都会での慌しい日々からの解放。
【北海道】で始める新たな暮らし
「満員電車を使った長時間の通勤と日々の残業で家族とゆっくり過ごせない」「パソコン画面に向かっている時間が長く、人との触れ合いが少なくなっている」など、都会で働き、暮らし続けることへの疑問と不安を感じて地方へのUターン・Iターンを検討する人は少なくありません。「自然と触れ合いながら家族と一緒に暮らせたら…」という漠然とした憧れを抱いている場合もあるでしょう。しかし、生活していくためには当然、仕事が必要となります。地域によっては転職先が見つかりにくいケースがあるかもしれません。そんな時、候補の中に「一次産業」を入れてみてはいかがでしょうか?実は、今北海道の一次産業では未経験の方を広く受け入れています。
永く愛される景色を作る。
【林業】という仕事
林業は、普段食しているお米や野菜、魚を扱う農業や漁業などに比べてなじみが薄い業種と感じるかもしれません。しかし、考えてみてください。旅行やドライブで郊外に出かけると、木々が生い茂った美しい風景に出会うことができるでしょう。それは、これまで林業に携わってきた人たちが、何世代にもわたり、長い年月をかけて作り上げたものです。祖先から森を受け継ぎ、子や孫の世代につないでいく。世代を超えてバトンを渡していくのが林業なのです。そんな林業を就職先のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
それではここで、他地域から北海道へ移住・転職を果たし、林業の現場で活躍している方に話を聞いてみましょう。
神戸から北海道オホーツクへ移住。
全くの未経験から林業の世界へ
「私は兵庫県の神戸市出身なんですよ」と話してくれたのは北海道のオホーツク地域、北見市にある赤坂木材に勤務している岡田壮平さん(40歳)です。「以前、旅行で北海道をグルっと回ったことがあるんです。大きな建物が少なくて、山に囲まれて空が広い、自然が豊かな環境に魅力を感じました。その中でも北見は雪が比較的少ないお気に入りの地域だったんです(笑)」。過去の職務経験は銀行と木工所。一生懸命働きながらも「ほとんど屋内にいる仕事で、これを続けて行っても自分は楽しめない」と考えるようになり、移住と転職を検討するようになりました。
岡田さんは元々、一次産業で働くことに興味を持っていたそうです。「何かを作るとして、その第一段階にあるのが一次産業。自分はそこに魅力を感じています。木工所では木材を加工しますが、その木材は誰のおかげでここにあるのかということですね(笑)」。これまでの職務経験から、ハローワークが現在の勤務先である赤坂木材と、林業で働くために必要な知識・技術の習得をサポートしてくれる北海道森林整備担い手支援センターを紹介してくれました。
「辞めたい」と思った1年目。
現在では、後輩の育成を担当するまでに成長
「自分は木工所で働いていたとはいえ、林業自体は全くの未経験。でも、とてもウェルカムな対応ですぐに入社が決まりました」。危険を伴い、体力的にもきつい仕事だと包み隠さず正直に伝えられたことで、未経験者の目線に立って会社のトップが話してくれる姿勢に好感を持ったそうです。
「入社して最初の1年は想像以上に大変で、いつ辞めようか…とずっと考えていました」。
体力の問題、知識不足、役に立てないもどかしさ…。様々な苦労と葛藤を乗り越えた時「自分はこの仕事が好きなんだな」と気づいたそうです。美しい景色、夏の心地よい日差し、冬の澄み切った空気、時々出会うキツネやシカなどの野生動物…。都会にはない四季の移ろいを肌で感じる環境で働けることに充実感を覚えています。岡田さんが入社してから9年が経過(2022年時点)。会社には20代の若いメンバーがどんどん増えています。「今は後輩を指導する立場になってしまいました(笑)。みんなに仕事を続けてもらうにはどうすべきかと、家族のために仕事でケガをしないことを考えながら働いていますよ」。
岡田さんのケースのように、林業の業界は未経験者の転職を歓迎してくれます。林業の現場をわかりやすく動画で紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
北海道の林業への就職を望む人へ
未経験でも大丈夫。支援体制の紹介
日本の森林面積の1/4を有する北海道は木材生産量、生産額などが全国でトップですが、その従事者は不足しています。全国には林業従事者が約4.5万人いる中で、北海道は0.4万人と1割にも達していないのです。このため、森林づくりを担う人材を育てるため、未経験者のサポートなど様々な取り組みが行われています。
岡田さんが紹介された「北海道森林整備担い手支援センター」は雇用情報の提供、就業、生活の相談への対応から、未経験の方でも働きながら基礎的な知識や技術を学ぶことができる研修など、林業への就業を考えている人に対する幅広いサポートを行っています。また、就職する前に、じっくりと林業について学び、専門的な知識や実践的な技術を身につけることができる林業の専門学校である「北海道立北の森づくり専門学院」(通称:北森カレッジ)(修学期間:2年)も旭川市にあり、北海道の森林づくりの担い手を目指して多くの生徒が学んでいます。
※「北海道森林整備担い手支援センター」「北森カレッジ」についてはページ下部で概要を紹介しています。
まずはここからはじめてみませんか?
各種イベントへの参加
「北海道の林業が気になる」、「北海道で林業の仕事を目指したいけれど、まず何から始めよう?」。そんな人におすすめなのが北海道の各地で開催されているイベントへの参加、来場です。Webページ「北海道の一次産業に就く」では、林業就業者との交流会や就業体験など、その時々に募集している様々なイベントが掲載されていますので、気軽に訪問してみてはいかがでしょうか。そして、興味のあるイベントがあれば、ぜひ、参加してみましょう。それが、新たなステージへの第一歩となるかもしれません。
【北海道の一次産業に就く】
北海道森林整備担い手支援センターについて
林業への就業を希望者される方の相談への対応や必要な技術を身につける研修などを行っています。林業に興味を持ったらまずは、北海道森林整備担い手支援センターまでお問合せください。
●林業就業希望者の相談対応
就業情報の提供、助言・指導や就業・生活相談に応じています。
●林業に関する知識・技術を身につけるお手伝い
森林整備の基礎から高性能林業機械の操作技術等まで、様々な研修を行っています。
北海道立北の森づくり専門学院について
北海道の豊かな生態系をはぐくむ森林を守り育て、将来の世代に引き継いでいく、百年先を見据えた森林づくりを推進するという理念のもと、林業・木材産業の幅広い知識と確かな技術を身につけ、将来的に企業等の中核を担う地域に根差した人材を育成しています。
就職する前に専門的な知識や実践的な技術を身につけることができますので、興味を持ったらまずは、北海道立北の森づくり専門学院までお問い合わせください。
<教育方針>
●即戦力となる人材
就業後すぐに現場で活かせる能力を身に付ける
●企業等の中核を担う人材
将来必要となる能力の基礎を身に付ける
北海道の林業への就業について興味を持っていただけたでしょうか?
詳しいお問い合わせは次の連絡先までお寄せください。
◆問い合わせ先
■林業への就業に関すること:
北海道森林整備担い手支援センター TEL:011-200-1381
https://www.shiencenter.or.jp/
■北森カレッジへの入学に関すること:
北海道立北の森づくり専門学院 TEL:0166-75-6161
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/kms/index.html
■イベント情報・その他全般:
北海道水産林務部林務局林業木材課 TEL:011-206-6579
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/rrm/