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【vol.2 岩手で農業を始めませんか?】農業をやりたくてUターン!ピーマン栽培に農業の面白さを感じる

【vol.2 岩手で農業を始めませんか?】農業をやりたくてUターン!ピーマン栽培に農業の面白さを感じる

岩手県の県南地域に位置する花巻市は、米を基幹に麦・大豆や雑穀、野菜、果樹などを組み合わせた多様な農業生産を展開しているのが特徴で、やる気と能力のある担い手の確保・育成、就農サポート体制も充実しています。
実家がある花巻市で2010年に就農した照井健二さんは、2019年からピーマン栽培をスタート。年間収量14t(12a)を誇り、地域ではトップクラスの成果を上げています。将来を期待される若手農業者として注目される照井さんに、就農から農業経営、就農者へのサポートなどについてお聞きしました。

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取材協力いただいたピーマン農家/照井 健二さん

照井 健二さん

【プロフィール】
■年齢:39歳
■就農年数:12年目(2010年就農)
■出身地:岩手県花巻市
■地域:岩手県南地域・花巻市
■規模:ピーマン12a/ハウス4棟、パプリカ2a/ハウス1棟、露地野菜30a(就農時ミニトマト2a/ハウス1棟、露地野菜10a)
■活用資金・事業:新しい園芸産地づくり支援事業、いわて型野菜トップモデル産地創造事業(花巻地域園芸産地協議会)※現在は終了しました
■営農形態:4人(本人、母、パート2人)
■暮らし:実家近くで妻と2人暮らし
※2022年8月現在

生産している品種は苦みのない「京鈴」

農家と接しているうちに自分でやりたくなった

―岩手県で就農したきっかけは?
高校卒業後、北海道の大学、大学院で農業環境工学を専攻し、農業機械などを学びました。卒業後、道内のJAに就職しましたが、農家の方々と接しているうちに、自分でも「農業やりたいなあ」と思い始めました。幼い頃から父親の背中を見て育ち、農業に憧れを抱いていたので、就職1年でJAを辞めて25歳の時、花巻市に戻って来ました。
実家が水稲農家なので、Uターン後は水稲や転作作物の栽培など家の手伝いをしていました。

農業大学校で1年間研修後、独立

―就農に向けた準備は?
最初は、近所の人が通っていた岩手県立農業大学校の研修を受講しようと、農業改良普及センターに相談に行きました。農大での研修の時に事業計画を作成し、正式に就農したのは2010年です。就農時、自分一人で始めたのはミニトマトのハウス1棟だけ。就農してからの野菜栽培はほぼ独学でした。

3年前、補助事業を利用して、ハウス4棟を建てました。国、県、JAの共同補助事業で、自動かん水装置や資材なども支援してもらいました。ハウスを建てた場所は借りている農地です。実家の土地に大きい区画がなかったので、近所の人から借りました。

岩手県花巻市の実家近くに建てたピーマン栽培用ハウス

花巻で生産に力を入れるピーマン栽培に挑戦

―栽培作物、技術の習得は?

補助事業の要件が「花巻市で生産を推進しているピーマンのハウス栽培」でした。それまで、ピーマンのハウス栽培は経験なかったのですが、叔父の露地ピーマンの手伝いをしたことはありました。また、就農後にパプリカをつくっていたので、パプリカの栽培技術をピーマンにも生かせていると思います。

JAや県が定期的に巡回して生育状況などを見て、講習会などで栽培技術を指導してくれます。そういった手厚いサポートのおかげでピーマン栽培が軌道に乗りました。3月頃からハウス内で土づくりをして、4月上旬に苗を定植します。収穫は5月中旬から11月中旬まで続きます。収穫期が長いのが特徴で、ハウス栽培なので、霜が下りるまで収穫が可能です。

サイズや形を1個1個確かめながら収穫

適切なタイミングで管理し収量アップ

―農業経営の特徴・こだわりは?

