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地域農業の課題とは? マイナビ農業読者の意見から解決のヒントを探る

地域農業の課題とは? マイナビ農業読者の意見から解決のヒントを探る

高齢化や人手不足など、日本の農業の課題として挙げられるものは数多くあります。しかし、実際の農家は日本の農業の課題についてどう考えているのでしょうか。農家の皆さんにそれぞれの地域の課題について具体的に答えてもらうことで、日本全体の農業の活性化のためのヒントを探ってみました

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地域そのものに農業の課題がある

農業経営は農家自身の能力ややる気など、個人的な問題に左右されることは多いでしょう。しかし、農業の基盤は土地にあり、その土地は地域に属するもの。地域自体の課題が個人の農家の経営に大きく影響することもあります。
そこでマイナビ農業では、農家を対象に「あなたの地域の農業の課題」についてのアンケートを実施。その結果から、日本の農業全体の課題も見えてきました。

農家と地域の課題アンケートについて

【実施期間】2022年11月18日~12月18日
【調査方法】インターネットによるアンケート
【有効回答者数】586人(回答者の属性内訳は下図の通り)

回答者の属性回答者の属性

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地域の抱える課題とは

「あなたの地域の農業について課題に思っていること」について、複数選択で回答してもらいました。上位3つの「高齢化している」「担い手が不足している」「耕作放棄地が増えている」はいずれも日本の農業で顕在化している大きな課題です。

あなたの地域の農業の課題

本アンケートでは、全回答者の78%にあたる460人が「高齢化している」を選択。3つまで選択できる複数回答形式のアンケートですが、高齢化のみを選択している人が23人いました。農業就業年数に関わらず多くの人が選択しており、世代を超えた課題であると言えるでしょう。

高齢化と同時に課題として挙がることの多い担い手不足の問題ですが、こちらも全回答者のうち297人と回答者の約半数が選択しています。さら耕作放棄地の増加を課題として選択した人は272人で全体の46%でした。担い手不足だけが耕作放棄地の増加の原因とは言い切れませんが、その大きな理由の一つであることが推測されます。

解決策はどこにある? 必要とされるサービスは

続いて、「あなたの地域にあったらうれしい共同のサービス」について複数選択で聞きました。

共同のサービス

最も多い352人、全体の約60%が選択したのが「農業機械のシェアやレンタル」。続いて「労働力のシェアや支援サービス」は全体の約48%にあたる282人が選択しました。いずれも農作業の効率化や省力化につながるサービスと言え、課題に挙がった担い手不足がその背景にあると考えられます。また農業機械は高額である上、使う頻度も限定されることから、地域でシェアすることが農家の負担軽減にもつながるでしょう。

肥料や堆肥などの共同購入も全体の27%が選択しました。JAグループによる共同購入もありますが、JAに頼らない農業経営をする人も増え、新たな購入の方法を求めているのかもしれません。また、肥料価格高騰の影響もあってか、より安く資材を手に入れたいというニーズもありそうです。

地元の農業を持続可能なものにするカギは?

「あなたの産地を持続可能なものにするために必要なものは?」という質問では、「補助金」を54%にあたる314人が選択しました。

産地を持続可能に

肥料や飼料の価格高騰対策の支援制度など、農業に関する補助金や助成金はさまざまなものがありますが、支援が足りていないところがあると感じている人が多いのでしょうか。
一方で、自由記述では「農産物価格の上昇」といった農家の収入アップを求める声も。これは他の質問項目の自由回答でも多く見られ、農家の収支改善のためには農産物の価格をどう上げるか、というところが大きな課題となっていることが見て取れます。

「新規就農者の確保」や「事業承継の推進」も多くの人が選択しました。やはり農地の担い手がいなければ地域の農業は維持できないということを皆さんが実感しているということでしょうか。

自治体やJAに求めるものは?

「あなた自身の営農の底上げのために自治体やJAに求めるものは?」という設問でも、回答が多かったのは「補助金」でした。全体の59%にあたる346が選択し、非常にニーズが高いといえます。

営農の底上げ

2位と3位も前の設問と変わりがなかったのですが、4位につけたのが「地域内資源の循環」でした。自由回答でも「眠っている各種バイオマスの活用」といった意見もあり、地域で生まれたたい肥を地域の田畑で使用するなど、耕種農家と畜産農家のマッチングも求められる機能でしょう。
また、「農地の流動性の向上」についても選択した人が200人以上いました。自由回答で農地に関する法整備や税制に関する意見やJAの体制に対する意見も多く見られました。

課題の多い日本の農業。大切なのは一人一人の農家の声

それぞれの質問項目に自由回答も多く寄せられました。立場や地域によって意見はさまざまで一般論として紹介することは難しいのが現状です。それぞれの背景と回答者の属性や考えをもとに考察することが必要な事例については、個別の記事として紹介する予定です。

こうした一人一人の農家について、マイナビ農業は今後も紹介していきたいと思います。あなたの意見がほかのだれかの解決策につながるかも? 農家の皆さんにはぜひ自分の意見を述べる場として、マイナビ農業のLINEコミュニティをご活用ください。

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