【お話をいただいた皆さん】
抵抗性を発達させた飛来害虫にも有効な新規成分「アレス」に対する各エリアの反応は?
高橋さん(営業企画):「アレス」の3大特長は「一剤で幅広い害虫に高い効果を発揮」「既存の殺虫剤に抵抗性を持った害虫にも効く」「育苗時での使用で優れた残効性」です。2022年に展示圃試験および販売を通して、地域ごとの箱処理剤の課題、その中でアレス剤がお役に立てるポイントが見えてきましたので、本日は、それらの情報と各エリアでの今後の期待などを共有したいと思います。まず、エリアごとに主要産地で問題となっている害虫と「アレス」への期待について教えてください。
小川さん(佐賀・長崎担当):九州エリアでは、トビイロウンカ、コブノメイガが問題です。ウンカ類は梅雨のころ東南アジアから季節風に乗って最初に九州に飛来して、9月末から10月上旬まで増殖を続けます。2020年に多くの圃場で坪枯れが発生する甚大な被害が出たことは皆さんの記憶にあるとおりです。農家さんの防除意識も高く、効果の高い箱処理剤が求められる中で、「アレス」は新規骨格を有する殺虫剤として、既存剤への抵抗性を獲得したウンカ類に対しても効果が期待されています。また、一成分でウンカ類およびコブノメイガの防除もできるので、農薬の使用成分数に制限がある地域で特に好まれています。
深堀さん(岡山・香川担当):近畿・中国・四国エリアで特に問題なのはウンカ類です。特に2020年にトビイロウンカによる被害が多くの圃場で発生してからは、農家さんの防除意識も高くなっています。トビイロウンカは稲の生育期後半まで発生が続くため、「アレス」の長い残効性は大きなメリットになります。
森安さん(石川・富山担当):北陸では、イナゴ類、ニカメイチュウが問題です。アレス剤の展示圃試験をしたところ、非常に高い効果があり、園主さんや近隣農家さんが驚いていました。富山県の一部地域では、イナゴ類の問題が地方紙に取り上げられるほど関心が高く、地域防除が求められる中で、2023年はアレス剤を使用したいという声を多くいただきました。
石川さん(新潟担当):新潟ではイナゴ類が問題視されております。また今後も、環境の変化に伴い発生する害虫種が変化すると想定され、幅広い殺虫スペクトラムがある「アレス」は、時代の変化にも十分対応できる剤だと考えています。
高橋さん(営業企画):ウンカ類、イナゴ類、コブノメイガ、ニカメイチュウといった複数の害虫を同時防除するには複数成分の混合が必要なケースもありますが、「アレス」は1成分で幅広く防除できます。農薬成分数が制限される特別栽培米向けとしても普及が期待できますね。
「アレス」に関してわかりやすく解説した紹介動画と解説ページを用意しましたので、ぜひご覧ください。
播種時処理もでき、長く効き、使いやすさもポイント
高橋さん(営業企画):「アレス」は、播種時処理もできます。また、優れた残効性により育苗時の使用で効き目が長持ちするので本田防除の省力化にも貢献できるのではないでしょうか。エリアの状況を教えてください。
小川さん(佐賀・長崎担当):大型農家さんでは、播種時処理への要望が高いですが、使用できる箱処理剤は種類が少ないため、新剤であるアレス剤は特に期待されているのではと考えております。
熊田さん(茨城担当):北関東の茨城・栃木エリアで問題のヒメトビウンカは、縞葉枯病のウィルスを媒介する非常に困った害虫です。また、後半に出てくるイネツトムシも茨城県では問題となっており、箱処理剤の長期残効性が求められています。2022年の展示圃試験では効果の高さだけでなく、対照剤と比べて非常に長い残効性も認められました。近年、関東では稲作経営の大規模化が進んでおり、本田防除まで手が回らない農家さんもいらっしゃいます。省力化の観点からも「アレス」のような殺虫スペクトラムが広く、長期残効性の剤が求められていくと思います。
いもち病・紋枯病対策も同時にできる充実のラインナップ
高橋さん(営業企画):「アレス」シリーズは、害虫対策に加えて、いもち病対策として殺菌剤スタウト(有効成分イソチアニル)を含有した「スタウトアレス箱粒剤」、紋枯病対策として殺菌剤モンガレス(有効成分インピルフルキサム)を含有した「アレスモンガレス箱粒剤」、両方を兼ね備えた「スタウトアレスモンガレス箱粒剤」も揃っています。 各エリアでのいもち病、紋枯病の発生状況と「アレス」シリーズへの期待はいかがでしょうか。
熊田さん(茨城担当):いもち病は発生してからの進展が非常に早く、発生後の防除は簡単ではありません。またその年の発生タイミング、程度を正確に予測することも難しいため、防除適期を逃す農家さんもいらっしゃいます。そのため箱処理剤で事前に対策することが重要です。2022年にスタウトアレスを使用した農家さんの中には、被害だけでなくいもち病への心配も軽減したとコメントをくださる方もいました。
小川さん(佐賀・長崎担当):紋枯病は、夏場の高温・多湿条件で感染が広がるので、九州では問題となっています。一度発生すると稲わらのすき込み等により圃場内に感染源が残り、翌年も発生する原因の一つではないかと言われています。
石川さん(新潟担当):「モンガレス」は、殺菌活性が高く、果樹、園芸分野で実績のある「インピルフルキサム」を水稲に使えるように開発されたもので、現場での期待感も非常に高いです。本田防除で紋枯病対策剤を撒くなど労力をかけているところでは、「アレスモンガレス箱粒剤」の使用で省力化につながると期待を寄せられています。
深堀さん(岡山・香川担当):ウンカ類に効果の高い薬剤は他にもありますが、近畿・中国・四国エリアでは、紋枯病にも効果がある「スタウトアレスモンガレス箱粒剤」に高い期待感を持っていただいています。紋枯病が広がりやすい夏場の時期には無人ヘリやドローンでの本田防除も行っていますが、労力・コストもかかるため、箱処理剤で紋枯病の発生も抑えられるのは魅力的です。
森安さん(石川・富山担当):2020年にトビイロウンカが大発生した際、担当地域のJA育苗センターでは、ウンカ類対策を強化したいという要望がある一方で、同時に紋枯病の対策ができる剤があまりない状況でした。このような状況のなか、「スタウトアレスモンガレス箱粒剤」が登場しました。新規成分で紋枯病に効果があり、播種時処理ができ、さらに高密度播種にも対応しているという点に興味を持っていただき、2022年に育苗センターで試験をし、高い評価をいただいています。
待望の新剤!!「アレス」のまとめとこれからの展望
高橋さん(営業企画):最後に「アレス」シリーズの特長をおさらいします。
①一成分で幅広い害虫に高い効果を発揮
②既存の殺虫剤に抵抗性を持った害虫にも効く
③育苗時での使用で優れた残効性
「アレス」シリーズは、各地の農家の皆さまのお役に立てるポイントがたくさんありますので、ぜひ使用して効果を実感していただきたいと思います。気候変動による病害虫の発生状況の変化、農薬の使用回数の削減、省力化など、今後のさまざまな課題に対応できると考えています。皆様の課題解決に役立ち、末永く愛用してもらえる商品となっていくことを期待しています。
住友化学は、「アレス」をはじめとした豊富なラインナップにより農家様の課題解決にこれからも取り組んで参ります!
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