情報を活用しながら生産者と生活者の新たな関係を作ったり、需給調整を図ったりすることです。JAは優れたプラットフォームやインフラを持っていらっしゃるので、「流通の六次化」で協業できれば嬉しいです。

戸井さん:全農も販路拡大をしないといけません。売り先が広がれば生産者も潤います。組織として全体よりもエリアでの対応が主流になっています。同時に販売環境も変化してきています。そういう意味では連携できることは多いと思います。

JA全農で広がる販路開拓の取り組み

  
組合員への資材供給、農畜産物の流通・加工を手がけるJA全農と(株)セブン-イレブン・ジャパン、国分グループ本社(株)の3社が協働し、出荷時期を過ぎた黄色いかぼすを有効活用した『大分県産完熟かぼすサワー』を2020年7月に開発。
完熟前の緑色に比べると甘味が増し、酸味が控えめになる果汁の特性を「完熟」と表現することで、かぼすを余すことなく消費し、廃棄ロス削減につながる新しい販路を開拓することに成功した。
JA全農の取り組みについてはホームページを参照

[取材協力]

全国農業協同組合連合会(JA全農) チーフオフィサー 戸井 和久さん
株式会社農業総合研究所 代表取締役会⻑CEO 及川 智正さん
株式会社農業総合研究所 代表取締役社⻑ 堀内 寛さん

[問い合わせ]

【会社名】株式会社農業総合研究所
【事業内容】農家の直売所事業・産直卸事業

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