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完全自然交配、化学肥料不使用。凍霜害ゼロだった家族経営の兼業農家、決定的なある違いとは

完全自然交配、化学肥料不使用。凍霜害ゼロだった家族経営の兼業農家、決定的なある違いとは

果樹農家にとって春先の凍霜害は、その年の収量を左右する深刻なもの。最近では、昨年度(2021年度)に東北や長野など各地で大きな被害が報告されました。りんご産地の青森県で生産指導員と農家を兼業する工藤さんも、かつて凍霜害に頭を悩ませていた一人でしたが、昨年度は全く被害がなかったと言います。りんご本来の力を引き出す栽培を追求する工藤さんがこだわった「土づくり」に迫ります。

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化学肥料を使わずりんご本来の味を引き出す 人から人へ評判を呼ぶ鬼八りんご園

弘前市のシンボル、岩木山(いわきさん)の麓に広がる鬼沢地区は、全国の生産量の6割以上を占める青森県の中でもりんご栽培が特に盛んな地域です。
その鬼沢地区でりんご栽培を手掛ける工藤誠也さんは、祖父母の代から続く「鬼八りんご園」の3代目園主です。

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就農13年目、「鬼八りんご園」の工藤誠也さん。プロ野球選手を目指し、大学までは野球に打ち込んでいた

「大学卒業後、地元にUターンして父が営むりんご園に就農しました。りんご農家のもとで育ったので、農業の厳しさは子どものころから実感していました。就農後、自分なりに栽培の勉強を重ねましたが、今も試行錯誤は続いています」。

工藤さんは現在、りんごの生産指導技師として勤務しながら、両親と3人でおよそ2.5ha、5か所に及ぶ園地でりんごを栽培しています。

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鬼八りんご園のりんごの木と、奥に見える岩木山。「どの木も個性があります」と工藤さん

「わたしは兼業ですし、アルバイトなどを雇わず家族3人だけで栽培管理しているので、多くの他の農家と比べれば作業時間が圧倒的に不利です。また、栽培指導員である自分のりんごが不出来だと、説得力がありませんよね。限られた時間の中、いかに効率よく作業を進め、高品質な生産ができるかを常に必死で考えています」。

鬼八りんご園で栽培しているりんごは、ふじのほか、つがる、きおう、トキ、シナノゴールド、王林。化学肥料は使わずに本来の味を引き出せるようなシンプルなりんご作りを目指しています。
「鬼八りんご園のりんごがいい」と毎年贈答用などへの注文が相次ぎ、口コミだけでその輪が広がっている「知る人ぞ知る」りんご園なのです。

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実が固く貯蔵性に優れた葉とらずふじ。鬼八りんご園のりんごは甘味と酸味のバランスがよく、飽きのこない品のある食味

「鬼沢地区は岩木山に近く、起伏がある土地です。場所によっては冷気が溜まりやすく、雪が多い場所もあります。平地よりも寒冷なため栽培開始が遅く、小ぶりで貯蔵性が高いりんごができるのがこの土地の特長です」と工藤さん。山に近いからこその魅力がある一方、岩木山に近い火山灰土壌では根を伸ばしていくことができず、木がうまく育たないこともあるそうです。
しかし工藤さんは「地力がないことを言い訳にしたくない」と、毎年園地の土質調査をした上で、土壌改良に取り組んでいます。

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りんごの枝には、果実に傷が付かないように施されたスポンジが残っており、丁寧な栽培が伺える

木を育てるのはまずは土壌だと語る工藤さん。1本のりんごの木から収穫できる品質や量を底上げできるよう、土壌の状態を把握し、足りないものを補うことで強い土壌を作ります。
園地の状況は立地やこれまでの栽培状況によって異なるため、いつ、どんな資材を土に与えるべきかを見極める必要があるのです。

地力向上のために使い始めた資材が凍霜害にも効果を発揮

木を育てる一貫として、「根を生長促進させたい」と酵母由来の資材を試し始めた工藤さん。その一つとして、ML・セル インパクトの「プレミアムセル酵母発酵物」を2020年から使い始めました。

目的は生長促進だったものの、思わぬ効果があったと言います。それが凍霜害です。

「春先は、りんごの花の蕾が花粉を作る大切な時期です。この時期に凍霜害が起こると花粉が形成されず、結実に大きな影響を及ぼすので、農家は霜が降りそうな気温の時には園地で火を焚くなどできる限りの手を打ちます」と対策について話す工藤さん。
「しかし昨年度は全国的に不作の年で、青森県でもりんごの収穫量が4割減少するなど、深刻な被害を受けました。その原因が凍霜害です。この鬼沢地区でも被害があった中、私の園ではほぼ被害がなく、例年通りの出荷量を維持することができました。理由を考えたとき、唯一周りの農家と異なっていたのが『プレミアムセル酵母発酵物』を散布していたことでした」。