ピーマンは定植してから活着(根付いて生育する)までが大事なので、植える時に一番気を付けています。植える前に液肥に苗を浸し、ハウス4棟で1300本の苗を植えています。昨年(2021年)の収量(収穫量)は、10aあたり12tでした。ハウス4棟では12aになるので14tぐらい収穫したことになり、この地域の平均反収8tよりも採れています。

なぜ収量が多いのか自分でもよく分かりませんが、排水性の良い土地で基肥に堆肥のほか微生物肥料も使用しているため土が良いからだと思います。また「管理が良い。圃場がきれいだ」と周囲から言われます。伸ばす枝と切る枝を見極め、良いタイミングで枝を切っています。今年で3年目、作業日誌に記録していますが、毎年気候変動が激しいので、どの作業も同じタイミングというわけではありません。生育状況を見て「今かな」と枝を切ります。

農作物と真剣に向き合い管理が行き届いたピーマンのハウス

植物がぐんぐん大きくなる楽しさ

―農業の面白さ、やりがいは?
幼い頃から親の背中を見ていたこともあり、農業が好きだから続けています。ピーマンの収穫が終わると、ハウス内のピーマンや支柱を片づけ、トラクターで全面を耕します。冬は産直出荷用にハウスでホウレンソウ、露地では雪下ニンジン、キャベツを栽培し所得を確保しています。春先はジャガイモやアスパラガスを作って産直に出します。
収穫する前までが好きなんです。植物がぐんぐん、ぐんぐん大きくなっていく様子が一番見ていて楽しいなと思います。

収穫後はJAの共同選果場へ出荷

農閑期は趣味のトロンボーン演奏を楽しむ

―就農前と今、暮らしは変わりましたか?
自分で自分の時間を決めることができます。農業だけではなく経営者はそうなのかもしれませんが、自分のペースで仕事ができるのが一番良い、と思っています。
冬は趣味の時間がとれます。中学時代からトロンボーン演奏を続けており、農閑期だけ活動する東北農民管弦楽団という農業関係者だけのオーケストラに所属して、東北6県を回って演奏会を開いています。趣味を楽しみながら冬時間、ちょっとのんびりすることでまた来年頑張れると思います。

Uターンしてみて、花巻は昔ながらの風景があって落ち着きます。暖かい地域に比べて1年中しっかりと農作業できる地域ではないことは不利ですが、その分冬場に時間ができるので自分のために使えます。

ピーマンの収穫が終わると冬の演奏会に向けて練習に励む

スマート農業でさらに収量を上げたい

―今後の目標や挑戦したいことは?
今、力を入れているのはスマート農業。環境制御技術でハウスの自動換気をし、計測機械から環境データがスマートフォンに転送されてきます。温度、湿度、日射量、土壌水分など収集できるデータが多いので、それらの情報を見ながら水量を増やしたり減らしたりしています。来年度はデータを活用してさらに収量を上げたいと思っています。
また、ハウスをあと2~3棟増やしたいと計画しています。

環境制御技術を駆使して収量のアップを目指す

岩手なら自分がやりたい農業が見つかる

―就農希望者へメッセージ

30~40代のピーマン農家が集まりグループ活動をしています。実家が農家という人もいますが、最近はもともと農家ではない人もピーマン農家になっています。花巻で一番生産額が多い野菜なので、収量を上げようと力を入れて頑張っています。
JAが開催する講習会など技術面のサポートもあり、また、若手ピーマン農家約10人でFacebookを利用してお互いに情報共有しています。新規生産者が気軽に情報交換できる場を通じて、次にすることが分かり失敗を減らせると考えています。

それでもまだ、同世代の若手農家が少ないので、ぜひ新規就農者の方と一緒に岩手の農業を盛り上げていきたいです。岩手県は広いので、野菜の他にもいろいろな農業があり、自分のやりたいことが見つけられると思います。

近隣のピーマン農家が集まり定期的に栽培についての講習会を開催

花巻市で農業を始めたいと思ったら

■新規就農の相談窓口
農業体験から就農準備、就農後のサポートまで細やかに対応しています。
岩手県や市、JA等の関係機関が連携して就農・農業経営をサポートします。

■就農に関するお問い合わせ
◎花巻市ワンストップ就農相談窓口事務局(花巻市農林部農政課内)
TEL:0198-23-1400 FAX:0198-23-1403
E-mail:nousei@city.hanamaki.iwate.jp

◎岩手県中部農業改良普及センター(岩手県農業研究センター内)
〒024-0003 岩手県北上市成田 20-1
TEL:0197-68-4464 FAX:0197-68-4474

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