次世代のリーダーを宮城県から
「みやぎ農業女子リーダー育成塾」は宮城県農政部農業振興課が主催(運営・株式会社マイナビ)。「政策・方針決定にもっと女性の声を」「もっと女性が働きやすい環境づくりを」を掲げる農林水産省事業を活用した事業として、販売における基礎知識を学び、顧客ニーズから販売戦略を考案し実行するまでに必要な力を育むことを目的に開催されました。宮城県加美町で50品目以上の花きを栽培する株式会社宮城フラワーパートナーズの今野高さんをメイン講師に迎え、全3回の研修・販売実習を企画しています。
第1回の11月10日は宮城県の生産者や学生ら27人が参加。「仲間づくりや情報交換のきっかけになれば」「子育てをしながら農業を始めるにあたって、色々と勉強したい」「販売の仕方などについて、皆さんの意見やアイデアを聞いてみたいと思った」。参加のきっかけや動機はさまざまでしたが、イベントでの経験を今後の農業経営や就農の実現に生かしたいという思いがあるようでした。
当日は、ハムやソーセージを手掛ける(有)ジャンボン・メゾン代表取締役の高﨑かおりさんによる講演も行われ、販売方法のアイデアについて参加者が理解を深めていました。
優良事例から販売企画を学ぶ
講師として登壇した高﨑かおりさんは2016年、先代からハム工房を引き継いで以降、女性の感性と働き方を商品・組織に取り入れるべく、従業員を全員女性に。その後も創業以来販売してきた「岩出山家庭ハム」ブランドに加え、完全受注生産の「和ハム」、旬の食材を楽しめる量り売りのマルシェ「アトリエ・ドゥ・ジャンボンメゾン」の2ブランドをリリースしました。特に容器などを持参し、ほしい分だけ購入できる量り売りマルシェは「食品ロスや包装ごみを減らす」というコンセプトが支持され、多くのファンを獲得しています。
講演で高﨑さんはプラスチック廃棄物やフードロスなどの問題意識が「量り売りマルシェ」というブランド立ち上げに至ったことなどを説明。「周囲を納得させる一番の方法は結果を出すこと。売り上げや販売数など指標はいくつかありますが、私はメディアに取材してもらい、多くの方に知ってもらうことにこだわってきました」と、新しい販売企画を打ち出した際の心構えを伝えていました。
参加者からは「自分が作っているものに愛情や自信がなければ、行動するというエネルギーも生まれない。そこをもっと深めていきたい」といった感想のほか「アイデアと行動力でここまでいけるのか」などの感嘆の声が寄せられました。
講演後は参加者同士でのグループディスカッションも行われ、それぞれ心の奥底にある「本当にやりたいこと」「それができない理由」について意見交換。イベントを終え、参加した仙台市の女性は「世代の違う方たちとの話し合いがとても刺激的だった」と満足気。登米市の女性も「今日のことを地域の若者たちに伝えたい」と話してくれました。
次回開催は12月15日、仙台市の仙台農業テック&カフェ・パティシエ専門学校にて、販売戦略づくりなどの実践研修を実施予定です。また、座学だけでなく、ワークショップや実践販売などのプログラムもあるため、参加者同士の交流が生まれ、切磋琢磨できる仲間にも出会えるはず。単発での参加も可能ですので、「農業経営の可能性を広げたい」「企画力や販売力を身に着けたい」「生産者コミュニティの幅を広げたい」という方はぜひ、お気軽にご参加ください。
■イベントに関するお問い合わせ
株式会社マイナビ 地域活性CSV事業部
農業活性事業統括部
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■本事業についてのお問い合わせ
宮城県農政部農業振興課
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