「プレミアムセル酵母発酵物」は有機JAS対応の葉面散布肥料です。10aの面積に対し、1回の散布で500円と低コスト。凍霜害の危険がある春先に3回散布したとしても、10aあたり1500円以内で収まり、低コストで手軽に酵母由来の栄養補給ができることが魅力です。

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酵母を使った他の肥料とプレミアムセル酵母発酵物のコストパフォーマンスを比較した表

凍霜害予防の鍵となる耐凍性の向上について工藤さんは、凍霜害はりんご樹体の貯蔵養分によって強弱に差が出ることが既に分かっていることから、プレミアムセル酵母発酵物の施用が養分の貯蔵に何らかの好影響を及ぼしたのではないかと考えています。
実際に工藤さんのりんごの成分を分析した結果、カテキンなどのポリフェノールによるとみられる抗酸化活性が強いことがわかりました。近年、ポリフェノールが凍結の被害を緩和するという研究結果も報告されており、何らかの関係があるのかもしれません。

工藤さんは「凍霜害の被害がなく、例年通りの収穫量を変わらない品質でお客様の元へ届けることができたというのが、何より安心できました」と話していました。

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左が処理区、右が慣行区。果粉(ブルーム)が多くついているように見える

果菜や葉物農家からも喜びの声 適切な時期に適切な資材で、農家の所得向上を応援

近年では温暖化によって芽吹きが早まり、凍霜害に遭遇するリスクが高まっています。
「青森県の平均気温は10年前と比べると1度上昇していて、この生産環境は10年前の福島県と同じなんです」と工藤さん。
青森県産りんごは貯蔵性に優れ、周年供給できる特長がありますが、生産環境の変化によって果実の糖度や着色、硬さなど、さまざまな変化が表れています。工藤さんは、環境に適応すべく日々挑戦を続けています。

「プレミアムセル酵母発酵物」を開発した株式会社ML・セル インパクト取締役会長の江上正倫さんは、「この資材は作物のストレスをコントロールして、生育や育苗をサポートします。人間と同じで植物も代謝を良くすることで、短くしっかりとした茎を作り、根の生長が見込めます」と「プレミアムセル酵母発酵物」の特徴を説明します。
「暑さの厳しい西日本では、トマトナスキャベツなど、果菜や葉物の収量アップを見込んで使用いただいていますね。生産者の所得向上にも繋がっています」。

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熊本県の圃場でセル区と慣行区のニンジン総重量を比較したもの

生産者の所得向上を応援したいという思いから、自ら全国各地へ足を運び、低コストで品質向上に役立つ資材を提案している江上さん。
「これからは、時期を見極める目、そして適切に手入れする技術を持っている農家さんが、世界と戦える品質の作物を作っていくことができると思っています。工藤さんのように挑戦し続ける農家さんを、弊社では応援し続けます」と語る江上さん。生産者の心強い味方です。

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株式会社ML・セル インパクト取締役会長の江上正倫さん。鬼八りんご園訪問後も、東北各地の生産者を訪ねた

今後の目標について工藤さんは、「その木の特性を生かし、その木にしか作れないオリジナルのりんごを作りたいです」と語ってくれました。「毎年、鬼八りんご園のりんごを楽しみに待っていてくれるお客さまがたくさんいます。これからも期待に応えられるような、食べていただく方に評価されるものを提供していきたいです」。

うちのりんごはまだまだ美味しくなりますよ!とりんごの未来に期待を込める工藤さん。
研究を重ねる熱心な生産者と肥料メーカーに、これからも大きな期待が寄せられます。

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岩木山を背に左から江上さん、工藤さん、販売元のアリスタライフサイエンス株式会社・須藤修さん

お問い合わせはこちらから

セルインパクト特設ホームページ

(取材協力)

鬼八りんご園 工藤誠也さん
電話:090-9535-5846

(お問い合わせ)

株式会社ML・セル インパクト
住所:熊本県熊本市中央区水前寺5丁目-18-2
電話:096-382-7754

(販売元)

アリスタライフサイエンス株式会社
住所:東京都中央区日本橋1丁目4番1号
電話:03-5203-9350

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